口臭予防

口臭対策の決定版!正しい歯磨き方法で毎日を爽やかに

口臭を防ぐ歯磨きのコツ

口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

口臭は多くの人が抱える悩みの一つであり、その原因の多くは口内環境にあります。正しい歯磨き方法を身につけることは、口臭予防の第一歩と言えるでしょう。歯磨き粉の適量使用から始まり、磨く順番や歯ブラシの選び方に至るまで、小さなコツが大きな違いを生み出します。

歯と歯茎の境目や歯間など、特に汚れが溜まりやすい部分を重点的に磨くことが重要です。また、歯磨きの際の力加減もポイントの一つで、あまりに強く磨きすぎると歯茎を傷つけてしまう可能性があります。

定期的な歯ブラシの交換やデンタルフロス、歯間ブラシなどのオーラルケア用品の使用も忘れてはならない要素です。これらの習慣を日常に取り入れることで、口臭のリスクを減らし、常に清潔な口内環境を保つことができます。毎日の小さな積み重ねが、口臭を防ぐための大きな力となります。

この記事は、現役歯科衛生士の上林ミヤコが監修しています。

なぜ正しい歯磨きが口臭予防に効果的なのか

口臭の一般的な原因

口臭の主な原因は、口内に存在する細菌によるものです。これらの細菌は食べ物の残りかすや死んだ細胞を分解する際に、悪臭を放つガスを発生させます。特に、歯と歯ぐきの間や舌の表面など、清掃が難しい部位は細菌が繁殖しやすく、口臭の温床になりがちです。

正しい歯磨きの役割

正しい歯磨きは、これらの細菌の繁殖を抑え、口臭の原因となる歯垢や食べかすを除去することに直接貢献します。適切な歯磨き粉の使用と磨き方により、歯と歯ぐきの境目や舌の表面など、細菌が繁殖しやすい箇所を効果的に清掃することができます​​​​。

また、歯磨き時の力加減に気をつけることで、歯茎を傷つけずに済み、歯茎の健康を保つことも口臭予防には重要です​​。

さらに、定期的なデンタルフロスや歯間ブラシの使用は、歯ブラシだけでは届きにくい部位の清掃に役立ち、口臭予防に不可欠な役割を果たします​​。これらの日常的なオーラルケア習慣が、口内環境を健康に保ち、口臭を予防するための基盤となります。

正しい歯磨きの基本ステップ

正しい歯磨き粉の使用量

正しい歯磨きの出発点は、適切な歯磨き粉の量を使用することです。推奨される量は、歯ブラシの毛の長さの1/2から2/3程度、約1cmの歯磨き粉です​​。過剰な歯磨き粉の使用は必要なく、この量で十分に口内を清潔に保つことができます。

効果的な磨き方と順番

効果的な歯磨きには、磨く順序と方法が重要です。磨く順番に厳格なルールはありませんが、一般的には歯の外側を磨いた後に内側、そして奥歯から前歯へと進むと良いでしょう​​。また、歯ブラシを45度の角度で歯と歯茎の境目に当て、小刻みに動かしながら磨くことが推奨されます​​。この方法により、歯茎を傷つけずに歯垢を効果的に除去することができます。

歯を磨く力加減も重要で、強すぎる圧力は歯茎を傷つける原因となります。ペンを持つように軽い力で歯ブラシを握り、ブラシの毛先が軽くしなる程度の力で磨くことが望ましいです​​。また、歯間や歯と歯茎の境目など、細菌が繁殖しやすい場所を重点的に磨くことが口臭予防には効果的です​​​​。

これらのステップを踏むことで、効率的かつ効果的に歯磨きを行い、口臭のリスクを減らすことができます。

よくある歯磨きの間違いとその修正

間違いの例とその影響

歯磨きにおける一般的な間違いは、力を入れすぎて磨くことです。これは歯や歯茎を傷つけ、歯茎の後退や感染症のリスクを高める可能性があります​​。また、磨き残しも一般的な問題で、特に歯の内側や奥歯の磨き残しが口臭の原因となります。これらの間違いは、不適切な歯ブラシの選択や磨き方に起因することが多いです。

正しいブラッシングテクニック

正しいブラッシングテクニックには、適切な力加減と歯ブラシの角度が重要です。歯ブラシは軽い手で持ち、ペンを持つような感覚でブラシの毛先が軽くしなる程度の力で磨きます​​。歯ブラシを45度の角度で歯と歯茎の境目に当て、小刻みに動かしながら磨くことが効果的です。この方法では、歯茎を保護しつつ歯垢を効率良く除去することができます。

