舌のふちにギザギザ!歯型の原因と治し方

舌のギザギザの治し方

舌診」は昔からある東洋医学の診断方法の一つです。患者さんの舌を診察して、舌の色、大きさ、厚さ、舌苔の色や付き具合など、を診ることによって健康状態を診断して治療に活かします。

健康な舌は、色がピンク色や淡紅色(淡い赤色)です。形状はギザギザがなくきれいで、歯型がついておらず、大きすぎず小さすぎない状態となっています。
引用:Yahoo!ニュース 「舌診」とは? 舌でわかる8つの体質

鏡で舌を観察すると、自分で舌の異常を見つけることができます。容易に見つかるのは、舌の縁にできるデコボコ(ギザギザ)の「歯型」です。

そのためでしょうか、Yahoo!知恵袋を見ると「舌にギザギザが付いているのですが原因は何ですか?ストレスが原因なのですか?」「長年、舌にギザギザがの歯型が付いてますが、治し方はありますか?」「舌のふちのギザギザは水分代謝が悪いと分かりましたが、水を飲まなければ治りますか?」など、舌のふちの歯型の原因と治し方についての質問が多くあります。

舌に歯型がつき、舌のふちがギザギザになっている時というのは、二日酔いやむくみがあるときが多いです。意識しなければ舌がむくんでいるかどうかわかりませんが、舌がむくむと、よく舌を噛んだり、喋りづらくなるなど違和感が起こります。

歯の痕自体は問題ありませんが、歯型ができる原因は「舌のむくみ」や「舌筋の老化」などです。そのため、歯型に関連する症状として、血行不良、体の疲れ、体の冷え、口臭などが起きやすくなるほか、歯周病や虫歯になるリスクも高くなります。

舌のギザギザは、中医学では、疲労などから水分代謝が悪くなり、舌がむくんでいるのが原因だといわれています。通常は、医者にかからなくても、運動や食生活など生活習慣を改善すれば、むくみは治るものです。

舌の口内炎が治らなかったり、舌がヒリヒリ・ピリピリと痛みが続く場合は、早目に歯科や内科を受診するようにしましょう。

今回は、舌の歯型である「歯痕舌(しこんぜつ)」についてお伝えします。

この記事は、口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定資格)の上林登が書きました。

【参考図書】
東洋医学概説 長濱善夫著 <発行:創元社>
中医学入門 神戸中医学研究会 <発行:医歯薬出版株式会社>

中医舌診の基礎と臨床応用
附「中国武漢 COVID-19 治療観察中の 124 名患者の舌象分析」
高橋楊子・上海中薬大学附属日本校教

舌に歯の跡がつく原因

うがいで舌苔を取る

舌の縁にでこぼこやギザギザの歯型が付いていませんか?

舌に歯型がつく原因で多いのは、「低位舌(ていいぜつ)」だといわれています。低位舌は、NHKの番組「ガッテン」の中でも説明されていたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

しかし、歯型が付く原因は他にも色々あるのでご紹介したいと思います。

【歯型の原因】

  1. 低位舌
  2. 歯並びが悪い
  3. 舌が大きい・舌が厚い
  4. 食いしばり・歯ぎしり
  5. 舌のむくみ
  6. まれに舌癌の場合も

舌癌で歯型が付く可能性は低いです。舌癌は舌に固いしこりができるのが特徴です。舌癌がご心配の場合は、こちらをご参考にしてください。
>>舌癌と舌のできものとの違いはコレ!舌にできた口内炎が2週間治らなければ要注意

低位舌(ていいぜつ)

歯型がついてデコボコ状になっている舌のことを専門的には、低位舌(ていいぜつ)といいます。舌のギザギザを改善するには、この低位舌を直す必要があります。

低位舌は、アレルギー性鼻炎などで口呼吸になっていたり、扁桃腺が大きい人がなりやすいといわれています。

本来、舌の位置は上顎の歯と歯ぐきの境目付近にあるのですが、低位舌の舌は下顎の歯に付いているのが大きな特徴です。

舌(ベロ)トレで万病予防!

