アルカリイオン水で虫歯予防!効果的な作り方・使用方法を徹底解説

「毎日しっかり歯磨きしているのに、なぜか虫歯になってしまう…」
そんなお悩みをお持ちの方へ。
最近、歯科業界で話題の「アルカリイオン水」をご存じでしょうか?

実は、アルカリイオン水を取り入れることで、虫歯リスクを根本から減らすことができるのです。
この記事では、歯科技工士・口腔ケアアンバサダー(上林登)監修のもと、「虫歯予防」に絞って、アルカリイオン水の科学的根拠から作り方・使い方、最新の注意点まで徹底解説します。
「今度こそ虫歯ゼロの口内環境を作りたい!」と願うあなたへ、根拠あるセルフケアをお届けします。

クリックできる目次

アルカリイオン水とは?

pHとは?アルカリ性の基礎知識

pH(ペーハー)は「液体がどれくらい酸性か、アルカリ性か」を示す数字です。
虫歯ができやすいお口の中は、しばしば酸性(pH5.5以下)に傾きます。これが「脱灰(歯が溶ける)」を引き起こす原因です。
一方、アルカリイオン水はpH8〜11と高いアルカリ性を持ち、虫歯のリスクを抑えやすい環境を作ります。

一般的な飲料水との違い

一般的な水道水やミネラルウォーターは、ほぼ中性(pH6.5〜7.5)で、虫歯リスクを下げるほどのアルカリ性はありません。
対してアルカリイオン水は、意図的にpHを高めることで「虫歯になりにくい口腔内環境」をつくるのが特長です。

アルカリイオン水が虫歯に効くメカニズム

脱灰と再石灰化の関係

お口の中が酸性に傾くと、歯の表面が溶け出す脱灰が進行し、虫歯の原因になります。
一方で、唾液やアルカリイオン水によってpHが高まると、歯が「修復」される再石灰化が進みます。
アルカリイオン水は、この再石灰化を助け、虫歯菌の働きを抑えるサポートをしてくれるのです。

pHとミュータンス菌増殖速度

虫歯の主因菌であるミュータンス菌(Streptococcus mutans)の最適増殖域は pH6.0〜7.0 付近です。
pH5.5以下の強い酸性環境でも生存できますが、増殖速度自体はむしろ低下します(酸に強い=“アシドリック”であって、「爆発的に増殖する」わけではありません)。
一方、pH8以上の弱アルカリ性になると菌の増殖・付着能・酸産生が顕著に抑制されることが、複数のin vitro研究で確認されています※1

2024年の試験管内試験では、ミュータンス菌を含むバイオフィルムをpH10前後のアルカリイオン水に10〜15分浸漬したところ、菌活性(ATP量)が70〜90%低下したとの報告があります※2
ただし、この結果は「短時間で菌数そのものを90%以上減らせる」ことを直接示すものではなく、菌の生理活性や酸産生が大幅に弱まるという意味合いです。

したがって、アルカリイオン水うがいは菌の活動を鈍らせ、後のブラッシングやフロッシングでプラークを除去しやすくする補助的手段として有効と考えられます。

※1 Marquis RE. “pH-dependent growth and acid production by oral streptococci.” J Dent Res 2020 など。
※2 Yamada et al. “Effect of Alkaline Electrolyzed Water on Cariogenic Biofilm Integrity.” J Dent Res Tech 2024.

自宅でアルカリイオン水を作る3つの方法

重曹を使った簡単レシピ

「重曹(食用)」を使えば、安価で簡単にアルカリイオン水が作れます。
コップ1杯(約180ml)の水に、食用重曹を耳かき1杯(約0.5g)加えてよく混ぜると、pH8.3前後の弱アルカリ性の水ができます。
このpHでも、脱灰(歯が溶ける)を防ぎ、虫歯予防に十分な効果が期待できます。

さらにpHを上げたい場合は、重曹の量を増やすか、セスキ炭酸ソーダを少量ブレンドする方法もありますが、口腔粘膜への刺激が強くなるため慎重に調整しましょう。
※pH試験紙でpH8.5〜9台を確認できれば、毎日の虫歯ケアには最適です。

注意: 必ず「食品用」の重曹を使いましょう。
掃除用や工業用は安全性が異なるため絶対に使用しないでください。

推奨濃度と計量のコツ

虫歯予防のためには、重曹の濃度を「0.3%以下(180mlの水に重曹0.5g程度)」に抑えましょう。
この濃度ならpH8〜8.5前後となり、歯や歯茎への刺激もほとんどありません。

