口腔ケアアンバサダー(社団法人口腔ケア学会認定)の上林登です。
口臭ケアとは、口臭がある場合に行う対策です。口臭が気になる方であれば、ガムやタブレット、サプリなど何か一つでも対策を行ったことがあると思います。
もしかすると、今から口臭ケアをやろうとして「何が良いのか?」迷われているかもしれません。でも、ネットで検索すると、沢山の口臭ケア用品があるため、どれが良いのか迷うのではないでしょうか。
私が見たところでは、効果など実用的な目線でない売れ筋ランキングが多かったです。ですので、今回は、口臭ケアにおすすめな対策ランキングを作ってみました。
口臭ケアをしたいけれど、どの対策が良いのか迷っていましたら、是非ご参考にしてください。
この記事の目次
口臭予防効果があるのは昆布
口臭予防効果だけを優先してあげると、だし昆布が1位です。それは『1センチ角に切った出し昆布』です。出し昆布効果には本当に驚かされます。口に含んで舐めているだけで口臭がピタリと止まります。だし昆布をなめた後に、手の甲を舐めて嗅いでも唾液のにおいをほとんど感じません。これは市販の口内消臭剤よりお勧めです。何しろ安いので超経済的です。
しかし、以下にご紹介する対策ランキングに入れていないのは、だし昆布を1センチ角に切って準備する手間が必要なことと、いざ使おうと思った時、お家にだし昆布がないことがあるからです。
口臭ケアにおすすめな対策ランキング10
これからご紹介する口臭ケアは、口臭予防効果はもちろんですが、手軽に実行できることを優先した方法を総合的に判定したものです。
1位 うがい
口臭ケアで最もおすすめなのは、「うがい」です。
口臭は、口腔に充満したガスが口の外に出た時に感じる臭いです。だから、そのガス対策することで口臭を軽減できます。口臭ガスの元になっているVSC(揮発性硫黄化合物)は、舌や喉の粘膜に付着しているので、うがいで洗い流すと効果的に口臭予防ができます。
唾液が少ないと口腔や喉(のど)が乾燥し細菌が増えます。唾液が粘つき舌に細菌や汚れが付着しやすくなったり、口臭の原因になる膿栓(のうせん)も出来やすくもなります。
効果的に口臭予防するためには、口腔や喉(のど)に細菌が増えないようにすることが大切。そのために一番おすすめが、毎日の「うがい」です。
→口臭がドブ臭でもアルカリイオン水うがいで取れるのか?実際にやってみた結果・・・
2位 アルカリイオン水
アルカリイオン水は、ダントツに口臭予防効果が高いです。それなのに2位になっているのは意外かもしれませんね。その理由は、アルカリイオン水はいつでも使えるものではないからです。(アルカリイオン水を作るのが面倒という人もいます。)
うがいに重曹を使うといいかもしれませんが、重曹よりアルカリの強い「美息美人(びいきびじん)」のアルカリイオン水がおすすめです。
- 重曹PH;8.2
- キリンアルカリイオン水PH;9.0
- 美息美人PH;11.0
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3位 お茶
口臭対策ランキング3位にお茶を挙げたのは、いつでも簡単に飲めるから。それに安いです。
口臭予防にお茶が良いといわれています。その理由は、お茶には消臭効果があるカテキンやフラボノイドが含まれているからです。ですが、実際は、お茶を飲んだときだけスッキリしますが、すぐに口が粘ついたり口臭がするようになります。
お茶の効果は、お茶を飲むことで食後にうがいをするのと同じ作用にあります。口の中に残った食べかすをお茶で洗浄する効果が大きいでしょう。
日常的にドライマウスが気になる人の場合は、お茶(特に緑茶)やコーヒーを飲むのはおすすめではありません。これらの飲料には、カフェインが含まれているので利尿作用が働き、口腔乾燥から口臭を起こしやすくなるのでご注意ください。
コーヒーが好きな方はこちらの記事『コーヒー好きな人必見!コーヒーを飲んだ後の口臭予防方法』もご参考にしてください。
4位 水を飲む
口臭対策で水を飲むというのは、意外かもしれませんね。しかし、水や白湯を飲むと口臭予防になります。画期的な効果はありませんが、口臭原因となる嫌気性菌や口内の汚れを洗い流すことができます。
また、水や白湯を飲むことは、胃腸のケアにもなり呼気口臭を改善したり、サラサラ唾液の分泌を増やす効果もあります。口臭が気になる方は、ペットボトルを持参して小まめに水を飲むといいでしょう。
5位 口臭タブレット
口臭ケアの基準は、口臭に効くことと容易に使用できること。その基準に合うのが口臭タブレットです。(場所や状況によっては、タブレットを噛めないこともある)
口臭タブレットでおすすめなのは、グリコのブレオ。江崎グリコ ブレオ・イーエックス(BREO-EX)タブレット グリーンアップル 66g
口臭原因となる舌苔をキウイ酵素(タンパク質分解酵素)によって溶かす働きがあるので口臭予防に期待がもてます。
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6位 チューインガム
ガムをくちゃくちゃ噛むのはエチケット上はよくありませんが、砂糖を食べると唾液が出るために口臭を一瞬に消す効果があります。(ただし、持続性はないので6位になっています。)
