臭い玉びっしりを徹底ケア|原因・安全な取り方・予防法ガイド

「臭い玉びっしり」の悩みを解消!専門家が教える原因と効果的な撃退法

こんにちは、口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

本記事では、扁桃腺の溝に食べかすや細菌がたまることで形成される「臭い玉」について、特に“びっしり”と詰まってしまい繰り返し困っている方向けに、原因・対処法・予防法を徹底解説します。

「臭い玉がたくさんできてしまい、口臭が気になる」「自己流で除去しているが本当に安全なのか不安」「再発を防ぐにはどうすれば?」といった疑問や悩みにお答えするため、専門家の視点から具体的な方法やポイントをまとめました。ぜひ最後までお読みいただき、日常生活の中で役立ててください。

臭い玉(膿栓)の取り方について詳しくはこちら:『ためしてガッテン』で学ぶ!膿栓(臭い玉)の効果的な取り方と自宅でできる予防法

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臭い玉びっしりの基本知識

臭い玉とは何か?(膿栓との違い)

のどの奥の白いのは膿栓

「臭い玉」とは、医学用語でいうところの「膿栓(のうせん)」のことを指します。のどの奥、扁桃腺のくぼみ(陰窩・隠窩と呼ばれる部分)に、食べ物のカスや細菌・白血球の死骸などが固まって小さな塊になる現象です。

  • 膿栓:扁桃腺の溝で形成される白または黄色っぽい塊
  • 臭い玉:口臭の原因になることが多いため、俗称としてこう呼ばれています

基本的には無害なものですが、潰してみると強い悪臭を放つことがあり、口臭の原因となります。また、びっしりたまってしまうと、のどの違和感や痛みを引き起こす場合もあります。

引用:龍角散「口腔・咽頭の病気-膿栓」

なぜ「びっしり」できるのか?主な原因と健康への影響

扁桃に膿栓がたまる

  1. 扁桃腺の構造
    扁桃腺には多数の溝やくぼみがあります。このくぼみが深いと、食べかすや細菌がたまりやすく、やがて固まって「びっしり」と形成される原因となります。

  2. 口腔内の乾燥
    唾液には抗菌作用があり、口腔内を自然に洗い流す効果があります。しかし、乾燥しやすい体質や口呼吸をしている人は、唾液の量が減少してしまい、細菌や食べかすが溜まりやすくなります。

  3. 生活習慣や口腔ケア不足
    不規則な食生活や水分不足、歯磨きやうがいの頻度が低い場合、口腔内環境が悪化し、細菌が繁殖しやすくなるため、臭い玉ができやすい状況を作ります。

健康に対する大きな害は少ないものの、「びっしり」できてしまうと口臭やのどの異物感が強くなり、日常生活にも支障をきたすことがあります。

臭い玉ができやすい体質をチェックする方法

  • 口呼吸になりやすいか?
    寝ているときに口が開いている、朝起きたときに喉がカラカラなどの症状があれば要注意。
  • 扁桃腺が腫れやすい・熱を出しやすい?
    扁桃炎を繰り返す人は、くぼみが深いことや免疫力低下が影響し、膿栓ができやすくなる傾向があります。
  • 唾液量が少ない、口内がよく乾く?
    ドライマウス気味だと、口の中が自浄作用を保ちにくくなります。

上記に当てはまる人は、「臭い玉びっしり」に苦しむ可能性が高いため、早めの対策が望ましいでしょう。

自宅でできる臭い玉の確認と自己対処法

簡単チェック:口腔鏡やスマホカメラでの観察

臭い玉は、のどの奥にできるため、自分の目で直接見るのは難しい場所にあります。そこでおすすめなのが、

  • 手鏡とライト を使い、口を開けてのどの奥を照らしながら見る方法
  • スマホのインカメラや口腔内カメラ を使う方法

特にスマホで撮影すると、静止画・動画ともに残るので、自分がどれぐらい臭い玉ができているか、定期的に確認しやすくなります。ただし、誤ってカメラをのどに当てるなどして傷つけないよう、十分に注意しましょう。