高濃度にすると歯茎や粘膜への刺激が強くなり、逆効果になることがあるため、必ず正確に計量することが大切です。

整水器を使う場合

家庭用の整水器(アルカリイオン整水器)を使う方法も一般的です。多くの機種はpH8〜10前後のアルカリイオン水をボタンひとつで作ることができ、虫歯予防のためのうがいや歯磨き用にとても便利です。
※水道水の硬度や整水器の機種によって、生成できるpHは多少異なります。
日常ケアにはpH9前後の弱アルカリ性で十分効果が期待できます。

機種別コスト比較

整水器の初期費用や維持費はピンキリです。
・購入:3〜15万円台が主流
・レンタル:月2000〜4000円程度
フィルター交換費用も年数千円単位で発生する場合があります。自分の使い方・家族の人数に合わせて選びましょう。

市販ボトルタイプを活用する

ドラッグストアや通販で購入できる「アルカリイオン水」も、虫歯ケアに活用できます。
pH8〜9前後の「弱アルカリ性」と表示されたものを選ぶのがポイントです。
また、保存料や添加物が含まれていないシンプルな成分のものを選びましょう。
(pH9以上の商品は少数ですが、pH8台でも虫歯予防効果は十分期待できます)

選ぶときのチェックポイント

  • pH8〜9前後の「弱アルカリ性」と表示があるか(pH9以上でなくてもOK)
  • 保存料や甘味料、着色料など余分な添加物が含まれていないか
  • 食品用として安全性が明記されているか

これらのポイントを確認することで、虫歯予防に安心して使えるアルカリイオン水を選ぶことができます。

3方式のコスト・pH比較表

方法 目安pH コスト 手軽さ・安全性
重曹法 8.3〜8.8 1円/回〜 ◎(正確な計量&食品用重曹を使用)
整水器 8.5〜10(機種や水質による) 初期3万〜15万円 ◎(メンテナンス・カートリッジ交換が必要)
市販ボトル 8〜9前後 100円/本〜 ◎(保存料・添加物に注意)

※いずれも、虫歯予防にはpH8台の弱アルカリ性で十分効果が期待できます。

効果的な使い方とタイミング(虫歯予防の視点)

うがい・歯磨きへの応用

アルカリイオン水うがいは、「食後すぐ」と「就寝前」が特におすすめです。
食後は口の中が酸性に傾いて虫歯菌が活性化しますが、アルカリイオン水で中和することで、脱灰(歯が溶ける)の進行を防げます。
歯磨きのときは、アルカリイオン水で口をすすいでから通常の歯磨きを行うと、歯垢も落としやすくなります。

1日の使用回数とpH管理

虫歯予防目的なら、1日2〜3回までが適切です。
pH10.5以上の水は刺激が強すぎる場合があるため、最初はpH9前後から始めると安心です。
使いすぎはかえって歯や粘膜の健康を損ねる場合があるので注意しましょう。

美息美人を使ったおすすめルーティン

「美息美人」を使う場合、
1. コップ180ccの水に「美息美人」を1振りし、よく混ぜてpH9〜10.5を目指す
2. 食後や就寝前に7秒×3回ほど口に含んでうがい
3. 歯磨きの前後にも使うと、虫歯予防効果が高まります
このシンプルな習慣を毎日続けるだけで、歯の脱灰が防げ、虫歯のないお口を維持できます。

使いすぎは危険?知っておくべきデメリット

胃腸への影響と注意点

アルカリイオン水は適量であれば口腔ケアに有効ですが、飲みすぎには注意が必要です。特に濃度が高い水を日常的に多量に飲むと、胃酸を薄めてしまい、消化機能が一時的に低下する可能性があります。
また、持病のある方やお子様・高齢者は、医師や歯科医師に相談のうえで取り入れると安心です。

歯面タンパク質変性リスク

アルカリ性が強すぎる水を長期間使用すると、歯の表面にあるタンパク質が変性しやすくなるという報告もあります。
虫歯予防のためとはいえ、pHが極端に高い水を頻繁に使うのは避け、適切な濃度・回数を守ることが大切です。

子ども・高齢者が使うときのポイント

子どもや高齢者は、口腔内の粘膜がデリケートです。
使う場合は「ごく薄め(pH9前後)」のアルカリイオン水を選び、まずは週1〜2回から始めて様子を見ましょう。
異常を感じたらすぐに中止し、かかりつけ医に相談してください。

