口臭検査のすべて|費用・方法・結果の読み方を専門家が解説

歯科治療中の風景

口臭検査法4種類の比較

こんにちは、口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の 上林登です。

「マスクを取った瞬間にニオイが心配…」「家族から“ちょっと臭うかも”と指摘された…」――そんな不安を“数値”で見える化できるのが口臭検査です。

この記事では検査の種類・流れ・費用・結果の活かし方まで徹底ガイド。あなたが安心して一歩を踏み出せるよう、やさしく解説します。読み終わる頃には「何をすればいいか」がクリアになりますよ。

口臭検査で何がわかる?|受診前に知るべき基礎知識

口臭は大きく分けて「生理的口臭」と「病的口臭」に分類されます。検査を行うことで、

  • 揮発性硫黄化合物(VSC)の量と種類
  • 舌苔・歯周病・消化器疾患など“ニオイの根っこ”の特定
  • 自宅ケアで十分か、医療介入が必要か

といった原因の切り分けが可能です。逆に言えば、検査なしでは原因を取り違え、対策が遠回りになるリスクも。まずは基礎知識を押さえ、最適な検査方法を選びましょう。

【比較表】主な検査4種と精度・費用

検査名 概要 精度 所要時間 費用目安 保険適用
ガスクロマトグラフィー
(オーラルクロマ)
VSC(H2S・CH3SH・(CH3)2S)を
ガス分離・定量分析
★★★★★
※ppm単位で数値化
約10分 5,000〜15,000円 ×(自費)
官能検査
(オルファクトメトリー)
専門トレーニングを受けた
判定員が嗅覚で評価
★★★☆☆
※主観だが臨床実績豊富
約15分 3,000〜8,000円
※歯周病治療中は一部可
唾液・菌数検査 唾液量・pH・細菌コロニー数を測定 ★★★☆☆ 約20分 3,000〜6,000円 ×(自費)
市販チェッカー・キット 半導体センサーや試薬紙で手軽に測定 ★☆☆☆☆
※簡易目安
1〜5分 1,000〜20,000円

「とにかく正確に原因を特定したい」ならガスクロマトグラフィーが最有力。一方、セルフモニタリングなら最新チェッカーも進化しています。検査後は結果に合わせて口臭タイプ別対策法へ進むとスムーズですよ。

検査の流れと所要時間|当日の持ち物チェックリスト

  1. 予約:口臭外来・歯科・耳鼻科などでオンライン or 電話
  2. 問診:生活習慣・既往歴をヒアリング
  3. 検査実施:上表いずれかの方法で測定
  4. 結果説明:数値やグラフを見ながら原因を特定
  5. 対策プラン提案:治療・セルフケア・再検査時期を相談

所要時間はトータル30〜60分が一般的。午前中に受診すればその日のうちに対策に着手できます。

当日の持ち物チェックリスト

  • 保険証・診察券
  • 現在使用中の歯磨き粉・マウスウォッシュ(現物or写真)
  • 服用中の薬リスト
  • 検査費用(現金 or クレジット)
  • メモ帳・スマホ(数値を撮影すると便利)

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費用と保険適用のリアル|初診〜再検査まで

口臭検査は自由診療が基本ですが、歯周病や上咽頭炎など“明確な疾患治療の一環”と認められる場合に限り、官能検査細菌検査が保険対象となるケースがあります。

初診時の概算

  • 初診料:3,000〜4,000円(保険3割負担の場合)
  • 検査料:自費 3,000〜15,000円
  • 合計:おおむね 6,000〜20,000円

再検査タイミングと予算

治療やセルフケアを始めて1〜3 か月後に再検査すると、数値変化が確認しやすいです。再検査料は初回より 10〜30% 割引になる医院も。

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【NG集】検査前日に避けるべき5つの行動

口臭検査前NGチェックリスト

  • にんにく・ニラなど強い香りの食事を摂る:口腔内に残り、数値が過剰に上昇。
  • アルコール摂取:唾液分泌が減り、口腔内が乾燥して数値ブーストの原因に。
  • 喫煙:タールやニコチンで検査値が乱高下。呼気中化合物も影響。
  • コーヒー・お茶など色素・刺激飲料:着色や口内刺激で誤差を招く。
  • 強力なマウスウォッシュや過度な歯磨き:口腔内バランスが崩れ、一時的に数値が低下し過ぎる恐れ。

検査結果の読み方と対策プラン

検査結果は「数値(ppm)」「スコア」「細菌数」など複数の指標で示されます。代表的な基準例と対策のポイントは以下のとおりです。

  • H₂S(硫化水素) ≥110 ppb:舌苔由来の臭いが主。舌苔の取り方完全ガイドを参考に、舌ブラシ+舌磨きジェルで丁寧に除去。
  • CH₃SH(メチルメルカプタン) ≥26 ppb:歯周病や歯肉ポケット臭。歯科医院でスケーリングを受けつつ、歯周病ケア詳細を実践。
  • (CH₃)₂S(ジメチルサルファイド) ≥8 ppb:消化器系トラブルも影響。生活習慣の改善(食事・睡眠)を図り、必要なら内科受診。
  • 官能検査スコア 4~5:専門医による詳細診断が必要。再検査や総合的な口腔内クリーニングを検討。
  • 市販チェッカー 2以上:医療機関での精密検査予約を推奨。

よくある質問(FAQ)

  • 検査前に歯磨きしてもいい?
    検査直前の歯磨きは避け、前夜の通常ケアで済ませましょう。
  • 子どもでも検査できる?
    オーラルクロマは6歳以上から対応。市販チェッカーは全年齢で使用可能。
  • 検査後すぐに食事してもいい?
    結果への影響を避けるため、検査後最低30分は飲食を控えてください。
  • 再検査はいつがベスト?
    セルフケアや治療後、1〜3か月以内に再検査すると変化を把握しやすいです。
  • マスクをしたまま検査できる?
    マスクを外して測定するのが基本です。正確な呼気採取のためご協力を。
著者の一言アドバイス:
検査は“数値化”で目に見えない不安を解消しますが、大切なのは検査の結果を活かすこと。数値に一喜一憂せず、セルフケアと専門治療を組み合わせて続けることで、あなたの息がもっと自信に満ちるはずです。口臭改善の道は、焦らずにコツコツとやることで実を結びます。

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参考文献:

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