自臭症は本当に臭いのか?専門家が解説する原因と効果的な対策

口臭が気になりマスクをしている女性

自臭症の真実:原因と効果的な対策を専門家が解説

こんにちは、口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)であり、口臭予防歯磨き粉「美息美人」の開発者の上林登です。

「自分の口臭や体臭が気になって、人と話すのを避けてしまう…」そんな悩みを抱えていませんか?実際に自臭症(自己臭恐怖症)と感じている方は少なくありません。特に現代社会では、マスクの普及により自分の臭いを気にする機会が増え、さらに不安が高まることもあります。しかし、本当に自臭症は他人に不快な臭いを与えているのでしょうか?

この記事では、自臭症の正体やその症状、原因について詳しく解説します。また、口臭体臭に対する過度な不安を和らげるための効果的な対策も紹介。さらに、実際に自臭症を経験した方々の体験談や、口臭外来など専門家のアドバイスも交えながら、あなたの不安を解消する手助けをいたします。

※参考:Yahoo!知恵袋には「自臭症」に関する質問や体験談が掲載されています。

自臭症は一人で抱え込むには辛い問題ですが、適切な理解と対処法を知ることで、その悩みから解放されることが可能です。この記事を通じて、心理的口臭生理的口臭の違いを理解し、専門的なサポートを受けるための第一歩を踏み出しましょう。あなた自身や周りの大切な人のためにも、正しい知識を身につけることが重要です。


参考:自臭症は、専門的には「口臭恐怖症」や「自己臭恐怖症」と呼ばれます。日本口臭学会「口臭への対応と口臭症治療の指針2014」によると、歯周病などの歯科疾患があり軽度の神経症をかかえる「神経症性口臭症」と、口臭原因がないにもかかわらず妄想(幻臭)がある「心理的口臭」の二つに分類されています。

自臭症とは?自己臭恐怖症との違いを解説

自臭症の定義と特徴

自臭症とは、自己臭症や自己臭恐怖症とも言われる状態で、自分自身が強い体臭を放っていると感じ、他人からも臭いと思われているのではないかと不安になる症状です。この状態は、実際の体臭が存在するかどうかに関係なく、強い自己意識と不安が特徴です。

自臭症の人々は、自分の臭いが他人にとって不快であると信じ込み、その結果、社会生活において過剰な不安を抱くことがあります。この症状は、精神的なストレスや過去の経験から生じることが多く、専門家による適切な評価と治療が重要です。

自臭症の症状

私は専門家として、多くの相談者からこの問題についての相談を受けています。自臭症の症状には、実際には臭いがないにもかかわらず、自分自身で強く臭いを感じてしまうことがあります。このような感覚は、過去に他人から口臭や体臭を指摘された経験や、自己評価の低さが原因と考えられています。

自臭症患者は、日常生活において自己の体臭に対する過度の心配や強迫的な行動を示すことがあります。例えば、頻繁に体を洗ったり、過剰な香水を使用したりすることで、自分の臭いを消そうと試みます。こうした行動は、しばしば他人との交流を避ける原因となり、社会的孤立を招くこともあります。

自臭症は重症化するとどうなるのか

自臭症が重症化すると、その影響はさらに深刻になります。患者は他人との接触を避けるようになり、家族や友人との関係が悪化することもあります。また、仕事や学業にも支障をきたし、社会的な機能が著しく低下することがあります。

自臭症心理的口臭とも関連し、最悪の場合、うつ病や不安障害など他の精神疾患を引き起こす可能性もあります。これらの状態は、口臭外来での早期治療が行われないと、生活の質を大きく損なうため、迅速な対応が不可欠です。

自臭症は治るのか

自臭症は治療可能な状態です。治療の鍵となるのは、まず患者自身が自分の口臭体臭に対する過度な不安や誤解を認識し、改善への意欲を持つことです。認知行動療法カウンセリングが効果的な治療法として知られており、口臭外来の専門家との連携を通じて、患者の不安を緩和し、正常な自己評価を取り戻す手助けが行われます。

また、必要に応じて薬物療法が併用されることもあります。心理的口臭の改善には、継続的な治療とサポートが重要です。実際に、知恵袋や他のオンラインコミュニティでは、自臭症が治ったという体験談が多く見受けられます。これらの体験談からも、適切な治療を受ければ自臭症は克服可能であることが分かります。

