口臭予防にはガムより昆布のほうが効果がある!「だし昆布法」とは

だし昆布をなめるだけで口臭が予防できる!

口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

口臭が気になるとガムを噛む人が多いです。ガムを噛むといい香りがするので、口臭も消えたような錯覚を起こします。しかし、本当は口臭がなくなったのではなく、ニオイをごまかしているだけに過ぎません。

今までガムに頼っていた方には、残念かもしれませんが、本当のことです。

ですから、ガムに変わる口臭を予防するための方法を探していたところ、「だし昆布法」というのを見つけました。だし昆布法は、口臭外来で著名な本田歯科医師が、おすすめしている方法です。

今回は、この「だし昆布法」についてご紹介しますので、ぜひご参考にしてください。

ガムの口臭予防効果

チューインガム

口臭が気になるときには、ガムを噛みませんか?
焼肉を食べた後にガムを噛むとガムの香料でごまかせるかもしれません。このように、ガムを噛むのは、臭いをごまかすマスキング効果があるからです。

ガムは安価で簡単!だから、簡単にできる口臭予防の代表といえばガムを噛むことなのでしょうね。でも、ガムは飲み込めないのがネックです。だからでしょうか、最近は食べられるタブレットが増えています。

舌の歯型

ガムを噛むことで口臭が消えるわけではありません。

しかし、ガムを噛むと唾液腺を刺激し唾液の分泌を促す効果があります。抗菌作用のある唾液が多く分泌されると口内を洗浄しますので、舌苔の予防にもなり、口臭が軽減されるかもしれません。

ですから、ガムはドライマウスの人には良いかもしれませんが、砂糖が添加されていたら口内が酸性化され細菌が増えることになるのでご注意ください。

→ 口臭が治らない原因を誰も教えないのは何故?本当の原因を知らないから?

口臭予防するためにガムを噛んで、虫歯になったり、舌苔ができるようになれば最悪です。

また、一般的なガムには多くの添加物が入っていますので、ガムばかり噛んでいると胃腸が弱い人であれば、良くないかもしれません。

キシリトール入りのガムもありますが、できれば無添加のガムが良いかもしれません。自然食品のお店などで無添加ガムが購入できるようです。

ガムを噛むメリットとしては、顎や舌を動かすことによって唾液分泌を促進する効果があることは分かっていますが、実は、この他にもガムを噛むことでリラックスする効果があります。

精神がリラックスすると、副交感神経(自律神経)が働き、サラサラ唾液がよく出るようになるといわれています。ですから、ガムを噛んでリラックスすることは、口臭予防が期待できます。唾液の口臭予防効果については、『唾液が臭いのはなぜ?うがいで口臭を消す方法とは?』をご参考にしてください。

だからといって、砂糖入りのガムを噛むと口内が酸性化し、虫歯、歯周病、口臭を引き起こす要因となる。また、ガムを噛んでいると、口がくちゃくちゃするのでマナーとして良くないというデメリットもあります。

このように、ガムにはメリットとデメリットがあることを知っておくと良いと思います。

だし昆布で舌苔(ぜったい)と口臭を予防

昆布

口臭は、口内の細菌がタンパク質を分解したときに腐敗臭を発生するからです。この細菌が活発に生きるのが酸性の環境です。

細菌を抑制する唾液はアルカリ。だから、唾液が沢山出ると口臭もしなくなります。

反対に、アルカリの唾液が少ない人は口臭が強くなったり、舌も白くなるのですね。このように、舌苔(ぜったい)や口臭を予防するためには、口腔内を酸性化しないようにすることが大事なのです。

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ですから、ガムを噛むと唾液を出す効果があるかもしれませんが、砂糖入のガムでは酸性化するかもしれないのです。

ところが、今からご紹介する昆布は、アルカリ度がかなり高く、食品では断トツにアルカリ度が高いのです。口臭菌は酸性化した口内で増えますが、アルカリに傾くと菌は一辺に減るといわれています。