ニンニクやニラなどニオイの強い食事をした後に、ガムを噛むと口臭予防になります。これは、ガムに含まれる香料が、臭い息をごまかすからです。でも、ガムを過信してはいけません。実際、焼き肉を食べた後にガムを噛んでも、息を嗅ぐと、焼き肉のニオイにガムのニオイが混じっていて、不快感はぬぐえません。
ガムは、「食後に口臭が気になる」ときに噛むと良いです。その理由は、ガムを噛むと唾液の分泌が促進されるからです。唾液がたくさん出ると口腔内が潤うため口臭予防になります。
だからといって、シュガー入りのガムを噛むと口腔内が酸性化し口臭菌が活性化するのでよくありません。噛むのなら、ノンシュガーのガムにしてくださいね。ガムで効果的に口臭予防するのなら、こちらの記事『ガムは口臭に効果があるか?口臭を予防するおすすめの噛み方』をご参考にしてください。
7位 舌ブラシ
私「歯医者さんでは、舌苔や口臭のことで相談してくる患者さんに、どうやって答えてる?」
三女(歯科衛生士)「院長先生は、舌ブラシを使って舌磨きすることを勧めてるけど、私は、磨きすぎたら口臭が悪化するから、舌を磨くときは優しくしてねって指導しているよ。」
日本歯科医師会のサイトに「口臭原因の6割は舌苔にある」と言われています。ですから、舌苔を除去すると口臭予防の効果が高くなります。個人的にも、舌のケアは口臭対策に有効だと感じています。
舌ブラシは舌苔を取るための道具。それなのに、舌ブラシを7位にした理由は、舌磨きをし過ぎて口臭が悪化している人が多いからです。
舌磨きを行うときは、自身の舌にあった適切な使い方を行う必要があります。
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舌磨きは絶対にしてはいけない!なぜなら口臭をひどくする原因だからです。どうしたらいいかというと・・・
8位 歯磨き
口臭対策で大事なのは、歯磨きをていねいに行うことです。それなのに、ランキングが低いと思いませんか?
口臭が強い場合に多い原因は歯周病です。歯周病になると臭い膿や血が出てきます。そのため、口臭が発生する。ですから、歯周病が原因の口臭の場合には、歯科治療を受けないと対処できない。
しかし、歯周病は、治療を受けて治ってからも口臭が出ます。それは、歯周ポケットに臭い液や歯垢がたまるからです。
この対策で最も効果を上げるのは、ブラッシングです。歯磨きによって歯垢や膿を掻き出すことで口臭予防になるからです。そのためには、上手にブラッシングする必要性がでてきます。それが8位になった理由です。
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9位 鼻呼吸をする
意外かもしれませんが、口呼吸の人は口臭があります。その理由は、口呼吸をしていると口と喉が乾燥し、歯周病、虫歯、舌苔、膿栓の原因になります。どれも口臭につながりますよね。
だから、口呼吸をやめて鼻呼吸を心掛ける必要があります。睡眠時のいびきと開口を改善するだけで、口臭もかなり軽減することでしょう。
10位 噛む回数を増やす
唾液は口臭予防のカギです。唾液が少ないと口臭がするようになり、唾液が増えると口臭がしないようになるからです。
たくさん唾液を分泌するための方法はいくつかありますが、簡単ですぐに出来るのは、「食事中の噛む回数」を増やすことです。
卑弥呼3990回、源頼朝2654回、徳川家康 1465回 1回の食事で噛んで食事をするそうです。それに比べ、現代人の咀嚼回数は平均で620回。卑弥呼は私たちの約6倍も噛んで歯石除去、クリーニング)食事をしていたそうです。
引用:山田兄弟歯科
噛む回数は、一口30回が目安です。
おすすめしない口臭ケア用品
においの強いニンニク料理など食べた後は、口臭が気になります。このような時には、ガムやタブレットを口に入れることで口臭をごまかすことができるでしょう。
しかし、虫歯や歯周病など口内疾患や、耳鼻科に口臭原因がある時には、これら市販の口臭ケア用品では、口臭を防ぐことは難しいです。
また、口臭予防サプリメントの場合は、直接的に口臭ケアはできません。口臭予防サプリメントの目的は、口臭に影響を及ぼす体調を良くすることです。ほとんどのサプリメントが、胃腸環境を良くするためのものですので、口内に口臭の原因がある場合には効果はないといえます。
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まとめ
口臭ケアのおすすめ方法をランキングにしてみました。選んだ基準は、効果がある、簡単、どこでも出来る、安価、です。独断と偏見で選んでいますので、効果や好き嫌いなどには個人差があると思いますがご了承ください。
また、口臭を予防する上では、当然のことですが、歯科治療や定期健診(歯石除去、歯のクリーニング)を受けることが大切です。しかし、口臭の悩みは歯科治療や口腔ケアだけで解決しないことが多いです。こちらの記事もご参考にしてください。
【参照リンク・参考文献】
日本歯科医師会 歯とお口のことなら何でも分かるテーマパーク8020
日本口臭学会 口臭と口臭症に関連する用語
日本耳鼻咽喉科学会 代表的な病気
日本口臭学会誌 口臭への対応と口臭治療の指針2014
日本口腔ケア学会
国立大学法人大阪大学 歯学部附属病院 口臭で悩んでいるのですが…
日本臨床歯周病学会 口臭原因は?
日本口臭学会
日本歯周病学会
口臭 ほんだ