自臭症患者の例

自臭症患者の具体例として、電車に乗ることや人と話すことが極めて困難になり、引きこもり抑うつ傾向に陥るケースが報告されています。このような患者は、自分が他人に不快な口臭体臭を放っていると強く信じ込んでおり、その結果、人前に出ることを避けるようになります。

さらに、強い不安から、自身の臭いを消すために体を頻繁に洗浄したり、過剰な香水の使用といった行動を強迫的に行うことがあります。これらの行動は、一時的な安心感をもたらすかもしれませんが、根本的な問題の解決には至らず、口臭外来などでの専門的な治療が必要とされます。心理的口臭の改善には、認知行動療法やカウンセリングが有効です。

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自臭症は本当に臭いのか?専門家が答える真実

自臭症患者の多くは、自分が本当に口臭体臭を感じていると信じていますが、実際には周囲に臭いが存在しないことがほとんどです。これは、患者が自己に対して過剰な不安を抱いていることが主な原因です。

自臭症は、心理的口臭自己臭恐怖症といった心理的要因が大きく影響しているため、自己判断だけではなく、口臭外来などの専門機関による適切な診断と治療が必要です。医療機関では、心理療法カウンセリングを通じて、患者が自分自身の臭いに対する不安を軽減し、日常生活を取り戻す手助けを行っています。認知行動療法などの治療法が効果的であり、早期の介入が症状の改善に繋がります。

自臭症と性格の関係性

自分の口臭に悩む「自臭症」の人の性格について「協調性のある真面目な人」だと聞いたことがありませんか?

医療法人ほんだ歯科の院長であり、口臭治療の第一人者である本田俊一医師の著書「もう口臭で悩まない!」の中に、「(常にわたしの口臭くないと不安な)口臭症の人は臆病である、と同時に、自分はいつも迷惑をかけたくない存在でいたいという強い願望がある」と書かれています。

同様に、日本口臭学会学会誌にも、「私と会話すると必ず相手の人が鼻に手を持っていく」「喋ると背を向けられる」「同じ部屋の人に咳払いをされた」など自臭症患者さんは関係性妄想を持っていて、それらのことは「思い過ごし」「気にし過ぎ」「誰にでもあること」「大丈夫ですよ」と慰めても不安の取れない臆病な人(性格)だと書かれています。

性格が自臭症の原因だというのは、果たして本当でしょうか?

楽観的な人は口臭がない

口臭は細菌が発生させるVSC・揮発性硫黄化合物が原因です。生物である限り、口臭は誰にでも起きる可能性があります。

ところが、口臭のない(少ない)人がいます。それは、抗菌力や浄化作用のある「唾液」が十分に分泌している人です。いわゆる、緊張感のない楽観的な人です。

楽観的であれば、自律神経のバランスが良く、唾液が良く出るからです。また、楽観的な性格の人は、多少口が臭いと感じても、気にしないため、交感神経が働き過ぎることなんて起きないでしょうね。

悲観的な人ほど口臭がする

(自分の匂いに対する)周囲の反応が気になる、少しの匂いでも気にし過ぎる、など臆病な性格の人。いわゆるネガティブで悲観的な性格の人ほど、ストレスがかかり自律神経が乱れる傾向にあります。

緊張し過ぎることで交感神経が活発になり、サラサラ唾液を出す副交感神経が働かなくなります。唾液が出なくなり口がネバネバになる。これが何を意味するかと言うと、更に「不安」を招き、口臭を起こすことになるのです。

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自臭症の人は免疫力が低い

免疫力が高い時は、菌やウイルスへの抵抗力が強く、風邪にかかりにくくなります。このように免疫が病気になりにくい体をつくるのですが、自臭症でネガティブ傾向にあると、体調不良になり口臭も起こりやすくなるのです。

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自臭症が幻臭と言われる理由

自臭症かどうかを判断するのは、簡単ではありません。始めからあなたのやる気を削ぐようなことを言って恐縮ですが、本当のことですので言わせていただきました。

口臭というのは、かなり厄介なものです。というのは、誰でも毎日臭いわけではありません。そして、24時間中臭いわけでもありません。口臭は強くなったり弱くなったり変化するからです。

口臭症の人でも、ニオイがそれほど気にならない日があります。また、一日の内でも、朝起きた時や空腹の時、緊張した時などは唾液量が減るため、口臭レベルが最高に上がるかもしれませんが、ずっと臭いわけではありません。お家でリラックスしてテレビを見ている時には、案外口臭はしていないものです。このことが、自臭症が「幻臭」といわれる所以です。

