歯磨き粉は使わなくても良い!?歯磨き粉を使わないとどうなる?

歯磨き粉は使わなくても良い?

口腔ケアアンバサダー(社団法人口腔ケア学会認定)の上林登です。

Yahoo!知恵袋を見ていると「歯磨き粉を使わないで歯みがきしているが、虫歯や歯周病になっていない」という人が何名もいました。

参考:歯磨き粉の添加成分

私事ですが、30年以上も前、かかりつけの歯医者さんからブラッシング指導された時に、「歯磨き粉は付けなくても良いです。歯磨き粉を付けるとしても、マッチの頭程度の量で充分ですよ。」と教えられた時のことを想いだしました。

あれからずっと、(株)アイオーンで歯磨きの研究をしていますので、歯磨きの問題に関しては誰よりも自信があるつもりです。というわけで、結論から申し上げますと、、、

十分に歯みがきができていれば、歯磨き粉を使う必要はありませんが、ほとんどの人に磨き残しがあり、虫歯や歯周病の原因になります。

よく磨けるようにと研磨剤入りの歯磨き粉や、虫歯予防にとフッ素配合の歯磨き粉があるのはそのためです。もし歯医者さんからそれらの歯磨き粉の使用を勧められたとしたら、上手に歯磨きが出来ていないからだと思うといいでしょう。

理想は、歯科医や歯科衛生士のように歯磨き粉を使わなくても、きれいに歯を磨くことができるに越したことは無いわけですが、一般人の我々にはそれは無理というものです。

それでは、やっぱり歯磨き粉は必要なのでしょうか?
今回は、歯磨き粉を使わないようにすることの、メリットとデメリットについてお伝えします。

歯磨き粉不要論

歯磨き粉不要論とは、歯磨き粉を使うメリットよりもデメリットの方が大きいという理屈からです。それでは、「歯磨き粉要らない派」の考えとはどういうものでしょう?

歯磨き粉不要論

1,歯磨き粉が無くても歯磨きができる。ただし、研磨材が入っていないので、時間をかけて丁寧にブラッシングしないとプラークが残りやすい。

2,薬機法で認可されているフッ素歯磨き粉であっても、長期でみると毒害リスクがある。フッ素を用いなくても、お菓子など糖を食べすぎないようにして、しっかり歯磨き行えば虫歯は予防できる。

3,市販の歯磨き粉には、ラウリン酸ナトリウムなど健康や環境に害のある添加物が多く含まれている。

歯磨き粉を使う意味

そもそも、歯磨き粉を使う意味なんて考えたことがありますか?
今まで考える必要がなかったのは、元々、歯磨き粉を使うのは「歯を磨くため」だからです。

歯磨き粉が使われ出した時には、歯磨き粉の目的はブラッシング効果を上げるためでした。江戸時代の人たちの歯磨きでは、歯磨きの効果を上げるために塩や貝殻粉などが使われていました。その後の大正時代には、ヤニ取り歯磨き剤が流行したように、歯磨き粉の利用目的がはっきりしています。

※大正14年(1925年)に壽屋(現在の「サントリー」の前身)が発売した「スモカ歯磨」は潤製丸缶入り高級粉歯磨き剤として注目を集めました。タバコ屋を中心に販売され、ヤニを取り除く、喫煙者のための歯磨き剤スモカとして爆発的な売り上げを記録しました

昭和になり、歯磨き粉の付加価値として、香料、合成界面活性剤、フッ素、薬剤が添加されるようになったのですが、それらの成分が今問題となっているのです。

関連記事:買ってはいけない歯磨き粉!成分とその理由

歯磨き粉を使わなくても歯は磨ける?

