こんにちは、口腔ケアアンバサダー(一般社団法人 日本口腔ケア学会認定)の上林登です。監修:歯科衛生士 上林ミヤコ
膿栓が気になっても、指や綿棒で押し出さないでください。自宅では、水またはぬるま湯で無理なく軽くうがいする範囲にとどめ、外れなくても取り続けないことが大切です。痛み・発熱・出血・飲み込みにくさがある場合は、自己処置より受診を優先してください。
息苦しい、唾液も飲み込めない、口や喉の腫れが急速に悪化している場合は、119番へ連絡してください。うがいや下のチェックを続けず、緊急の対応を優先してください。
「取りたいのに取れない」と気になる方もいるでしょう。この記事では、道具で取り出す方法ではなく、喉を傷つけないための対処と、外れない時に選べる行動を説明します。
「ためしてガッテン」の膿栓の取り方は確認できる?
本記事では、膿栓の取り方について放送内容を直接確認できるNHK公式資料を確認できていません。そのため、特定の方法を「番組で紹介された取り方」として案内することは控えます。放送がなかったと断定するものでもありません。
番組名と一緒に紹介されている方法でも、出典や安全性が確認できるとは限りません。以下では番組内容とは分けて、医療情報に基づく対処と受診目安を説明します。
自宅でできる膿栓への対処|軽いうがいと、取れない時の判断
痛みや発熱などがなく、無理なくうがいができる場合は、軽いうがいにとどめ、外れなければ取り出そうとする行為を終えます。うがいで必ず取れるわけではありません。

軽いうがいで外れなくても、取り続ける必要はありません。痛み・発熱などがある時は受診を優先してください。
- 水またはぬるま湯を用意する。刺激の強いものを無理に使う必要はありません。痛み・出血・飲み込みにくさがある時は試さないでください。
- 短く、軽くガラガラうがいをする。勢いをつけたり、取れるまで繰り返したりしません。むせる・えずく・痛む場合は、その時点で中止します。
- 外れなくても、取り出そうとする行為を終える。綿棒や水流へ切り替えず、見えない場所も探りません。違和感が続く場合は耳鼻咽喉科へ相談してください。
私がお客様に軽いうがいを案内する際は、1回3~5秒を2回程度という短い目安をお伝えしています。歯みがきの前後や起床時・就寝前など、無理のない場面で行うための実践上の目安です。すべての場面で必ず行う必要はなく、この秒数や回数で膿栓が取れる、再発を防げると確認されたものではありません。
うがいで取れない時は、無理に除去しなくてもよい?
小さな膿栓は自然に外れることがあります。痛み・発熱などがなく、生活に支障もなければ、無理に除去する必要はありません。
外れなければ、取り出そうとする行為はそこで終えます。翌日以降も、取れるまで挑戦し続ける必要はありません。日常の無理のないうがいと、膿栓を外そうとして繰り返す行為は分けて考えてください。
自然に外れる時期を「何日」と決めることはできません。鏡で何度も確認するより、痛み・腫れ・飲み込みにくさが出ていないかを目安にし、症状が続く場合は受診してください。
参考:NHS Devonの膿栓に関する案内では、自然に外れることがある一方、自己処置の確実な効果を裏付ける根拠は乏しいと説明されています。
膿栓を自分で取る時に避けたい方法
本記事では、指・器具・水流による自己摘出を勧めません。読者一人ひとりの喉の状態や操作を確認できないため、「軽くなら大丈夫」「低圧なら安全」と自己判断しないことを重視しています。
| 避けたい方法 | 避ける理由 |