磨き残しを防ぐためには、磨く順序を決めておくことが有効です。外側から内側、そして奥歯から前歯へと進む順番で磨くと、磨き残しを減らすことができます​​。また、定期的に歯ブラシを交換することも重要で、使用によって摩耗したブラシは効果的な清掃ができなくなります。一般的には、2~3ヶ月ごとの交換が推奨されます。

これらの修正を行うことで、より効果的な歯磨きが可能となり、口臭予防に大きく寄与します。

歯磨き以外のオーラルケアの重要性

デンタルフロスの正しい使い方

デンタルフロスの使用は、歯ブラシだけでは届かない歯間の清掃に不可欠です。正しい使用法は、フロスを約18インチ(約45センチメートル)の長さに切り、中指に巻きつけることから始めます。その後、フロスを歯間に優しく挿入し、Cの形を作るように歯に沿わせて、上下に動かして歯垢を取り除きます​​。このプロセスを全ての歯間に対して繰り返し、特に食べ物の残りが挟まりやすい箇所に注意を払いましょう。

歯間ブラシの選び方と使用方法

歯間ブラシは、歯間のサイズに合わせて選ぶ必要があります。小さすぎると十分な清掃ができず、大きすぎると歯茎を傷つける恐れがあります。適切なサイズを見つけたら、ブラシを歯間に優しく挿入し、数回前後に動かして汚れをかき出します​​。歯間ブラシは、特に歯間の隙間が広い場合やブリッジ、矯正器具を使用している場合に有効です。

また、フッ素配合歯磨き剤を使うなど、歯磨き以外のオーラルケア手段を取り入れることで、口内の清潔を保ち、口臭や歯周病のリスクを大幅に減らすことができます。定期的なデンタルフロスと歯間ブラシの使用は、日々の歯磨きルーチンの中で欠かせない習慣となるでしょう。

口臭を防ぐ生活習慣のヒント

食生活と水分摂取

食生活は口臭に大きく影響します。特定の食品、特ににんにくやタマネギなどは、消化後も体内で分解され、呼吸と共に口臭の原因となる化合物を放出します。これらの食品を摂取する際は、その後の口臭を抑えるために、十分な水分摂取や口内の清潔を保つことが重要です。また、繊維質の高い食品は唾液の分泌を促し、口内を自然に清潔に保つのに役立ちます。

水分摂取も口臭予防には欠かせません。水を十分に飲むことは、口内を潤し、細菌の繁殖を抑える助けになります。特に、朝起きた時や食後は、水を飲むことで口内をリフレッシュできます。

喫煙の影響と口臭

喫煙は口臭の大きな原因の一つです。タバコに含まれるニコチンやタールなどの化学物質は、口内に残り、不快な臭いを引き起こします。さらに、喫煙は唾液の分泌を減少させ、口の乾燥を招くことで、細菌が繁殖しやすい環境を作り出します。喫煙を控えることは、口臭を防ぐ上で非常に効果的な方法です。タバコをやめることで、口内環境は徐々に改善し、口臭のリスクも低減します。

これらの生活習慣の改善により、口臭を防ぐだけでなく、全体的な健康状態の向上にも繋がります。バランスの取れた食生活、十分な水分摂取、そして喫煙の減少は、口臭予防のための重要なステップです。

よくある質問(FAQ)

歯磨きの頻度について

歯磨きの頻度は、一日に少なくとも2回、朝と就寝前が推奨されます。この頻度で歯磨きを行うことで、日中に蓄積された歯垢を効果的に取り除き、口臭や歯周病のリスクを低減できます。また、食後に歯を磨くことも良い習慣ですが、特に酸性の食品を摂取した後は、歯のエナメル質を保護するために30分ほど待ってから磨くことが推奨されます。

電動歯ブラシと手動歯ブラシの比較

電動歯ブラシと手動歯ブラシのどちらも効果的に歯垢を除去することができますが、電動歯ブラシは特に正しいブラッシング技術を身につけるのが難しい人や、矯正装置を使用している人、歯周病のリスクが高い人におすすめされます。

電動歯ブラシは一定の圧力と速度で動作するため、適切なブラッシングを行いやすく、特に奥歯など手動歯ブラシでは磨きにくい部分の清掃が容易です。しかし、最終的には個々の好みやニーズに合わせて選択することが重要です。適切な磨き方と頻度を守れば、どちらの歯ブラシも良い結果をもたらすことができます。

