口腔ケアアンバサダー(社団法人口腔ケア学会認定)の上林登です。
歯周病の患者さんから、「歯周病にはどの歯磨き粉がいいのでしょう?」とか「歯周病はうがいで治るのですか?」というご相談をよく頂きます。
結論から申し上げますと、歯肉炎や歯槽膿漏など歯周病には、たとえ薬用歯磨き粉でも治すことは不可能です。どうしてかと言うと、歯周病菌などの細菌はプラーク(バイオフィルム)として歯に付着しているからです。
プラーク(バイオフィルム)の内部にある細菌には薬剤が跳ね返されてしまうため、唾液中にある菌にしか効果がありません。もちろん、うがいをした程度ではプラークを取ることは不可能で、プラークを取り除くにはブラッシングが一番効果があります。
このように、歯周病は厄介ですが、歯科治療と家庭の口腔ケアで歯周病をコントロールすることができます。「歯肉炎はどれくらいで治りますか?」というご相談もありますが、歯周病は免疫が低下すると再発する病気ですので、歯磨きやうがいで予防するとともに、健康を保つことも大切です。
歯周病の予防には、場所を選ばずにどこでもできる「うがい」がおすすめです。また、うがいをするだけではなく、歯肉を指でマッサージすることで健康な歯ぐきを維持できます。
歯周病は細菌による感染症であり、歯肉に炎症を起こして深く進行する病気です。たとえ歯槽膿漏になっていても、健康状態が良いと症状は抑えられています。しかし、免疫が低下すると、歯周病菌が増殖し歯茎の腫れや痛みを起こします。歯槽膿漏が悪化すると膿や血が出るようになるので、早目に治療を受けてください。歯槽膿漏のような重度歯周病になると、自然に治るものではありません。
コンビニ食など偏った食習慣から、20代でも歯槽膿漏になっている人がいますので、歯周病が悪化しない内にしっかりと予防しましょう。
歯周病の予防には、こまめにうがいを行うとか、水やお茶を飲み、口内を清潔に保つことが有効です。
今回の記事は、歯周病予防のためのうがいの方法についてお伝えします。是非ご参考にしてください。
歯周病はうがいで治る
amazonで販売されている本「歯周病はうがいで治る」(河北正著、宝島社新書)を見ると、抗カビ剤シロップを使用する「うがい」についての説明がありました。13年ほど前に私も歯周病の治療で抗カビ剤シロップ(ハリゾン・ファンギゾン)を処方してもらったことがあります。その時には、飲み薬として抗生物質「ジスロマック」もありました。
うがいと飲み薬の効果で2日ほどすると、みるみるうちに歯茎の腫れが引きました。抗生剤による殺菌効果はさすがでしたが、半年も経ないうちに歯周病は再発。それからは、歯茎の腫れ、出血、痛みの繰り返しに。
後日分かったことですが、「抗生剤には耐性菌を作るリスクがあるので、出来る限り使用しない方がいい。」、更に、日本歯科医師会の発表では「歯周病は歯周病菌による感染症であり、カンジダが原因ではない。」とのことでした。
カンジダは、常在菌の一種で誰の口にもある真菌です。しかし、カンジダが増えすぎると粘膜に炎症を起こすなど害を及ぼします。このカンジダが異常に増殖する原因として言われているのが、「抗生剤の長期服用」。総合的に考えると、抗カビ剤シロップ(ハリゾン・ファンギゾン)うがいは、リスクが高いといえます。
市販のうがい薬を使用する方法もありますが、「バイオフィルム」はうがい薬の殺菌成分をはねのけてしまうため効果は期待できません。(※ただし、口内を洗浄することができますが、水によるうがいでも十分です。)
毒だしうがいで歯周病を防ぐ
「毒だしうがい」というと、特別なうがい方法に聞こえますが、普通のうがいと変わりません。口に水を含み、ぐちゅぐちゅうがいする。この時、口に力を入れ、左右、前後、上下と強い水圧を当てるのがコツです。
歯周病予防のためには、「歯と歯ぐきの境目に水流を当てるように意識して、ぐちゅぐちゅとうがいする。」とあります。
このうがい方法によって、歯周病の原因となる歯周病菌や汚れを洗浄するのが狙いです。歯周病予防として理にかなっているうがい方法だと言えます。
しかし、勘違いしないで欲しいことがあります。うがいは、当初の歯周病予防法であって、歯周病を治す方法ではないということ。歯周病の原因となるのは、細菌の集合体である歯垢(プラーク)です。歯垢は食後8時間(厚労省HP)から24時間でできると言われているので、理想は毎食後に歯磨きを行い歯垢を除去することが、歯周病予防には重要なことです。
アルカリイオン水うがいで歯周病を予防する
歯周病予防にうがいが効果があることが理解できたのではないでしょうか。このうがいに、水ではなくアルカリイオン水を使用すると、更にうがい効果が向上します。
アルカリ性で落とせる汚れは、タンパク質、油脂、炭水化物ですので、歯周病や虫歯の原因となる食べかすが良く取れます。また、アルカリイオン水でうがいをしてからブラッシングすると、歯垢除去も容易になるのでおすすめです。
それだけではありません。アルカリイオン水には歯周病菌の繁殖を抑える効果もあります。
ヒトの口内で悪玉菌が増えないのは、唾液(pH6.8の弱酸性)が酸性化しないよう「緩衝能(かんしょうのう)」が作用しているからです。
そのため、アルカイオン水でうがいを行うことで、口内細菌を減らし虫歯や歯周病の予防効果があるといわれています。アルカリには消臭効果もあるため、口臭予防にも期待が持てるでしょう。
>>アルカリイオン水のうがいは、口臭予防になるのだろうか!?
関連記事
歯周病はうがいで治る!?アルカリイオン水のうがいで進行が防げる
うがいで歯周病を予防する
ところが、アルカリイオン水には歯周病菌など嫌気性細菌を殺菌する効果があります。この効果によって歯周病を予防できる、舌苔を予防できる、口臭を予防できるのです。詳しくは『美息美人の効果と安全性』をご参考にしてください。
ですから、歯周病の治療中や後も、アルカリイオン水うがいを行うことをおすすめします。
歯周病予防のまとめ
もう一度申し上げます!軽度歯肉炎であればブラッシングだけで治る可能性が高い。ですから、悪くならないうちに次のことを実行することをおすすめします。
歯肉炎の対策と予防
1、歯科で受診・治療を受ける。
2、歯石除去と歯のクリーニングを受ける。
2~3か月に1回は、定期的に歯石除去をしてもらう。歯磨きだけでは、必ずといっていいほど、磨き残しが残り歯石が付くからです。
3、歯磨き粉「美息美人(びいきびじん)」で、毎日、朝晩2回ていねいに歯磨きを行う。
美息美人はアルカリイオン水の歯磨き方法なので、プラークなどの汚れ落としを向上することができます。
4、ワンタフトとブラシで、歯周ポケットの中を磨く。
歯ブラシだけでは、深くなった歯周ポケットの中を磨くことはできません。ですから、ワンタフトブラシの使用をおすすめします。
こんなシンプルな方法ですが、このとおりに実行されている方の多くが改善されています。だから、自信をもっておすすめしています。
もし、あなたも軽度の歯肉炎で困っていましたら、明日にでも歯医者さんに行ってはいかがでしょうか?
そして、口臭予防歯磨き粉「美息美人(びいきびじん)」で歯磨きをすることも忘れてはいけません。