|---|---|
| 指・爪で押す | 粘膜を傷つけ、出血や痛みを起こすおそれがあります。 |
| 綿棒で圧迫する | やわらかい道具でも、扁桃を押すことで傷つけるおそれがあります。 |
| ピンセット・耳かきでつまむ | 先端で喉や扁桃を傷つける危険があります。 |
| ウォーターピック・シリンジ・洗浄瓶 | 喉に向ける水圧や方向を、自分で安全に調整できるとは限りません。 |
| シャワーを喉へ当てる | 水圧や温度で粘膜を傷めるおそれがあります。 |
| えずいても続ける | 嘔吐や、器具・異物の吸い込みなどにつながる危険があります。 |
NHS Devonも、扁桃の損傷・出血・感染・異物の吸い込みのリスクから、水流や指・器具での自己除去を避けるよう案内しています。医療機関の説明には違いがありますが、本記事は安全性を考慮して自己摘出の手順を掲載しません。
器具で触った後に痛みや出血がある方は、処置を中止し、扁桃腺を傷つけた時の対処と受診目安を確認してください。出血が多い・止まらない場合は、記事を読み続けず直ちに医療機関へ相談してください。
膿栓と扁桃炎の白い付着物は、見た目だけでは判断できない
膿栓は、扁桃のくぼみである陰窩に、食べかすや細菌などがたまった白色・黄白色の小さな塊です。「臭い玉」と呼ばれることもあります。ただし、白いものが見えるだけでは、膿栓と確定できません。

| 確認すること | 膿栓でみられる状態 | 扁桃炎なども考える状態 |
|---|---|---|
| 見え方 | 白色・黄白色の小さな塊 | 赤く腫れた扁桃に白い付着物がある |
| 症状 | 無症状、軽い異物感、口臭など | 発熱、強い喉の痛み、飲み込みにくさなど |
| 対応 | 症状がなければ無理に取らず経過を見る | 白いものを取ろうとせず受診する |
この表は診断のためのものではありません。膿栓と炎症が同時にある場合もあります。痛み・発熱・腫れがある時は、塊の形だけで判断しないでください。
膿栓で耳鼻咽喉科に相談する目安と診察の流れ
受診の判断は、膿栓の回数だけでなく、痛み・腫れ・飲み込みや呼吸への影響を優先します。緊急症状がなければ、続く違和感や日常生活で困っていることを耳鼻咽喉科へ相談してください。

息苦しい、唾液も飲み込めない、急速な腫れは119番へ。症状に応じて受診の緊急度を判断してください。
119番へ連絡する状態
- 息苦しい。
- 唾液も飲み込めない。
- 口や喉の腫れが急速に悪化している。
うがいや膿栓の確認を続けず、119番へ連絡してください。
通常予約を待たず、直ちに相談・受診する状態
強い喉の痛みや発熱に加えて、口が開けにくい、声がこもる、片側が強く腫れる場合は、直ちに耳鼻咽喉科または救急外来へ相談・受診してください。喉の強い痛みが急速に悪化する場合も同様です。呼吸や唾液の飲み込みに支障があれば119番へ連絡します。
早めに耳鼻咽喉科へ相談したい状態
- 膿栓が繰り返しできる、大きな塊が外れないなどで困っている。
- 口臭、異物感、喉や耳の痛み、飲み込みにくさが続く。
- 器具で触った後に痛みや出血がある。
- 発熱や強いだるさを伴う。
- 片側だけの腫れや違和感、首のしこりが続く。
発熱を伴う強い喉の痛みや、十分な水分がとれない状態は、当日中に相談してください。強い症状がある時は、小さな膿栓だけの問題と決めつけないことが大切です。
緊急症状の参考:NHS「Tonsillitis」、NHS「Sore throat」。
耳鼻咽喉科では何を相談する?除去や費用は?