結論:口臭予防のための日々の習慣

口臭予防は、日々のオーラルケア習慣によって大きく改善できます。正しい歯磨き技術の実践は基本中の基本であり、毎日少なくとも2回、朝と就寝前に行うことが重要です​​​​。適切な歯磨き粉の使用量と、歯と歯茎の境目を含むすべての面を丁寧に磨くことが、効果的な口臭予防につながります。

また、デンタルフロスや歯間ブラシを使用することで、歯ブラシだけでは届かない部分の清掃を確実に行い、歯垢と食べ物の残りを除去することができます​​。これらの習慣は、口内環境を健康に保ち、口臭の原因となる細菌の繁殖を抑制するのに役立ちます。

生活習慣の見直しも、口臭予防には不可欠です。バランスの取れた食生活、十分な水分摂取、そして喫煙の避けることが、健康な口内環境を維持するために重要です。これらの習慣は、単に口臭を防ぐだけでなく、全体的な健康とウェルビーイングにも寄与します。

最後に、定期的な歯科検診を受けることで、潜在的な口内問題を早期に発見し、適切な治療を受けることができます。これらの日々の習慣と定期的な専門家によるケアが組み合わさることで、口臭を効果的に予防し、自信を持って明るい笑顔を保つことができるでしょう。

・関連:アルカリイオン水の秘密:口臭予防のメカニズムと正しいうがい手順を徹底解説!

歯磨きで取れない口臭がアルカリイオン水のうがいでスッキリ

参考文献・資料:

外部リンク推奨:

  1. 日本歯科医師会のオーラルケアガイド – 日本歯科医師会
  2. 歯科衛生士による歯磨き指導のビデオ – YouTube
  3. 歯間ブラシの使い方 -YouTube
  4. フッ素配合歯磨き剤の効果についての研究記事

舌の汚れの取り方はコットンで拭くだけ

コットン(綿花)で舌苔を取る方法

舌の汚れの正体は舌苔です。そして、口臭の6割が舌苔(ぜったい)から発生するといわれています。舌の表面には、食べかすや細胞の死がいが溜まりやすく、たんぱく汚れを餌にする嫌気性菌が集まって白い塊「舌苔」ができます。

出典:テーマパーク8020 日本歯科医師会

口臭を改善するためには、この舌苔を取り除く必要があります。そのため、舌ブラシや歯ブラシを使って舌磨きをしている方が多いのではないでしょうか?

しかし、良かれと思った舌磨きによって、舌苔が慢性化していることがあります。舌苔が悪化する理由は、過剰な舌磨きと、傷ついた舌に歯磨き粉の界面活性剤が付着するからです。

もし、舌苔が慢性化しているのでしたら、コットン(綿花)で拭く「舌苔の取り方」をご参考にされてはいかがでしょう。

口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)上林登が書きました。

舌の汚れは舌苔

舌の汚れ(舌苔:ぜったい)は、脱落細胞、唾液、細菌、食べ物の残りかす、白血球などが混ざり合って形成される堆積物です。また、舌苔の形成には口腔内の微生物活動が大きく関わっているため、口臭の原因になります。口臭を改善するためには、舌の汚れを取り除くことが重要です。

舌の汚れ(舌苔)の正体について、以下の学術論文からの情報が参考になります。

  1. 舌苔の一般的特徴: Seerangaiyanら(2018年)によると、舌苔は舌に形成される灰白色の堆積物で、口内の悪臭(口内ハロイトーシス)の主な原因です。舌苔の形成に影響を与える要因やその一般的な特徴について説明されています。揮発性硫黄化合物(VSC)が口内ハロイトーシスの主要成分であり、舌苔と歯周疾患がVSCの二大源泉であるとされています(Seerangaiyan et al., 2018)。

  2. 舌苔の微生物組成: Li Xian(2014年)の研究によると、舌苔は、舌の表面に堆積する脱落細胞、唾液、細菌、食べ物の残りかす、白血球などで構成されています。舌の微生態系の変化は、舌苔の形成と変化に影響を与える重要な要因です(Li Xian, 2014)。