アルカリ度というのは、水に溶かした溶液を中和するのに必要な酸性液の量で表します。ちなみに、アルカリの高いワインが2.43に対して、昆布は38.9もあるのです。

私も実験的にだし昆布を口に入れて2分ほど舐めてから、唾液と一緒に吐き出し、リトマス試験紙を付けて見た所、PH9のアルカリ性だったのです。唾液のPHは6.8程度だといわれていますので、唾液よりもはるかにアルカリ度が強いことが分かりました。

口臭外来で有名なほんだ歯科の本田先生は、ずっと以前から唾液を出すためには「昆布法」が良いと紹介されていたので、私も実験的にだし昆布を舐めてみました。昆布法

昆布法のやり方は簡単です。

  1. だし昆布をハサミで1センチ角に切りいくつか作っておきます。
  2. 昆布の破片を口に入れて舌で舐めて溶かします。

たったこれだけです。昆布は噛んでしまうと直ぐに無くなってしまうので、舐め続けるのがコツです。

舐めているとミネラルが溶けて昆布の味がするので美味しく感じ唾液もいつもよりも出てきます。でも、人によっては昆布の磯臭いニオイが苦手な人もあるかもしれません。

舐めた後も、昆布なので後味もよく唾液が沢山出たことで口の中が潤っていました。舌苔(ぜったい)が付いている人の場合には、表面の苔が削れとれるかもしれませんので、お勧めです。

何よりも、価格が安いこと、安全、そして栄養が摂れる、などが嬉しいです。

ところが、ほんだ歯科のHPを拝見していると、だし昆布法は効く人と効かない人があるそうです。内容をご紹介しますので、ご参考にしてください。

だし昆布法は、精神的緊張が長時間持続してしまう結果、慢性的な緊張時口臭を引き起こし、その結果、平常時における唾液分泌能力が低下してしまった、長期にわたる苦しむ自臭症の患者さんが、基礎治療終了後において、唾液分泌能が回復したにもかかわらず、人前で緊張を起こしてしまう人のために考えた方法です。
実際の自臭症の治療では、最終段階にプログラムしています。
基礎的能力が回復していない自臭症の人がいきなりこれを行っても効果の低いことがあります。

口臭がほとんど問題にならない、一般の人が緊張時口臭を緩和する目的でガムを噛んだり飴を舐めたり、防臭剤を使う代わりに、この方法を用いることも大変有効です。

出典:ほんだ歯科 だし昆布を用いた口臭抑制法 この方法の特徴と有効な人

ここまで説明してきて残念なお知らせになりますが、「だし昆布」の効果は、ある程度唾液が出る人が対象だということみたいです。

極度に唾液が出ない人が、だし昆布をなめても効果がないかもしれません。唾液を出す方法については、『歯磨きしても口がネバネバする原因8つ!唾液の粘つき改善方法はこれ!』をご参考にしてください。

「だし昆布」の効果が期待できる人というのは、お家など平常時には唾液が出るけれど、人前に出ると緊張して口が乾いてしまうケースのようです。

人は、口の中に食べ物を入れるとか、物をなめると安心するという本能的なものがあります。飴など食べ物をなめるのは、幼児が指をなめるのと似ています。

ですから、だし昆布をなめることでリラックス効果が生まれるのかもしれません。

まとめ

フーセンガム

ガムを噛むと口臭が消えた気持ちになります。しかし、実際は、ガムの香料でごまかされているだけで、口臭は消えていません。

だからといって、ガムはまったく効果がないわけではありません。唾液の分泌を促す効果があるので、ドライマウス症の人の場合にはシュガーレスガムを噛むと良いと思います。

準備に手間がかかり少し面倒かもしれませんが、ガムよりも口臭予防に効果があるのは、だし昆布です。ぜひお試しください。

だからといって、口臭対策で大切なのは口腔ケアです。毎日の口腔ケア、特に歯磨きをおこなっている人が、ガムや昆布を噛むことでさらに効果ができるということですので勘違いしないでくださいね。

口臭予防に効果を望むのでしたら、こちらの記事『簡単、自宅でもできる口臭対策』をご参考にしてください。

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