出典:NHKガッテン 

安静時には、舌の先が軽く上顎前歯の根本に当たっているのが普通。ところが、低位舌(ていいぜつ)の人の舌は常に垂れ下がっているのが特徴です。

舌が下がると、空気の通り道である気管が圧迫されて狭くなり苦しくなります。低位舌の人は、睡眠時無呼吸症候群になりやすいです。気道が狭くなるので充分に息が吸えなくなります。

参考:睡眠時無呼吸症候群 / SAS 厚労省e-ヘルスネット

循環器系の症状

循環器系とは、心臓、動脈、静脈、毛細血管、リンパ管のことですが、血液やリンパ液を体内で循環させることで、酸素や栄養素を運搬したり、老廃物の回収を行うシステムです。

埼玉医科大学公衆衛生学教室「舌診の研究」によると、この循環器系に自覚症状がある人に、大舌と歯痕舌が多いという調査結果が報告されています。

舌が大きいと自ずと歯型が付きやすくなりますが、循環器系が悪いと脳梗塞や心臓病など血管病を注意する必要があります。自覚症状があれば受診されることをお勧めします。

筋肉の衰え

低位舌は高齢者に多いのですが、若い人でも舌の筋肉の衰えからなる人が増えているようです。舌筋がおとろえる原因は、加工食品をよく食べるからです。

加工食品は噛まなくても食べられるために、顎や舌の筋肉がおとろえてしまいます。そのため、舌が下がり舌の縁に歯が当たる、そして、歯型が付くのです。

低位舌とは舌が上顎の粘膜(口蓋といいます)から離れて舌足らずの状態です。上顎が狭くて舌が届かないと か、舌下のすじが短いとかの構造的な原因と口呼吸や喫煙などによる機能的な原因があります。

口を閉じた状態で 舌が上顎に張り付いていますか?もし張り付いてなければ、あなたは低位舌です。

引用:日本歯科大学 新潟病院 睡眠時無呼吸症候群をとりまく病気

もし舌に歯型がついていたら睡眠時無呼吸症候群になっているかもしれません。睡眠時無呼吸症候群は、寝ているときに呼吸ができなくなる病気。生命の危険や睡眠障害を起こす恐れもあるので、歯型を見つけたらお医者さんに相談されることをおすすめします。

低位舌の場合は、舌にひび割れができる「溝状舌」になったり、「舌苔」で舌が白くなるが取れない、舌がヒリヒリと痛い、などの症状も起こしやすくなります。

歯並びが悪い

あごの発達が悪い場合には、歯並びの幅がせまくなるため、舌に歯が当たり歯型がつきます。歯並びが悪い場合は、歯列矯正など歯科治療が必要になります。

一般的な歯科矯正では、長期にわたり矯正装置を口につけることになります。しかし、少しの歯並びを治す程度であれば、寝る間だけマウスピースをはめることで歯型が付かないようになるかもしれません。
関心がある場合は、一度歯科で「マウスピース」のご相談をされてはいかがでしょう。

舌が大きい

先天的に舌が大きいケースがあります。舌が大きいと歯に当たるため、歯型が付きやすくなります。その場合は、口腔外科のある病院で手術することが必要になるかもしれません。まずは、病院にご相談ください。

肥満が原因で舌が大きくなることもあります。その場合はダイエットも大切。

食いしばり・歯ぎしり

睡眠中、無意識に食いしばりや歯ぎしりをすることがありますが、体に力が入ったりストレスがかかると、日中でも歯を食いしばるのでご注意ください。

歯を食いしばると、舌が歯に押し付けられ舌に歯型が付きます。頬の内側が腫れぼったいと、頬にも歯型が付くことがあります。歯を無意識に強く噛むことで舌に歯型がつきます。

