歯磨き後の舌の痛みを和らげる方法
口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。
歯磨きをした後に、舌がピリピリ・ひりひりと痛くなることがありませんか?
Yahoo!知恵袋にも「歯磨き粉を使うと、舌がピリピリ痺れる(しびれる)」と悩んでいる方がいました。歯磨き粉(シュミテクト、クリアクリーン、NONIOなど)の種類によっては、舌に痛みを感じることがあります。
舌の痛みの原因はさまざまで、アフタ性口内炎、口腔カンジダ症、扁平苔癬などの疾患のほか、原因のはっきりしない舌痛症の場合もあります。
現在お使いの歯磨き粉を刺激のない歯磨き粉に変えたり、治療をしなければ、舌の痛みは自然に治らない可能性があります。
今回は、歯磨き粉の成分などを調査し、舌に起きる痛みを緩和するための方法をお伝えします。
クリックできる目次
舌痛症とは
舌がヒリヒリ・ぴりぴりと痛くなる症状を舌痛症(ぜっつうしょう)といいます。舌痛症になると、舌磨きの時や刺激のある歯磨き粉・マウスリンスの使用時にピリピリと痛くなります。
舌痛症とは、舌のヒリヒリ・ピリピリするような痛みや燃えるような灼熱感があっても、実際には見た目の異常がない長期的な痛みの状態のことをいいます。(中略)原因のよくわからないこともあります。
舌痛症の原因
舌痛症はストレス等が大きく影響していますが、口腔乾燥等が関与していることもあり、原因のよくわからないこともあります。
【舌痛症の原因】
- 熱い食べ物を食べたことによる火傷
- 硬い歯ブラシによる舌磨き
- 義歯で傷がついた
- 口内炎
- 口腔カンジダ
- 扁平苔癬(へんぺいたいせん)
- 白板症(はくばんしょう)
- 口腔乾燥症(ドライマウス)
- ヘルペス性歯肉口内炎
この他にも、舌痛症の原因としては、鉄欠乏性貧血、亜鉛不足、心因性などがあります。
歯磨き後に舌が痛む原因
歯磨き後の舌の痛みの原因を突き止めることが、問題に対処するための鍵となります。ピリピリする痛みの原因として考えられるのは、歯磨き粉の成分に対するアレルギー、唾液不足による口の乾燥、舌の磨きすぎ、または口内炎などです。
舌の痛みの原因を特定するには、歯科医または医師に相談することが大事です。
歯磨き粉の刺激成分
歯磨き粉の種類によっては、皮膚への刺激性成分が含まれているものがあります。粘膜に異常がなければ問題がありませんが、口内炎(舌炎)や舌痛症のケースで歯磨き粉を使用すると、舌の痺れや痛みを起こす可能性があるので使用を控えてください。
舌痛症になると、歯磨きやマウスウォッシュを行なった時に、刺激によって舌の炎症部分にしみて、ひりひり・ピリピリと痛くなるので、ラウリル硫酸ナトリウムなど強い刺激成分の入った歯磨き粉やうがい薬は使わないことが大事です。
歯磨き粉に添加されているシナモンやミントなどの香料は、口腔状態が良ければ口がスッキリとして気持ちいのですが、粘膜に炎症があると成分がシミて痛さを感じるようになるのでご注意ください。
アレルギー反応がない場合でも、市販の歯磨き粉にはいろんな刺激性成分が含まれているので、舌痛症の方には不向きです。
関連記事:危険歯磨き粉ランキング
シュミテクト歯周病ケアには、ラウリル硫酸ナトリウムのほか、薬用成分(硫酸カリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、フッ化ナトリウム)、香料(サッカリンナトリウム)などの刺激性成分が含まれます。
シュミテクト 歯周病ケア
●湿潤剤/ソルビット液、濃グリセリン
●基剤/精製水
●清掃剤/含水ケイ酸
●薬用成分/硫酸カリウム・フッ化ナトリウム(フッ素)、グリチルリチン酸アンモニウム(MAG)
●発泡剤/ラウリル硫酸ナトリウム
