
口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。
口臭が気になっていましたら、普段食べている食事を見直す必要があります。なぜなら、口臭を悪化させる食べ物と、口臭予防に効果が期待できる食べ物があるからです。
今回の記事は、口臭に良い食べ物と悪い食べ物をご紹介します。是非ご参考にしてください。
この記事の目次
口臭に効く食べ物
酸っぱい梅干しやレモン
口臭を消す食べ物といえば、梅干しやレモンが有名です。これは、すっぱいものを食べれば唾液が多量に出ることから、口臭予防になるだろうといわれています。
しかし、梅干しやレモンを食べた程度では、口臭を消すことは困難です。
緑茶
緑茶を飲んだりうがいを行うと口臭予防になるということで流行した時期がありました。緑茶のポリフェノール成分に殺菌作用があるので、口臭菌も除菌できるだろうという期待なのでしょう。しかし、緑茶を1杯飲んだくらいでは、口臭は消えません。飲まないよりは、多少は良いという程度です。
飲むよりも、緑茶でうがいを行うことは、口臭予防効果が高いです。ですが、緑茶よりもうがい薬を使用するほうが効果は期待できます。
牛乳
口臭を消すといわれている食べ物に、牛乳があります。しかし、牛乳が口臭効果を発揮するのは、ニンニク料理や飲酒の前に飲んだ時だけです。
舌苔(ぜったい)ができている場合に牛乳を飲むと、舌が真っ白になり口臭もひどくなるので、ご注意ください。
舌苔(ぜったい)について詳しくは、『舌が白い人と白くない人5つの違い!舌苔ができる原因・取り方・予防』をご参考にしてください。
口臭を予防する食べ物
口臭を防ぐことができる、そんな夢のような栄養素「トリプトファン」が含まれる食べ物をご紹介します。
- バナナ
- 緑黄色野菜
- 赤身肉
- チーズ
- パイナップル
- アボガド
- 大豆
- カボチャの種
これらの食べ物を多く摂取するだけで、口臭も解決するかもしれないというのは早合点です。
じつは、トリプトファンだけではセレトニンは作ることができません。セレトニンを作るには、この他にビタミンB6が必要になります。
ビタミンB6は、鶏肉や豚肉に多く含まれています。これら動物性たんぱくと先ほどの果物や野菜をバランス良く摂取することが重要です。
口臭に悪影響を与える食べ物と予防になる食べ物について詳しくは、『口臭を激化させる食べ物!口臭予防になる食べ物・飲み物とは!』をご参考にしてください。
舌苔は口臭原因になるので、パイナップルやキウイなどを食べると口臭予防が期待できます。
口臭予防になるカルシウム・ビタミンC
口臭はストレスから起きることが多いのですが、口臭になると、多くの心配や恐怖に襲われます。それがストレスになるので、よけいに口臭も悪化します。口臭悪化のスパイラルです。
そのスパイラルを断ち切るためには、ストレスを解消することが大事です。
ストレスは脳で感じるのですが、その時、「カルシウム」と「ビタミンC」が多量に消費されます。一般的に怒りっぽい人に「カルシウムが足らないよ。」と言うのはそういう理由からです。
カルシウムやビタミンCが不足すると、よけいにストレスもたまります。これらを摂ったからといってストレスが無くなるわけではありませんが、脳の栄養が不足すると精神が不安定になるので避けないといけません。
カルシウムは、牛乳またはヨーグルトに沢山含まれているので、毎日の食事メニューに入れることをお勧めします。
ビタミンCは、精神不安を抑えるホルモンの分泌を促す効果があります。ビタミンCが多いのは果物です。
ビタミンCが多いのは、キウイ・レモン・いちご・ゆず・みかんなどです。
口臭を悪化させる食べ物
臭いの強いニンニクとニラ
口臭の原因になる食べ物といえば、代表的なのはにんにく。にんにくを使う焼き肉やスパゲティを食べた後は、翌日まで臭います。
にんにくと同じように、ニラ、らっきょう、納豆なども食後に息が臭くなります。これらは、食べ物自体にニオイ成分があるため息も臭うのですが、食べ物自体にニオイ成分が含まれていないものでも、口臭原因になるものがあります。
口臭菌のエサとなる乳製品
それは、牛乳やチーズなどの乳製品、肉類などの脂質。これらに含まれるたんぱく質は、口臭菌のえさとなります。そのため、口臭がある人がたんぱく質の多い食事をとると、口臭菌が増え舌苔や歯周病を悪化させます。
それに、口臭菌がたんぱく質を分解するので腐敗臭を発生します。それが口臭です。
その他、お菓子などに含まれる糖も、間接的に口臭に影響を及ぼします。砂糖を食べると、口腔が酸性になります。口臭菌はアルカリを嫌いますが、酸性になると活発になります。そのため、糖が含まれるお菓子などを多くとっていると、口臭も出やすくなるので注意しないといけません。
アルコール
忘年会などが重なると、お酒を飲みすぎたり食べすぎによって胃もたれを起こすことがあります。そのような翌日は、決まって口臭が強くなります。
口臭がするのは、お酒を飲んだからだけではありません。実は、暴飲暴食で胃腸が弱ると舌が白くなるからです。詳しくは、『胃腸が弱ると舌が白くなる!口臭がする!対策はこれ!』をご参考にしてください。
舌は胃腸の延長です。そのため、胃腸が弱ると舌の乳頭(粘膜)が長く伸び角化を起こすといわれています。角化した舌に細菌が繁殖するため、口臭がするようになります。
ところが、口臭はそれだけではありません。アルコールの臭いや胃腸の腐敗臭が混じることで、さらに悪臭になります。ですから、食べすぎ・飲みすぎの翌日は口臭にご注意ください。
コーヒー
コーヒーのカフェインは、交感神経の働きを高める作用があり、唾液をネバネバにしてしまうため、口臭を発生しやすくします。
それだけではありません。コーヒーは利尿作用も強いため、口臭予防するためにはあまりお勧めできない飲み物です。
砂糖
砂糖は口内を酸性にするため、口臭原因になります。そのため、甘いお菓子などは良くありませんが、スナック菓子やファーストフードも良くありません。スナック菓子やファーストフードには、塩分と脂肪分が多く入って栄養が偏るからです。栄養不足によってイライラとすることが多くなり、口臭を悪化させていたかもしれません。
まとめ
口臭を消す食べ物があればいいのですが、中々、そのような都合のいい食べ物はありません。
たとえば、お酒を飲むとか焼き肉料理を食べる前に牛乳を飲むと、口臭を抑える効果があります。その他にも、牛乳にはカルシウムが多く含まれるので、リラックス効果もあり口臭対策になります。
だからといって、現在、口臭が気になっている人が牛乳を飲むとどうなると思いますか?
口臭で困っている人の多くは、舌苔ができています。舌苔に牛乳のたんぱく質が付着すると、口臭菌が活発になりいっぺんに口臭が発生してしまいます。
ですので、牛乳だけではなく、食べ物には一長一短があります。その人の状態に応じて使うといいかもしれませんね。