だから、口臭がしているかどうかを調べることが困難なのです。ですから、たとえ、口臭外来に行っても、「それほど気にするレベルではないですよ。」と告げられることがあります。

健康な人でも感じる口臭:生理的口臭のメカニズム

多くの人が日常的に経験する口臭は、必ずしも健康上の問題を示すものではありません。健康な人でも自然に発生する生理的口臭が存在し、そのメカニズムを理解することは、自臭症自己臭恐怖症)との違いを明確にする上で重要です。本セクションでは、生理的口臭の発生メカニズムと自臭症との違いについて簡潔に解説します。

口腔内の自然な口臭発生メカニズム

生理的口臭は主に以下の要因で発生します:

  1. 唾液分泌の減少: 空腹時起床直後ストレス時に唾液の分泌が減少し、口腔内の自浄作用が低下します。これにより、細菌が増殖しやすくなり、揮発性硫黄化合物(VSC)が生成されます。

  2. 細菌の活動: 口腔内の細菌が食べかすや死細胞を分解する過程でVSCが発生し、これが不快な臭いを引き起こします。特に舌苔や歯間に細菌が集まりやすいです。

  3. 食事と飲み物: にんにくやアルコールなど臭いの強い食品の摂取は、一時的に口臭を強めます。また、カフェインや糖分の多い飲み物は唾液分泌を抑制し、口腔内の乾燥を招きます。

生理的口臭と自臭症の違い

生理的口臭自臭症は以下の点で異なります:

  1. 原因の違い:

    • 生理的口臭: 生理的・外的要因(唾液分泌の減少、細菌活動、食事など)が主な原因です。
    • 自臭症: 心理的口臭自己臭恐怖症など、精神的な要因が原因です。実際には口腔内に異常がなくても臭いを感じます。

  2. 持続性と影響:

    • 生理的口臭: 特定の状況で一時的に発生し、状況が改善すると消失します。
    • 自臭症: 持続的に自分の臭いを気にし、社会生活に支障をきたすことがあります。

  3. 対策方法:

    • 生理的口臭: 定期的な歯磨き舌クリーナーの使用、食生活の改善、禁煙などで対処可能です。
    • 自臭症: 認知行動療法カウンセリングなどの心理療法が必要です。口臭外来での専門的な診断と治療が有効です。

出典:「もう口臭で悩まない!」日本口臭学会常任理事 本田俊一著

自分の匂いを正確に知る方法

本当に口臭体臭があるかどうかを調べるためには、次のステップを行うことで解決できるかもしれません。

  1. 口臭チェッカーの使用
  2. 歯科での治療
  3. 口臭外来の受診
  4. 耳鼻科での診断や健康診断
  5. 舌苔の状態を観察
  6. **粘液(膿汁のうじゅう)**を観察

以上の6つのステップを順番に行うことで、かなりの高確率で自臭症なのか口臭がしているかどうかを判断することができます。これから順を追って詳しく説明します。

自分の匂いを正確に知る方法

自分の口臭体臭が気になる場合、正確に匂いを確認することは非常に重要です。適切な口臭チェックを行うことで、自臭症自己臭恐怖症)かどうかを判断し、必要な対策を講じることができます。本セクションでは、自宅でできる口臭チェック方法と、口臭外来での専門的な検査のポイントについて詳しく解説します。

自宅でできる口臭チェック方法

自宅で簡単にできる口臭チェック方法をいくつかご紹介します。これらの方法は手軽に実施できるため、日常的な口臭対策の一環として活用できます。

  1. コップに息を吹きかけて嗅ぐ方法

  2. 指をなめてから唾液を嗅ぐ方法

    • 指をなめてから唾液を乾燥させ、その指を嗅ぐことで口臭の強さを確認します。この方法も簡便であり、定期的に行うことで変化を把握できます。

  3. 舌苔の観察

  4. 歯間ブラシやデンタルフロス使用後のチェック

    • 歯間ブラシやデンタルフロスを使用した後に口臭を嗅ぎます。臭いが強い場合、歯周病の可能性が考えられるため、歯科の受診を検討しましょう。

  5. 家族に確認してもらう方法

    • 信頼できる家族に匂いを嗅いでもらい、客観的な意見を聞くことも有効です。ただし、家族との関係性を考慮し、適切なタイミングで依頼することが重要です。

周囲の人が自分の匂いをどう感じているのか、リアルな匂いを調べたい場合はこちらが参考になります。>>口臭チェック「ティッシュ」でリアルな臭い体験!?