臭い玉を自分で除去する方法と注意点

綿棒を使った方法(非推奨)

臭い玉を自分で取り除くために綿棒を使う方法が知られていますが、これはリスクが高いためおすすめできません。綿棒で扁桃腺周辺を押すと、出血や炎症を引き起こす可能性があり、誤って傷つけるリスクがあります。

塩水・アルカリイオン水でのうがい

専用ツールの活用

  • ドラッグストアやネット通販で「臭い玉取り専用キット」が販売されています
  • 使用前後の消毒を徹底し、口腔内を傷つけないようにやさしく操作することが重要

注意点

  • 無理に奥まで器具を入れると、扁桃腺や口の粘膜を傷つけるリスクがあります。
  • 咳き込んだり嘔吐反射が起きやすい人は特に慎重に行いましょう。
  • 痛みを伴う場合は無理をせず、早めに専門医に相談してください。

よくある失敗例:やりすぎによるリスク

  • 過度な力で押してしまい、扁桃腺が傷ついて炎症を起こす
  • 除去後の殺菌・消毒を怠り、かえってバイ菌が繁殖しやすくなる
  • 毎日のように強引に除去しようとして、喉が慢性的に痛むようになる

自宅ケアはあくまでも「軽度で取り出しやすい臭い玉」に限られます。びっしり固まっている場合や痛み・出血を伴うケースは、専門医による処置が安心です。

推奨する対処法としては、塩水や専用のうがい薬でのうがいを行い、自然に排出されるのを待つ方法が安全です。また、取り切れない場合は専門医に相談することをお勧めします。無理な自己処置は避け、喉や口腔内の健康を守りましょう。

臭い玉びっしりの治療法:専門医によるアプローチ

耳鼻咽喉科での診察が必要なケースとは?

  • 自己処置を何度か試しても改善しない
  • 扁桃周辺が腫れたり、激しい痛みや発熱を伴う
  • 1ヶ月に何度も「びっしり」臭い玉ができ、生活に支障が出る
  • 口臭が非常に強く、人と会話するのが億劫になっている

上記のような場合は、耳鼻咽喉科(ENT)を受診するのが望ましいです。専門医は扁桃腺の状態を視診や内視鏡で確認し、適切な治療方法を提案してくれます。

レーザー治療:扁桃腺の溝を平滑化するメリットと注意点

レーザー治療は、扁桃腺の表面を部分的に焼き固めて「くぼみ」を平らにし、臭い玉がたまりにくい状態を作る治療法です。

  • メリット:
    1. 治療時間が比較的短い
    2. 手術よりも痛みや出血が少なく、入院の必要もない場合が多い
    3. 再発を大きく減らす効果が期待できる
  • 注意点:
    1. 保険適用が難しいケースがある(病院によって異なる)
    2. レーザー処置後は食事制限やうがいの徹底など、数日間のケアが必要
    3. くぼみを完全に消せるわけではない場合もあり、再発リスクがゼロになるわけではない

手術(部分切除・全摘出):根本解決の選択肢

扁桃腺全体を取り除く「扁桃摘出術」や、腫れている部分のみを切除する「部分切除術」は、再発を根本的に防ぐための選択肢です。

  • メリット:
    • 扁桃そのものを除去するため、膿栓ができる根本原因を取り除ける
    • 慢性的なのどの痛みや炎症の改善にもつながる

  • デメリット:
    • 全身麻酔が必要になるケースが多い
    • 入院・術後の痛み、出血など、ある程度リスクが伴う
    • 口腔や上気道の免疫機能に多少の影響を及ぼすことがある

医師から「手術が望ましい」と説明されたら、リスクとメリットをよく考え、納得したうえで選択しましょう。

医療機関・文献で報告された臭い玉の治療例

事例1:ラジオ波凝固治療による再発予防

笠井耳鼻咽喉科クリニックでは、ラジオ波凝固治療を用いて扁桃腺の肥大や膿栓症の治療を行っています。この方法は、比較的低温で組織を凝固・縮小させるため、周辺組織へのダメージが少なく、安全性が高いとされています。