●香味剤/香料(ダブルミント)・サッカリンナトリウム
●粘結剤/キサンタンガム
●pH調整剤/水酸化ナトリウム
●保存剤/安息香酸ナトリウム
●着色剤/赤色226号
●その他/酸化チタン
クリアクリーンには、ラウリル硫酸塩のほか、サッカリンNA、モノフルオロリン酸ナトリウムなどの刺激性成分が含まれます。
クリアクリーンRR(ナチュラルミント)
- 湿潤剤:ソルビット液
- 基剤:水
- 清掃剤:顆粒A、炭酸Ca
- 粘度調整剤:無水ケイ酸、CMC・Na
- 発泡剤:ラウリル硫酸塩
- 香味剤:香料(ナチュラルミントタイプ)、サッカリンNa
- pH調整剤:リン酸1Na、水酸化ナトリウム液
- 薬用成分:モノフルオロリン酸ナトリウム(フッ素)
- 着色剤:青1
NONIOマウスウォッシュ クリアハーブミントには、乾燥性敏感肌の方の中に刺激が強いエタノールが含まれてます。他にも、敏感肌を刺激する香料(クリアハーブミントタイプ /スプラッシュシトラスミントタイプ)や、サッカリンナトリウムが含まれています。
NONIOマウスウォッシュ クリアハーブミント
- 溶剤: エタノール
- 溶剤 :PG
- 湿潤剤 :グリセリン
- 香味剤 香料:クリアハーブミントタイプ /スプラッシュシトラスミントタイプ
- 香味剤 :ソルビット液
- 香味剤 :サッカリンNa
- 可溶化剤 :POE硬化ヒマシ油
- pH調整剤 :クエン酸Na
- pH調整剤 :クエン酸
- 保存剤 :パラベン
- 薬用成分 :塩化セチルピリジニウム(CPC)
歯磨き後の舌の痛みを和らげる方法
歯磨き後の舌の痛みを和らげるためには、舌磨きを控え、刺激性成分が無添加の歯磨き粉を使用するようにしましょう。
舌磨きを止める
歯を磨いた後の痛みを和らげるには、舌磨きを止めることから始めましょう。舌苔が気になる場合は、ティッシュを使って1日2回、優しく舌の汚れを拭き取るようにしましょう。
関連記事:コットン(綿花)で舌苔を取る方法
刺激のない歯磨き粉の使用
刺激性成分が入っている歯磨き粉は、敏感になっている舌にはきつすぎる可能性があるため、ミント(香料)やアルコールなどが含まれない歯磨き粉を選択してください。
また、痛みや刺激を引き起こす可能性のある薬剤や消毒剤や収れん性のうがい薬は避けてください。
辛い食べ物や酸っぱい食べ物を避ける
舌への刺激を軽減するために、柑橘系の酸っぱい食べ物や辛すぎる食べ物を避けるようにしてください。辛くて酸性の食べ物は、舌の痛みを引き起こし、不快感を悪化させる可能性があります。
代わりに、魚や調理済みの野菜などの柔らかいタンパク質のようなマイルドな食事を選択するといいでしょう。
さらに、食後は白湯で口をすすぎ、その部分を落ち着かせて清潔に保ちます。
保湿ジェルを塗る
舌がよく乾いてひりひりする場合は、舌に保湿ジェルを塗ると痛みを軽減できます。
まとめ
市販の歯磨き粉の多くは、合成界面活性剤など刺激性の強い成分が含まれています。それら添加物が舌をヒリヒリさせる原因になることがあります。
舌痛症の原因が、神経性の場合はストレスを軽減することが大切ですが、歯磨き粉が原因の場合は無添加の歯磨き粉に変えられてはいかがでしょうか。
舌が痛くなる人の場合は、口腔が乾燥するドライマウスが多いです。乾燥した舌であるために歯磨き粉が付着しやすくなるので、唾液の分泌を促すことが大切です。
歯磨き粉が原因で舌が痺れる場合には、ラウリル硫酸ナトリウムなど刺激のある歯磨き粉を使用しないいようにしましょう。どうしても使用する時には、歯磨きのあと、よくうがいを行いきれいに洗い流すことが大事です。
また、舌磨きをしないことも大事です。舌磨きが舌を傷める原因になるのでご注意ください。舌が痺れたり腫れて治らない場合は、自己判断しないで歯科を受診されるようにしてください。