舌の汚れが増える原因

舌の汚れ(舌苔)は高齢者にできやすいのですが、どうしてだと思いますか?その理由は、唾液の分泌が少ないことです。唾液量が減ると、口内が乾燥し細菌が増えるからです。

特に、介護者に舌苔ができやすいのは、十分に口腔ケアができないからです。口内が不清潔になると細菌が増殖し、舌苔の原因になります。

この他にも、降圧剤や安定剤などのお薬を服用していると、副作用によって唾液量が減少することがあります。

また、年齢が若い人でも、ストレスが多いなどで自律神経が乱れると、舌苔ができやすく、また治りにくくなります。

暴飲暴食や疲労でも、舌苔ができて舌は白くなりますが、この場合は一時的ですのでご心配ありません。舌苔の原因について詳しくは、こちらをご参考にしてください。

> 舌が白い!舌苔の原因と取り除き方

舌の汚れが取れない場合は舌磨きを中止する

舌の汚れ(舌苔)が増えると口臭も強くなっていきます。口臭を防ぐには、ブラシなどを使って舌苔を除去すると効果的です。しかし、毎日、舌磨きをしているにもかかわらず、白くなった舌がきれいにならない場合は、舌磨きを中止してください。

舌磨きをしても、白くなった舌が元に戻らない時は、舌乳頭が傷ついている可能性が高いです。傷ついた舌乳頭に、刺激の強い歯磨き粉が付くと、さらに舌苔を悪化させるのでご注意ください。

> 舌磨きはしないほうがいい!?舌磨きのメリット・デメリットと正しい舌ケアの方法を解説

舌磨きが習慣になっている場合は、舌磨きをやめることに躊躇するかもしれませんが、1~2週間舌磨きを中止して様子をみましょう。

コットンを舌磨きに使用するメリット

コットンは綿繊維の先端が丸みをおびているため、舌乳頭に触れたときに柔らかくやさしく、安心して使用できます。

また、コットン(綿花)の生地が舌の汚れをくっ付けて取りやすいのがメリットです。

コットンで拭く舌苔の取り方

・準備するもの…歯磨き粉「美息美人」、コットン(綿花)

【舌ケアの手順】

1、歯磨き粉「美息美人」でアルカリイオン水をつくる。
コップに美息美人のボトルを一振りして、水を入れてまぜる。
2、コップのアルカリイオン水を口に含み、うがいを行う。(5秒×3回)
3、コットン(綿花)にアルカリイオン水を浸し、舌表面を拭く。
4、コットンの拭き方は、舌の奥から前方に向けて、優しく舌苔に塗るように拭く。
5、仕上げは、水を口に含み、軽くくちゅくちゅとうがいをして吐き出す。

コットン(綿花)による舌苔の取り方は以上ですが、朝と就寝前の2回行うと効果的です。

綿棒

綿棒を使った舌苔の取り方も、コットンの場合と同じようにアルカリイオン水(または重曹水)を使用して行ないます。

以下のステップで行います。

  1. 綿棒を水で軽く濡らし、舌の表面を優しく拭きます。
  2. 舌の奥から手前に向かって、凹凸を意識しながら拭き残しがないようにします。
  3. 白い舌苔に対して、綿棒で強くこするのではなく、軽く拭くことが重要です。
  4. 舌を傷つけないよう、綿棒を使って力を入れずに拭くことを心がけましょう。
  5. 力を入れずに優しく拭くことで、舌の汚れを効果的に取り除きます。

舌汚れの除去効果を高めるために

先ほどもお伝えしたように、舌苔は唾液減少が影響するなど、じつに厄介です。ですから、コットン(綿花)法を行っただけでは、中々効果が表れにくいかもしれません。

その場合は、唾液がよく出るように、口と舌の体操や、こまめに水分摂取をすることが効果的です。ただし、コーヒーには利尿作用があるため逆効果になるのでご注意ください。

唾液の分泌を増やす方法は、こちらをご参考にしてください。

自宅でできるドライマウス対策

まとめ

舌の汚れの元、舌苔の取り方は、「コットンで拭く方法」以外にもいくつかあります。一般的なのは、専用の舌ブラシで舌を磨く方法ですが、たとえ専用ブラシであっても、磨きすぎないように注意してください。

舌磨きにスプーンを使用する方法もありますが、スプーンの縁を使うと舌を傷つけます。だからといってスプーンの裏面を使うと、舌をなぜるだけで舌苔を取ることは難しいです。

また、ティッシュペーパーで舌を拭くと、舌苔が取れそうに思いますが、実際ティッシュペーパーで舌をこすってみると、舌苔が乾き、よけいに舌が汚く見えるようになります。

厚く舌苔ができている場合には、「アルカリイオン水を使いコットンで拭く方法」か、「指で舌ジェルを塗り込む方法」がおすすめです。是非お試しください。