また、文京区本駒込の耳鼻咽喉科、とくながクリニックでも、扁桃腺に白い臭いカス(膿栓)がたまって困っている患者に対して、洗浄治療やガラス吸引治療などの治療を提供しています。

  • 術後ケア: 数日間、軟らかい食事やこまめなうがいを行い、必要に応じて鎮痛剤の服用などが推奨されることがあります

事例2:扁桃腺摘出術による根本的な解決

扁桃腺摘出術(扁桃摘出術)は、慢性扁桃炎や扁桃肥大などの症状に対して行われる一般的な手術です。

手術の概要

手術は全身麻酔下で行われ、口腔内から扁桃腺を摘出します。手術時間は通常1~2時間程度です。術後は出血や感染のリスクがあるため、適切なケアが必要です。

  • 術後ケア: 術後は喉の痛みや出血を防ぐため、鎮痛剤の使用や柔らかい食事、水分補給を徹底してください。1~2週間は安静を保ち、感染予防の口腔ケアと定期的な診察を受けることが重要です。医師の指示に従い、異常時は速やかに相談をしてください。

引用元:宝塚市民病院耳鼻咽喉科天使病院

最新研究:バイオフィルムの関与と予防法の開発

近年の研究では、扁桃腺に形成される細菌のバイオフィルム が、臭い玉を「びっしり」育てる温床になっている可能性が指摘されています。バイオフィルムとは細菌が集まって形成される粘膜状の構造体で、外部からの除去や薬剤の浸透が難しい特徴があります。

  • プロバイオティクスを使った予防法
    • 口腔内の善玉菌を増やすことで悪玉菌の増殖を抑制し、膿栓の形成を防ぐ研究が進行中

  • 新しいレーザー技術や消毒剤
    • バイオフィルムに対して効果的に作用する装置や薬剤の開発も期待されています

これらの研究はまだ臨床段階ですが、将来的にはより簡便かつ確実に「びっしり」臭い玉を防ぐ方法が登場する可能性があります。

「びっしり」繰り返さない!臭い玉の予防法

日常生活での口腔ケアと免疫力アップ

  • 歯磨き・舌磨きの徹底
    臭い玉のもととなる細菌や食べカスを減らすには、毎食後や就寝前の歯磨きが欠かせません。特に舌の上に細菌が繁殖しているケースも多いため、舌ブラシを活用し、優しく舌苔(ぜったい)を除去すると効果的です。

  • うがいで口腔内をリフレッシュ
    塩水やアルカリイオン水、抗菌作用のあるうがい薬などで、のどの奥までしっかりとすすぎましょう。扁桃腺のくぼみに入り込んだ食べかすや細菌を洗い流すのに役立ちます。

  • 免疫力の向上
    睡眠不足や過労で体力が低下すると、口腔内の自浄作用や免疫システムも弱ります。バランスの良い食事と十分な休息を心がけ、扁桃腺周辺の粘膜環境を整えましょう。

食生活・水分摂取・禁煙・節酒の重要性

  • 食生活の改善
    繊維質が豊富な野菜や果物を多く摂ると、唾液の分泌が促進され、自然に口内を洗浄する効果が期待できます。
    また、砂糖や甘い飲料の摂り過ぎは細菌の繁殖を助長し、臭い玉ができやすくなる要因にもなるため注意が必要です。

  • 水分摂取
    口の中が乾燥してしまうと、唾液による抗菌・洗浄作用がダウンします。コーヒーやお茶でカフェインを多量に摂取するのではなく、なるべく水やノンカフェインの飲み物でこまめに水分補給を行いましょう。