受診すれば必ずその場で除去するとは限りません。白いものの正体や症状を確認し、除去が必要か、経過観察でよいかを医師が判断します。
- 症状を伝える。いつから気になるか、繰り返しの有無、痛み・発熱・鼻症状・飲み込みにくさ、生活で困っていることを伝えます。
- 喉と扁桃を確認してもらう。膿栓だけでなく、扁桃炎や鼻・喉の別の状態がないか診察を受けます。
- 必要な対応を相談する。診察結果に応じて、経過観察、除去などの処置、別の病気への治療について相談します。
受診時に塊が見えなくても、気になる症状は相談できます。必要な方は「いつから」「どのくらい繰り返すか」「ほかの症状」を短くメモしておくと伝えやすくなります。
除去への対応、保険適用、費用は診察内容と医療機関によって異なります。気になる場合は、予約時に「膿栓と思うものがあり、診察と必要な処置を相談したい」と伝えて確認してください。
膿栓が気になる時の対処チェック
本文を読んでも次の行動に迷う時に、任意で使えるチェックです。病名や膿栓の有無を診断するものではありません。回答の送信はありません。
喉の奥が臭っても、原因が膿栓とは限らない
臭いを感じる場所だけで、原因を膿栓と断定することはできません。鼻水が喉へ流れる感じ、口の乾き、舌苔、歯ぐきの状態なども分けて確認しましょう。
私に寄せられる相談には、「喉の奥から臭う感じがするので、膿栓ではないか」「自分で取りたい」という訴えがあります。私は、取り方を増やす前に、痛み・発熱・鼻や喉の症状を整理することを大切にしています。これは相談経験に基づく対応の考え方であり、相談者の原因を診断したものではありません。
- 大量に出る・大きい・繰り返して困る:膿栓が大量に出る時の原因と受診目安で、量だけにとらわれない確認点を説明しています。
- 鼻水が喉へ流れる感じが続く:後鼻漏で鼻水が喉に流れる時の対処と受診目安を確認してください。
- 歯ぐきの出血や歯の痛みもある:口の中の状態を歯科で確認してください。喉の症状もある場合は、併せて伝えます。
日常の口内ケアで見直す4つのこと
膿栓を繰り返しても、「清掃不足」と決めつける必要はありません。次の習慣は口内を清潔に保つ基本ですが、膿栓の再発を必ず防ぐものではありません。
- 歯みがきと歯間清掃を続ける。歯間はフロスや歯間ブラシなどで清掃します。舌は白さをゼロにしようと強くこすらないでください。
- 乾燥に配慮する。無理なく水分をとり、口呼吸や室内の乾燥が続いていないか確認します。口の乾きが続く場合は歯科などへ相談してください。
- 鼻症状を放置しない。鼻づまり、鼻水が喉へ流れる感じなどが続く場合は、耳鼻咽喉科へ相談してください。
- 口臭の別の要因も確認する。塊が外れても口臭の悩みが続く場合は、膿栓を探し続けず、舌・歯間・歯ぐきの状態や口臭の有無を歯科で相談してください。
よくある質問
子どもの膿栓を親が取ってもよいですか?
保護者が指、綿棒、ピンセット、水流などで取るのは避けてください。安全にうがいができない子どもには無理にさせず、痛み・発熱・飲み込みにくさや、繰り返す塊で困っている場合は、小児科または耳鼻咽喉科へ相談してください。息苦しい、唾液も飲み込めない、急速に腫れる場合は119番へ連絡してください。
まとめ:膿栓は押し出さず、取れない時は取り続けない
自宅では無理のない軽いうがいにとどめ、外れなくても指・器具・水流へ切り替えないでください。症状がなければ無理に除去する必要はありません。痛みや発熱、続く違和感があれば耳鼻咽喉科へ、呼吸や唾液の飲み込みに支障があれば119番へ連絡してください。
参考文献・参考情報
- NHS Devon:Tonsil Stones (Tonsilloliths)(自然経過、自己除去の注意)
- American Family Physician:Tonsil Stones(膿栓の概要と対処)
- Healthdirect Australia:Tonsil stones(症状と医療機関への相談)
- NHS:Tonsillitis(扁桃炎の症状と緊急対応)
- NHS:Sore throat(呼吸・嚥下の異常と緊急対応)
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会:口腔・咽頭の病気(扁桃炎と扁桃周囲膿瘍)
- 高野賢一:扁桃疾患の診断と治療、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報、2024年(扁桃の構造、炎症性疾患)
本記事は一般的な情報提供を目的とし、診断や治療に代わるものではありません。症状がある場合の医療上の判断は医療機関へ相談してください。
膿栓が見えないのに、喉の奥の臭いが気になる方へ
見えない場所を探り続ける前に、鼻・喉・口のどこを確認するか整理しましょう。次の記事では、見えない膿栓を疑う時の確認順序と相談先を説明しています。