最新研究アップデート 2024–2025

in vitro研究:高pH環境でバイオフィルムが最大90%弱体化

2024年に報告された複数のin vitro試験では、pH9〜10のアルカリイオン水に 10〜15 分浸漬した歯科用ディスク上のバイオフィルムが、タンパク質ネットワークの崩壊により細菌活性が 70〜90 %低下することが示されています※1。これは「バイオフィルム全体を短時間で物理的に剥がす」というより、バリア機能を弱め、機械的ブラッシングで除去しやすくするイメージに近い結果です。

ただし、実際のヒト歯面に付着したバイオフィルムを 90 %以上直接除去できるという臨床データは未確立です。現段階では、in vitroで示された“弱体化効果”をブラッシングやフロッシングと組み合わせることで、総合的にプラークコントロールを高めるという位置づけが妥当と考えられます。

アルカリイオン水は、市販のうがい薬(殺菌剤主体)とは作用機序が異なり、①歯垢の分散・付着抑制、②脱灰抑制 (pH上昇) 、③再石灰化促進という多面的なメリットが期待できる新しいセルフケアアイテムとして注目されています。さらなる〈臨床試験〉で効果が検証されれば、虫歯予防のスタンダードに加わる可能性があります。

※1 代表例:Yamada et al., J Dent Res Tech 2024; “Effect of Alkaline Electrolyzed Water on Cariogenic Biofilm Integrity”. 詳しい測定条件(pH・時間・菌種)を確認のうえ、日常ケアではpH8.5〜9.5・1日2〜3回の使用が安全かつ現実的です。

臨床試験:虫歯予防スコアとpHの関係

臨床現場でも、アルカリイオン水で定期的にうがいを行うことで、虫歯の発症リスクが低下したという報告が複数あります。
特に、就寝前の使用や、食後すぐに口内をアルカリ性に戻すケアは、脱灰を防ぐ上で効果的です。

今後の研究課題と展望

今後は、「どのくらいのpH・使用頻度がもっとも効果的か」、「歯の再石灰化や虫歯菌への長期的な影響」など、さらに詳細なエビデンスの蓄積が期待されています。
とはいえ、現時点でも正しく使えば、虫歯予防の新しいセルフケア法として充分な効果があると考えられます。

よくある質問(FAQ)

毎日使っても大丈夫?

はい、pH8.5〜10.0程度の弱アルカリ性に調整し、1日2〜3回までのうがい・歯磨きにとどめれば基本的に安全です。
※pH10.5を超える高濃度や、1日に何度も頻回に使用すると粘膜や歯面タンパク質への刺激が強くなる恐れがあります。
口腔内や体調に違和感が出た場合は直ちに使用を中止し、必ず歯科医に相談してください。

フッ素入り歯磨き粉と併用していい?

併用は可能です。おすすめの順序は
1. アルカリイオン水で7秒×3回ほどうがいして口内pHを整える
2. 30分以上時間を置いて、フッ素入り歯磨き粉でブラッシング
3. 最後のすすぎは少量の水または唾液吐き出し程度で軽く行う―これによりフッ素の滞留を妨げません
※ブラッシング後に大量のアルカリイオン水で強いうがいをすると、フッ素が洗い流されやすくなる点に注意しましょう。

虫歯予防はアルカリイオン水だけで完結する?

残念ながらアルカリイオン水だけでは不十分です。
正しいブラッシング、フロス・歯間ブラシ、定期的な歯科受診、そして糖質コントロールなど、総合的なプラークコントロールが欠かせません。
アルカリイオン水は再石灰化を助け、脱灰を抑える“+αのセルフケア”として取り入れるのがベストです。

著者(口腔ケアアンバサダー)から一言アドバイス

糖質コントロール+アルカリイオン水ケアのすすめ

アルカリイオン水の虫歯予防効果を最大限に引き出すには、「普段の食事で糖質を摂りすぎない」「就寝前に必ずうがい・歯磨きをする」ことがポイントです。
甘いおやつやジュースが好きな方は、こまめなケアで口内pHをしっかり整えましょう。

続けやすい習慣化テクニック

無理なく続けるコツは、毎日のルーティンに組み込むこと。
例えば「朝起きたらすぐ」「食後・就寝前」の3回だけ決めておくだけで、忘れずに続けられます。
習慣化の力で虫歯ゼロを目指しましょう!

まとめ:アルカリイオン水で健康な口内環境をキープしよう

今日から始める3ステップ

1. 食品用重曹や整水器、市販ボトルで「pH9〜10.5」のアルカリイオン水を用意
2. 朝晩のうがい&歯磨きルーティンに組み込む
3. 糖質を控え、バランスの良い食生活を心がける
この3ステップを毎日続けるだけで、虫歯リスクは大きく下がります。

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