これらの方法を組み合わせて実施することで、自臭症かどうかの初期判断が可能となります。

口臭外来での専門的な検査のポイント

自臭症と疑われる場合、口臭外来での専門的な検査を受けることが推奨されます。以下に、口臭外来で行われる主な検査方法とそのポイントを紹介します。

  1. 機械的な口臭測定

    • 口臭チェッカーなどの機器を使用して、口臭のレベルを客観的に測定します。これにより、実際の口臭の強さを定量的に把握できます。

  2. 舌苔の分析

    • 舌の表面に付着した舌苔を顕微鏡で分析し、細菌の種類や量を評価します。これにより、口臭の原因となる細菌の特定が可能です。
  3. 唾液検査

    • 唾液の成分や分泌量を測定し、唾液分泌の減少抗菌成分の不足など、生理的口臭の要因を検出します。

  4. 血液検査

    • 体内の健康状態を確認するために、血液検査を行います。特に、糖尿病肝臓疾患などの基礎疾患がないかをチェックします。

  5. 心理的評価

    • 必要に応じて、心理カウンセリングや精神科医による評価を受け、心理的口臭自臭症の診断を行います。

口臭外来では、これらの検査を通じて自臭症かどうかを総合的に判断し、適切な治療対策を提案します。専門的な診断を受けることで、根本的な原因に対処し、効果的な口臭対策を実施することが可能です。

自臭症の原因と効果的な改善策

自臭症の原因

自臭症の原因は、主に心理的口臭自己臭恐怖症といった心理的要因に起因すると考えられています。過去に他人から口臭体臭を指摘された経験がトラウマとなり、その後も不安や恐怖感を抱き続けることがあります。また、自己評価の低さや過剰な完璧主義も、自臭症を悪化させる要因となり得ます。さらに、ストレスや不安感が強まると、心身のバランスが崩れ、自臭症による自分の臭いに対する過敏さが増すこともあります。口臭外来での専門的な診断と治療が必要となるケースも多く見られます。

自臭症の改善策

自臭症を改善するためには、心理療法が非常に効果的です。特に認知行動療法は、自分の思考パターンを見直し、現実と感覚のズレを修正する手助けをします。また、リラクゼーション法やストレス管理技術の導入も有効です。

これには、深呼吸や瞑想、ヨガなどのリラクゼーション技法を通じて心身をリラックスさせ、過度な不安を和らげることが含まれます。日常生活においても、自分自身を肯定的に捉え、リラックスした状態を維持するための時間を持つことが重要です。

専門家のアドバイス

自臭症を克服するためには、専門家のサポートが不可欠です。心理カウンセラーや精神科医は、患者の状態を評価し、適切な治療法を提案することができます。自臭症は、周囲からの理解が得られにくい場合が多いため、医療機関を受診して正しい診断を受けることが大切です。

専門家は、自臭症に対する誤解を解き、正しい知識を持つことが症状の改善に寄与すると述べています。また、患者が安心して相談できる環境を提供することも重要です。心の健康を維持するためには、定期的な医療機関への訪問や、サポートグループへの参加が推奨されます。さらに、家族や友人とのコミュニケーションを大切にし、周囲の理解とサポートを得ることで、自臭症の症状を和らげることができます。

患者自身も、日々の生活の中でポジティブな行動を心掛け、自分自身を肯定的に捉える努力をすることが、長期的な改善につながります。

まとめ:自臭症を克服するための第一歩

自臭症は、自分が発する口臭や体臭に過剰に悩まされる精神的な状態であり、実際には周囲に臭いを感じ取られることは少ないですが、本人にとっては深刻な問題です。知恵袋での他の人の体験談や専門家のアドバイスを参考にしながら、適切な対策を講じることが重要です。

この記事が、あなたや同じような悩みを抱える人たちの助けとなり、一歩前進するための手助けとなれば幸いです。

この記事を読まれたことで、口臭は簡単には治らない非常に厄介な病気だと落ち込んでいませんか?そんなことはありません。地道に努力することで改善することは可能です。そのためには、口臭予防歯磨き粉「美息美人(びいきびじん)」を使用されることをお勧めします。

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参考文献・資料

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