低位舌というのは、、健康な大人が安静状態にある時、舌の先は上顎前歯の付け根(スポット)に接触して、舌全体が上あごについているのが正常ですが、舌が下顎にだらんと下がっている 状態をいいます。低位舌の原因の多くは舌の筋肉の衰えによるものです。
低位舌(ていいぜつ)になると、子どもでは歯や顎のなどの顔周りの成長に悪影響を及ぼし、大人の場合は、いびき、睡眠時無呼吸症候群、口呼吸、ドライマウス、誤嚥性肺炎などの原因になります。
ドライマウス(口腔乾燥)になると口臭の原因になるので、舌の筋肉を鍛えて唾液分泌を促進させることが大事です。十分に唾液が分泌するようになると、舌苔や歯周病の予防にもなります。
低位舌は、トレーニングを習慣にすることで治すことができるので、記事中の「低位舌のトレーニング法」を参考にして改善しましょう。
この記事は、口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登が書いています。
低位舌の見分け方
子どの低位舌の場合は「いつも口がポカンと開いている」「発音や滑舌が悪い」「クチャクチャ音をたてて食べる」等の状態が多いのが特徴です。
大人の場合は、舌の縁にギザギザした歯型がついているのが特徴で、舌苔で舌が白くなっていることが多いです。
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口臭が気になり舌磨きをされているかもしれませんが、舌をゴシゴシ磨くと粘膜を傷つけるので良くありません。
舌磨きはコットンで磨くのがおすすめです。
低位舌トレーニング
筋肉の衰えた舌は、舌を動かし鍛えることで直すことができます。舌筋の鍛え方としては、食事の時によく噛むなど咀嚼回数を増やすことやよく喋るようにすると良いのですが、舌筋トレーニングを行うことがより効果的です。
舌のトレーニング方法をいくつかご紹介しますので、ご参考にしてください。
ガムを使った舌トレーニング
- ガムを柔らかくなるまで噛む
- 舌を使って、柔らかくなったガムを上あごに広げて貼り付ける
- 舌でガムを上あごに押し付けた状態で、唾をごっくんと飲み込む
- 1から3を、複数回繰り返す(やり過ぎて痛くならないようにする)
ガムの舌トレーニング方法はこれだけですが、毎日の習慣にすることで舌筋が鍛えられ、唾液分泌の改善が期待できます。
パタカラ体操
私の仮説があっていたら、すべてが解決するかもしれない?そう思って、パタカラ体操を始めたのです。
朝30分の散歩のときに、「パタカラ、パタカラ…」と早口で、何度も何度も言うようにしたのです。当初は、舌を噛みそうでした。これで、また舌を噛めばシャレになりません。
続けて「パタカラ」と言っていると、苦しくなるので、その時には、深呼吸をします。これを毎日、繰り返していると、始めは「パタカラ、パタカラ、○×※@…」と意味不明な言葉だったのが、はっきりと喋れるようになったのです。
舌の筋肉がついてきたからです。それどころか、舌を動かすことで、唾液の分泌もよくなったようで、口が乾くこともなく一日中、潤っています。唾液の分泌が正常になったので、今まで以上に舌もピンク色になった気がします。
もちろん、ガタガタだった舌の歯型も消えたのです。
いびきと無呼吸症候群は妻に聞かないことには分からないので、今のところ、発表できませんが、いずれご報告したいと思います。
私と同じように、口呼吸で口が乾き舌が白くなっているとあきらめているのでしたら、パタカラ体操など舌を動かす体操がおすすめです。
低位舌を治すには、パタカラ体操などのように舌の筋肉をきたえるのが有効です。舌の筋肉をきたえる方法をご紹介します。
レロレロ法
大きく息を吸って、声を出しながら「レロレロ」と10秒言います。舌を唇の左右に触れながら声をだすのがコツです。なれたら、10秒を2セット、3セットを増やすと良いです。
舌の体操
- 舌をべーと突き出す、口にもどす。これを10回。
- 舌を出して、上唇、舌唇、右、左、と動かす。これを10回。
- なれたら、3セット行なう。
唾液もよく出るようになるので、ドライマウス対策にも良いです。
発声法
「あいうえお」、「いうえおあ」、「うえおあい」、「えおあいう」、「おあいうえ」、と続けて声にだして言います。
言葉をはっきりと出して言うのがコツです。恥ずかしいかもしれませんので、人のないとことろで行ってください。
まとめ
低位舌は、老化などにより舌の筋肉がおとろえたことが原因です。ですが、舌の運動などを習慣にすることで、舌筋がつけば低位舌が改善されます。
低位舌がなおれば、今までついていた舌の歯型も、自然となくなります。そのためには、舌のトレーニングを習慣にすることをおすすめします。唾液も分泌されやすくなるので、舌苔が減り口臭が改善されることも期待できます。
参考文献:X線VTRによる低位舌を有する成人不正咬合者の嚥下時の舌運動に関する研究…東京歯科大学大学院歯学研究科歯科矯正学講座