対策としては、就寝中にマウスピースを装着すると良いでしょう。マウスピースは歯科で作ってもらえます。

舌のむくみ

水分の摂り過ぎや、冷え性の人は舌がむくみやすいですが、薬の副作用や、消化機能・甲状腺機能が低下しているケースもあるので、自己判断しないで内科や胃腸科の病院を受診されることをおすすめします。

参考:舌のむくみ

舌がむくむと、舌の縁に歯が押し当てられて歯型がつくようになります。舌のむくみがあると、舌を噛みやすくなり、舌の側面や先が赤く痛くなることが多くなります。

舌の歯型を改善する方法

舌の縁にでこぼこの歯型が付いた時は、次の方法で治すことができます。今からご紹介する方法の中で一番合った方法を取り入れてみてください。

  1. 舌の筋肉を鍛える
  2. 舌のむくみを取る
  3. 歯並びを矯正する

低位舌トレーニング

舌の歯型を治す方法としては、舌を強制的に上顎に付ける「舌はがしトレーニング」がおすすめです。この方法なら、いつでもどこでも出来るかもしれません。

※舌はがしトレーニング:舌は上顎についている状態が正しい位置なので、まずは舌をしっかり挙上させます。その状態で、下唇を指で引っ張ると、舌が下に引っ張られていた筋肉が緩みます。口の中からのマッサージ効果もあり、リンパの流れが良くなり舌のむくみが取れます。また、頬の内側から指でマッサージすると、頬のむくみも取れ小顔になる効果も期待できます。

参考記事:小顔やシワケアにも効果大!舌トレーニング&口内マッサージ

はじめて低位舌のトレーニングを行うと、すぐに舌に痛みを感じます。舌に痛みを感じたらすぐにやめるようにしてください。無理に行うと、舌の筋肉痛になります。毎日この方法でトレーニングすると、舌に筋肉がつき歯型も消滅していきます。

そして、唾液腺も刺激されるのでドライマウスの予防にもなります。是非お試しください。※効果には個人差があります。

関連記事:低位舌のトレーニング方法

漢方で治す

舌にでこぼこ(ギザギザ)ができた舌を歯痕舌といいますが、気虚と陽虚の2つのタイプがあり、タイプにより生薬も異なります。

気虚タイプ

漢方では、舌のギザギザ原因を、水分の代謝が悪いために体に水毒がたまっている。そのため、舌がぼてっと厚くなっていると言われています。

おすすめの生薬…薬用人参(にんじん)、党参(とうき)

陽虚タイプ

気虚タイプがすすんで体が冷えていると血液のめぐりが悪くなり(冷え性)、舌がぼてっとなると言われています。

おすすめの生薬…鹿茸(ろくじょう)

舌のむくみを取る

舌の歯型を直すには、舌のむくみを取ることが効果的です。対処法としては、塩分を控える、喫煙や飲酒を控える、運動する、お風呂でからだを温めるといったことが効果的です。

舌のむくみを取る方法をご紹介しますので、ご参考にしてください。

  • 塩分の摂り過ぎは、体に水分が溜まるため良くありません。薄味の食事や塩分を排出するカリウム食品を食べるようにしましょう。
  • リンパマッサージや顔面体操、舌を動かす体操を行うと、むくみがよく取れます。

まとめ

舌のふちがギザギザになる原因は、「舌のむくみ」と低位舌(ていいぜつ)が多いです。

舌のむくみは、からだの水分や血液の流れが悪くなっているからなので、放置すると全身性の病気を招くことにもなります。病院で健康診断を受けられてはいかがでしょう。

舌のギザギザ原因になる「低位舌」は舌筋の衰えからなりますが、就寝中に舌が気管をふさぐため口呼吸になり口臭につながります。

舌に歯型が付いていましたら、この記事でご紹介した「低位舌」を直すための舌筋トレーニングを取り入れられてはいかがでしょう。

舌のむくみがある人は内科を、低位舌の人は歯科を受診されることをおすすめします。

関連記事:舌が白い!舌苔の原因と取り除き方

【参照リンク・参考文献】

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