  • 禁煙と節酒
    喫煙は口腔内の環境を悪化させ、扁桃腺の粘膜にもダメージを与えます。過度のアルコール摂取も同様に、口腔内を乾燥させる原因になります。びっしり臭い玉ができやすい方は、禁煙・節酒を心がけると予防効果が高まります。

運動・ストレス対策:体調管理で扁桃腺を守る

  • 適度な運動
    ウォーキングや軽いジョギングなど、適度な運動は全身の血行を促進し、免疫力アップにつながります。血行が良くなると、口腔内の循環も改善され、唾液の分泌も活発化します。

  • ストレスケア
    ストレスを抱えると自律神経のバランスが乱れ、口呼吸になりやすくなる場合があります。また、免疫力が落ちる原因にもなるため、十分な休息やリラックス法(深呼吸、マインドフルネスなど)を取り入れましょう。

臭い玉に関するよくある質問(Q&A)

「臭い玉を取ると口臭は改善しますか?」

多くの場合、びっしりと詰まった臭い玉を取り除くと、口臭は一時的に軽減されます。ただし、再発を防ぐには根本的な原因(扁桃腺のくぼみや口腔内の環境など)へのアプローチが大切です。自己処置だけでなく、日常のケアや必要に応じて専門医の治療を受けると、より効果的に改善できます。

「専用ツールはどこで買う?正しい使い方は?」

ドラッグストアやネット通販で「臭い玉取り専用ピンセット」「口腔内洗浄器」などが販売されています。購入した際は、

  • 使用前後の洗浄・消毒を徹底する
  • 扁桃腺を強く押しすぎない
  • 痛みや出血を伴うなら中断する
    を守りましょう。正しく使用すれば自宅ケアの一助になりますが、無理な使用はかえってリスクを高めるので注意が必要です。

「塩水うがい・アルカリイオン水うがいの効果は?」

塩水うがいは、口腔内を弱アルカリ性の環境にすることで細菌の繁殖を抑え、扁桃腺の溝を洗い流す働きがあります。アルカリイオン水も同様の効果が期待できるため、こまめにうがいを行うことで臭い玉が自然に浮き出ることがあります。
ただし、強い洗浄力を持つ市販のうがい薬は粘膜を刺激することもあるので、適度な濃度と頻度を守って使用してください。

「専門医にかかる目安やタイミングは?」

  • 月に何度も臭い玉が大量発生する
  • のどの痛みや炎症を繰り返している
  • 綿棒やうがいでは取り切れず、異物感が続く

このような場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。レーザー治療や扁桃部分切除術など、専門的なアプローチによって再発リスクを抑えられる場合があります。

「再発を完全に防ぐ方法はある?」

扁桃腺を手術で摘出すれば、臭い玉の発生源を根本的に取り除くことは可能です。しかし、手術には当然リスクや術後の痛み、入院の必要などが伴います。まずは生活習慣の見直しや口腔ケアの徹底、必要に応じてレーザー治療などを検討し、医師と相談したうえで最適な方法を選びましょう。

まとめ

「臭い玉びっしり」となる原因には、扁桃腺の構造や口腔内環境、生活習慣などが複雑に関与しています。大量にできるからといって自己流のケアだけに頼るのではなく、症状が繰り返す場合は専門医の助言を仰ぐことで、より安全・確実に対処することができます。

本記事のポイントまとめ

  1. 基本知識:臭い玉(膿栓)の正体や、びっしり詰まる原因を知る。
  2. 自己対処法:綿棒や塩水うがいなど、安全性を意識した除去方法を実践。
  3. 専門治療:レーザー治療・扁桃腺切除術など、症状に合わせた医療アプローチも検討。
  4. 予防策:口腔ケアの徹底や生活習慣の改善で、再発を抑える。
  5. Q&A:多くの方が抱える疑問(口臭への影響、ツールの使い方など)を一通りカバー。

これらを踏まえ、日常的なケアに取り組みながら、必要に応じて適切な専門治療を受ければ、「びっしり」できた臭い玉も改善・予防が可能です。

うがいで膿栓を予防する

参考文献・資料

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