「歯磨き粉要らない派」の人たちの意見は、「そもそも歯磨き粉を使わなくても歯は磨ける」です。

※台所の排水溝の汚れは、ブラシでこするだけで容易に取れます。汚れを落としやすくするために洗剤を使用しても、研磨剤を使用することはありません。

歯磨きの意味は、プラーク(細菌)を除去するためです。プラーク(細菌)は、白くネバネバ状の固まりが歯に付いたものですので、歯ブラシでこすると容易に取れてしまいます。特に歯磨き剤を使わなくてもプラークは取れるものなのです。

ところが、歯磨きをしても、歯と歯の狭い隙間や、歯と歯ぐきの間の溝に付いたプラークを完全に取ることは出来ず、磨き残しができます。その磨き残しのプラークは24時間経つと固い歯石になり、歯石が形成されるとどれだけ丁寧にブラッシングしても、取ることはできず、歯石にはプラークが付きやすく取れにくいという悪循環が起こるのです。

このことが、一般人が歯磨きしてもきれいに磨けない理由です。だから、歯磨きが下手な人でも磨けるように「研磨剤」が添加されている、と言う訳です。

だからといって、騙されてはいけません。歯磨き粉に研磨剤が入っていても、狭い隙間のプラークが取れるわけではありません。プラークを取るためには、歯科衛生士が指導する丁寧なブラッシングしかないのです。

歯磨き粉で歯に傷が付く?

「歯磨き粉要らない派」の意見は「研磨剤で歯が削れる」ですが、この発言は言葉足らずで誤解を生む元になっています。

歯肉の上に出ている部分の歯は、エナメル質です。エナメル質は「モース硬度7」でガラスの「モース硬度5」よりも硬いため、たとえ歯磨き粉に研磨剤が含まれていても、通常の歯磨きで歯が削れることはありません。

ところが、歯肉縁下の歯根は、エナメル質より柔らかい象牙質(モース硬度5~6)であるため、研磨剤含有の歯磨き粉でゴシゴシと磨くと、歯が削れて歯ブラシの痕が付いてしまいます。

歯茎が健康な人であれば、歯磨き粉を使用しても問題ないのですが、歯茎下がりで歯根(象牙質)が見えている場合は研磨剤が入っていない歯磨き粉の方が安全です。歯ぐき下がりで歯根が見えている状態で歯みがきをし過ぎると、象牙質が削れて知覚過敏の原因になるので注意が必要です。

参考:知覚過敏の歯磨き粉でしみなくする方法!

歯磨き粉を使わないメリットとデメリット

歯磨き粉を止めようか検討しているのでしたら、歯磨き粉を使わないことのメリットとデメリットを理解しておくといいでしょう。

歯磨き粉を使わないメリット

歯磨き粉を止めると、健康害や環境汚染のリスクがなくなります。歯磨き粉を止めることで、健康に不安がなくなるとともに、環境に対しても良い事をしている気持ちになれるかもしれません。

関連記事:オーガニック歯磨き粉のメリットとデメリット

歯磨き粉を使わないデメリット

市販の歯磨き粉に含まれる成分には、良い香りがする香料、泡が立つ合成界面活性剤、黄ばみが良く取れる研磨剤、虫歯予防になるフッ素などがあります。

現在使用している歯磨き粉を止めると、かんたんに歯みがきができるなどの恩恵をすべて受けることが出来なくなります。

たとえば、、無添加の歯磨き粉を使うと歯の黄ばみが付きやすくなるので、1週間に一度は市販の研磨材入りの歯磨き粉で歯を磨くことが大切です。

関連記事:歯周病に効く歯磨き粉はコレ!正しい使い方はコレ!

まとめ

理想は、安全のためにも添加物の多い歯磨き粉は使用しない方がいいです。しかし、上手に歯磨きができない人は、今までどおりの歯磨き粉を使用する方がいいでしょう。そして、定期的にプロによる歯石除去とクリーニングを受けましょう。

それでも、歯磨き粉を止めるのであれば、徹底的なブラッシングが必要になりますので、それだけの決意も必要です。

子ども用の歯磨き粉は、砂糖や色素が含まれているものが多くありますので、健康に害のない歯磨き粉を選ぶことをおすすめします。

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