歯の黄ばみ(着色)原因と、歯を白くする方法

歯の黄ばみの原因

口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

歯の黄ばみ(着色)の原因を説明する前にこちらをご覧ください。
歯の黄ばみ
歯の黒ずみ

前歯の色調は個人差がありますので、ご自身の歯の色と比べて見てください。
前歯の色

歯医者さんに行って歯のクリーニングを受けると、黄ばみを簡単に解消できる場合がありますが、エナメル質が薄い場合など歯質に問題がある場合は、ホワイトニングが必要になるケースもあります。

ホワイトニングをすると、歯を白くできますが、治療に期間がかかる、費用が高い、痛みがある、など多くのデメリットがあります。

もし、歯の黄ばみを取るだけが目的でしたら、今からご紹介する歯磨き方法によって可能かもしれません。

今回の記事は、歯が着色する原因と、黄ばみ・黒ずみの落とし方についてお伝えします。ぜひご参考にしてください。

関連記事:市販のホワイトニング歯磨き粉に歯を白くする効果はありますか?

歯の黄ばみ(着色)の原因

歯が黄色くなるといっても、歯磨き不足が原因とは限りません。歯が黄色くなる原因は人によって様々です。ご自身の歯が黄色くなった原因を知ることで、歯を白くすることが容易になると思います。

色素の濃い食べ物や飲料で歯が黄色くなる

色の濃い食べ物や飲料をよく摂ると、色素(ステイン)が歯に付き黄色くなります。歯が黄ばみやすい飲み物には、コーヒー、紅茶、ウーロン茶、赤ワイン、コーラ、ココアがあります。カレーやケチャップも着色しやすい食べ物です。他にも、合成着色料の入った食べ物も色素が強いので摂り過ぎにはご注意ください。

歯磨き不足で歯が黄色く(黒く)なる

毎日歯磨きをしていても、磨き残しがあると歯垢(プラーク)が歯石になります。歯石の色は、初め白色から黄色なのですが、歯石に着色(ステイン)が付き徐々に黒くなっていきます。

加齢で歯が黄色くなる

歯の上部は、黄色い象牙質と透明色のエナメル質からできています。ですから、自然の歯は元々、真っ白い歯ではなく少し黄色が透けて見えているのが普通です。

ところが、加齢とともにエナメル質の層が薄くなると、内側の黄色い象牙質の色がより透けて見えることに。このことが、最も多い「歯が黄色くなる」理由です。

歯磨きのし過ぎで歯が黄色くなる

加齢の場合と同じですが、歯磨きをし過ぎるとエナメル質が削れて薄くなります。エナメル質が薄くなると象牙質が透けて見え、歯全体が黄色く見えるようになります。

歯磨きのし過ぎで注意しないといけないのは、研磨剤の入った歯磨き剤と固い毛先の歯ブラシを一緒に使うことです。もちろん、正しい磨き方も大事ですが、歯磨き粉を使わなければ、歯が削れることはほとんどありません。

歯磨きをし過ぎないようにするためにも、歯ブラシに歯磨き剤を付けるときには、マッチの頭程度にすることをおすすめします。

虫歯になり歯が黒くなる

虫歯になると虫歯になった部分が黒くなります。虫歯を放置すると、虫歯が進行し黒い部分も大きくなるので、早目に治療を受けることが大事です。

詰め物を入れると歯が黒くなる

初期の虫歯を治療した部分には、詰め物をします。詰め物がコンポジットレジンなどの樹脂の場合には、古くなると黄色や茶色になるがあります。詰め物が金属(保険適用)の場合でも、初めのうちはキレイに光っているかもしれませんが、年数が経つと金属が腐食をし、金属に接触している部分の歯が黒ずんできます。

歯が黒ずまないようにするには、銀合金やパラジウム合金ではなく、ゴールドや白金などの貴金属かセラミックにする必要があります。

神経を抜くと歯が黒くなる

虫歯が進行し歯髄が腐ってしまうと、神経を抜くことになります。歯髄を取ってしまうと、歯が黒っぽく見えるので、前歯で抜髄した場合には、歯の表側にセラミック歯を張り付けたり、セラミック前装冠にすることが多いです。

保険適用の場合には、セラミックの代わりに硬質レジンという樹脂を用いますが、透明感に乏しく自然歯に見えにくいかもしれません。

ドライマウスが着色の原因

口呼吸や唾液の分泌量が少ない人の場合には、口腔が乾燥します。ドライマウス(口腔乾燥)の人は、歯が乾くので、着色(ステイン)が付きやすくなります。

唾液が少ないと、歯の脱灰化が進みやすくなるので歯に傷がつきザラザラ面になります。このことが、着色しやすくします。ですから、ドライマウス(口腔乾燥)を改善することが重要です。ドライマウス(口腔乾燥)対策については、こちらの記事『歯磨きしても口がネバネバする原因!唾液の粘つき改善方法はこれ!』をご参考にしてください。

薬品の使用による着色

うがい薬や抗生剤の種類によっては、色素の濃い成分が入っているものがあります。現在、色の濃いうがい薬を使用していたら、着色するかもしれないので、うがいの後は水でよく洗浄するようにしてください。

着色しやすい歯

歯の表面はエナメル質でできていますが、このエナメル質の硬度はモース硬度で表すと「硬度7」。ちなみに、鉄や真珠は硬度4、ガラスが硬度5、オパールが硬度6なので、それよりも硬いのです。

そして、歯よりも硬いものといえば、エメラルド、ルビー、ダイヤモンド。エナメル質がどれだけ硬いのかお分かりいただけましたか?

