そもそも歯磨き粉を使う意味はない!?歯磨き粉を使わないことのデメリットは?

歯磨き粉を使うメリットとデメリット

口腔ケアアンバサダー(社団法人口腔ケア学会認定)の上林登です。

歯磨きは毎日の習慣なので、歯磨き粉の意味なんて考えずに、歯を磨いている人がほとんどでしょう。どの歯磨き粉を使ってもほとんど同じですからね。

ところが、SDGs(エスディージーズ)「持続可能な開発目標」などの運動から環境や健康への意識が高くなり、歯磨き粉に含まれている成分が問題視されるようになってきました。歯磨き粉の成分に、フッ素や合成界面活性剤、研磨材などが使われていることへの危惧を持つ人が増えているのです。

歯磨き粉には多くのメリットがありますが、それ以上にデメリットもあります。ネットで発表されている歯科医や歯科衛生士の中には「歯磨き粉を使う意味があるのか?」という意見もあります。このように歯磨き粉を否定する人たちは、歯科のプロですから、ブラッシング技術にも優れていて、歯磨き粉を必要としないレベルです。

理想は、歯科医や歯科衛生士のように歯磨き粉を使わなくても、きれいに歯を磨くことができるに越したことは無いわけですが、一般人の我々にはそれは無理というものです。

それでは、やっぱり歯磨き粉は必要なのでしょうか?
今回は、歯磨き粉を使わないようにすることの、メリットとデメリットについてお伝えします。

歯磨き粉を使う意味

そもそも、歯磨き粉を使う意味なんて考えたことがありますか?
今まで考える必要がなかったのは、元々、歯磨き粉を使うのは「歯を磨くため」だからです。

歯磨き粉が使われ出した時には、歯磨き粉の目的はブラッシング効果を上げるためでした。江戸時代の人たちの歯磨きでは、歯磨きの効果を上げるために塩や貝殻粉などが使われていました。その後の大正時代には、ヤニ取り歯磨き剤が流行したように、歯磨き粉の利用目的がはっきりしています。

※大正14年(1925年)に壽屋(現在の「サントリー」の前身)が発売した「スモカ歯磨」は潤製丸缶入り高級粉歯磨き剤として注目を集めました。タバコ屋を中心に販売され、ヤニを取り除く、喫煙者のための歯磨き剤スモカとして爆発的な売り上げを記録しました

昭和になり、歯磨き粉の付加価値として、香料、合成界面活性剤、フッ素、薬剤が添加されるようになったのですが、それらの成分が今問題となっているのです。

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歯磨き粉を使わなくても歯は磨ける?

歯磨き粉を使わない派の人たちの意見は、「そもそも歯磨き粉を使わなくても歯は磨ける」です。

※台所の排水溝の汚れは、ブラシでこするだけで容易に取れます。汚れを落としやすくするために洗剤を使用しても、研磨剤を使用することはありません。

歯磨きの意味は、プラーク(細菌)を除去するためです。プラーク(細菌)は、白くネバネバ状の固まりが歯に付いたものですので、歯ブラシでこすると容易に取れてしまいます。特に歯磨き剤を使わなくてもプラークは取れるものなのです。

ところが、歯磨きをしても、歯と歯の狭い隙間や、歯と歯ぐきの間の溝に付いたプラークを完全に取ることは出来ず、磨き残しができます。その磨き残しのプラークは24時間経つと固い歯石になり、歯石が形成されるとどれだけ丁寧にブラッシングしても、取ることはできず、歯石にはプラークが付きやすく取れにくいという悪循環が起こるのです。

このことが、一般人が歯磨きしてもきれいに磨けない理由です。だから、歯磨きが下手な人でも磨けるように「研磨剤」が添加されている、と言う訳です。

だからといって、騙されてはいけません。歯磨き粉に研磨剤が入っていても、狭い隙間のプラークが取れるわけではありません。プラークを取るためには、歯科衛生士が指導する丁寧なブラッシングしかないのです。

歯磨き粉で歯に傷が付く?

市販の歯磨き粉には研磨剤が含まれています。「研磨剤で歯が削れる」と言っている歯医者さんがいますが、この発言は言葉足らずで誤解を生む元になっています。

歯肉の上に出ている部分の歯は、エナメル質です。エナメル質は「モース硬度7」でガラスの「モース硬度5」よりも硬いため、たとえ歯磨き粉に研磨剤が含まれていても、通常の歯磨きで歯が削れることはありません。

ところが、歯肉縁下の歯根は、エナメル質より柔らかい象牙質(モース硬度5~6)であるため、研磨剤含有の歯磨き粉でゴシゴシと磨くと、歯が削れて歯ブラシの痕が付いてしまいます。

歯茎が健康な人であれば、歯磨き粉を使用しても問題ないのですが、歯茎下がりで歯根(象牙質)が見えている場合は研磨剤が入っていない歯磨き粉の方が安全です。

歯磨き粉を止めるメリットとデメリット

歯磨き粉を止めようか検討しているのでしたら、歯磨き粉を使わないことのメリットとデメリットを理解しておくといいでしょう。

歯磨き粉を止めるメリット

歯磨き粉を止めると、健康害や環境汚染のリスクがなくなります。歯磨き粉を止めることで、不安がなくなるとともに、良い事をしている気持ちになれるかもしれません。

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歯磨き粉を止めるデメリット

市販の歯磨き粉に含まれる成分には、良い香りがする香料、泡が立つ合成界面活性剤、黄ばみが良く取れる研磨剤、虫歯予防になるフッ素などがあります。

現在使用している歯磨き粉を止めると、それらの恩恵をすべて受けることが出来なくなります。

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まとめ

理想は、安全のためにも添加物の多い歯磨き粉は使用しない方がいいです。しかし、上手に歯磨きができない人は、今までどおりの歯磨き粉を使用する方がいいでしょう。そして、定期的にプロによる歯石除去とクリーニングを受けましょう。

それでも、歯磨き粉を止めるのであれば、徹底的なブラッシングが必要になりますので、それだけの決意も必要です。

子ども用の歯磨き粉は、砂糖や色素が含まれているものが多くありますので、健康に害のない歯磨き粉を選ぶことをおすすめします。

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