硬くてツルツルした状態であれば、たとえ茶渋などの汚れが着いても、ブラッシングをすれば簡単に取れるはずです。タバコのヤニだって同じように取れるはずです。

ところが、茶渋やヤニが取れなくなる理由が起きるのです。それは…。

歯は食事の度に、脱灰といってカルシウムイオンやリンイオンとなって歯から抜け出ます。唾液に溶け込んでいるそれらのイオンが、時間とともに再び歯に戻ります。これを再石灰化といいます。

毎回、食事の度に起きているこの脱灰と再石灰化のバランスが崩れると、徐々にエナメル質が溶けザラザラした歯面になります。

ザラザラした歯面に茶渋やヤニが着くと、ブラッシングで落とすことが困難になります。

だからといって、研磨剤入りの歯磨き粉を使用して歯をゴシゴシと磨くと、傷が付き悪循環になります。これが、歯にシミやヤニが着く理由で一番多いものです。

歯が黒ずむ原因

歯の根付近や歯の裏面で黒くなっているのが、ステイン(着色汚れ)です。歯の裏には着色汚れが良く付きます。

このように、歯の黄ばみではなく「黒ずみ」ができる場合があります。歯に黒い墨がついたような状態です。歯が黒ずむと黄ばみよりも見た目が悪くなりますよね。この黒ずみの原因は何だと思いますか?

歯が黒ずむといっても、人によって原因が違います。

【歯の黒ずみの原因】
1、 ステイン(歯の黄ばみ・くすみなどの着色よごれ)
2、 たばこのヤニ
3、 虫歯、虫歯治療、歯石、詰め物の劣化
4、 歯の神経が神経が死んでしまったり、抜髄によって歯が黒くなる
5、 抗生物質の副作用

…など歯が黒くなる原因は様々ですが、今回は、着色汚れとたばこのヤニについてご説明します。

歯に着色汚れが付くのは…

コーヒー・紅茶・ワイン・カレー・トマトソースなど着色力が強い色素成分を含む飲食物を習慣的に摂取することで、歯の表面に着色が起こり黒ずむことが多いです。

しかし、その中でも黒ずむ原因で多いのは、喫煙によるものです。

コーヒーとタバコの両方が好きな人が多いのですが、コーヒーを飲みながら喫煙をすると、余計に歯が黒ずむのでご注意ください。

喫煙者の場合は、予防として、黒ずむ前にホワイトニング効果のある歯磨き粉を使った方が良いでしょうね。だからといって、ホワイトニング歯磨き剤では歯自体を白くすることができるわけではないので誤解しないでください。市販の歯磨き粉よりもホワイトニング歯磨き剤のほうが、着色汚れをよく落とせるということです。

市販のホワイトニング歯磨き粉で歯を白くすることはできません。ただし、歯磨き不足によって黄ばみが付いている汚れは取ることができます。ホワイトニング歯磨き粉でなくても、市販の歯磨き粉には、研磨剤が含まれている。だから、多少の汚れはブラッシングで落とすことができます。

歯の黄ばみの取り方

歯の黄ばみを取る方法には、この三つが一般的です。

1,歯科でホワイトニング
2,お家でホワイトニング
3,ホワイトニング歯磨き粉で黄ばみを取る

軽度の黄ばみ程度であれば、市販の歯磨き粉とを用いて、硬めの歯ブラシでしっかりとブラッシングすれば歯に着いている汚れを落とすことができます。

普段から丁寧はブラッシングを心掛けることで、歯の黄ばみを予防することができます。

関連記事:・正しい歯磨き方法と効果的な歯磨きの仕方の違いとは

差し歯の黄ばみが取れない

差し歯がコンポジットレジンで作られた歯であれば、黄ばみを取ることができません。歯に付いた汚れはクリーニングやブラッシングで取り除くことができますが、レジン自体の変色の場合は白くすることは不可能です。

年数が経つとコンポジットレジンは変色するので、差し歯を作り変えるか、セラミック歯にすることが望ましいです。

まとめ

歯が黄ばみやすいのは、先天的にエナメル質が薄い場合もありますが、食習慣によって脱灰化が進んでいることがあります。エナメル質が薄いとか、歯の中まで汚れている場合には、歯科医院のオフィスホワイトニングを受けると効果があります。

また、喫煙によるヤニやコーヒーなどの着色汚れの場合は、研磨剤が多く含まれているホワイトニング歯磨き剤でブラッシングすることで着色を落とすことができます。しかし、大切なことは歯に着色しないようにすること。そのために行ってほしいのは、歯科医院での定期健診です。

歯科医院の定期健診に行くと、PMTC(歯石除去、クリーニング)によって歯がつるつるになるので、歯の汚れが着きにくくなります。

その後は、美息美人でしっかり歯磨きをして汚れを落とす。そして、アルカリの美息美人でうがいを行い酸蝕(脱灰化)を予防することも大切なことです。

歯科医院でクリーニングしても黄ばみなど着色が著しいときには、ホワイトニングをしてもらうといいかもしれません。

SNSでもご購読できます。