鼻を触る心理と対策
対面での会話中に相手が鼻を触ると、不意に心に浮かぶ疑問「もしかして、私の口臭が原因?」。この瞬間、多くの人が口臭に対する深い不安を抱え込んでしまいます。しかし、相手のこの小さな仕草が必ずしもあなたの口臭を指しているわけではないことをご存知でしょうか?
私たちの身体言語は、多くの場合、内面の心理状態や感情を反映しています。そして、「鼻を触る」という行為は、口臭への直接的な反応とは限らず、さまざまな心理的要因によって引き起こされることがあります。では、なぜ人は鼻を触るのでしょうか?この仕草にはどのような意味が込められているのでしょうか?
この記事では、鼻を触る行為が持つ心理的背景を探り、口臭が引き起こすコミュニケーション上の課題についても深く掘り下げていきます。あなたがもし「鼻を触る 心理」というキーワードに関心を持っているなら、この先の内容があなたの疑問に答え、口臭に関する不安から解放されるきっかけとなるでしょう。
相手の小さな仕草一つから、私たちの心理やコミュニケーションの奥深さを探る旅に、あなたも一緒に出かけてみませんか?読み進めるうちに、あなた自身の口臭への懸念だけでなく、人間関係やコミュニケーションのスキルについても新たな発見があるかもしれません。
自己臭妄想とは,「自分の体から人を不快にさせる嫌な臭いが発散している」との妄想的確信である
引用:自己臭妄想症、精神医学 53巻9号 (2011年9月発行)
この記事は、口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の上林登が書きました。
関連記事:本当に臭いのに、他人からは「気にし過ぎ」と言われる!自臭症とは
口臭が気になった時-体験談
私が一時期、口臭に非常に悩んでいた時期があります。その原因の一つは、周囲の人々が見せる微妙な仕草や行動にありました。特に「会話中に相手の人の手が鼻を触る」という行為があると、自分に自信を失うことにもつながります。以下に、私が経験した具体的な状況を紹介します。
私は一時期、口臭に非常に悩んでいました。その原因となったのは、周囲の「口が臭い人にとる行動」でした。以下に具体的な状況を5つ挙げます。
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会話中に鼻を触る行為:友人との会話中、彼がことあるごとに鼻を触っているのを見かけました。最初は気にしなかったのですが、これが頻繁になると疑念が浮かびました。
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通りすがりの人の反応:歩いていると、すれ違う人が何か不快な顔をしているのに気づくことがありました。「臭い」とはっきり言われたわけではありませんが、そのように感じさせる表情や仕草が、私の不安をさらに煽りました。
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同じ室内の他人に咳払いをされた:仕事中のミーティングで、何度も同じ同僚が咳払いをするのを見かけました。特に私が話すときにそれが増えるので、自分の口臭が原因ではないかと感じました。
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他人の鼻をすする行為:カフェで友人とおしゃべりしている時、向かいの席の人が何度も鼻をすする仕草をしました。場所を変えることで、私の口臭が原因だったのか確認しました。
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ひそひそ話:友人たちがひそひそと話しているのを耳にしました。その後、正面から口臭を指摘されることはなかったものの、気になる出来事でした。
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車内の窓を開けられた:友人とドライブ中、何の前触れもなく車内の窓を開けられました。後に、彼から口臭を指摘され、その日から口臭ケアを強化しました。
これらの出来事は私の口臭を再確認するきっかけとなりました。私たちの日常の中で、人々の微妙な仕草や反応には、意味が隠されていることが多いのです。
この体験談にあるようなケースの「原因の可能性」と「解決策」はこちらの記事が参考になります ↓
知らなきゃ損!口臭が治らない本当の理由と正しいケア方法
相手が鼻を触るのは臭いから:思い込み
会話中に相手の人が鼻を触ると「自分の息が臭いからかも。」と不安になるかもしれません。しかし、それは、あなたの心理状態が悪いために起きた、思い込みかもしれません。
会話中に相手の人が鼻を触る主な原因は3つあります。
一つは、「私の息、くさいかもしれない」「あなたに迷惑をかけてはいけない」と鼻を押さえたのでしょう。このように、鼻を触る行為は「自分の息がくさかったら恥ずかしい」が一番多いのです。
2つ目は、シンプルにあなたの口臭が息いから鼻を押さえたのかも。
そして、3つ目は、「鼻を触る癖」があるからです。癖ですから、鼻を触るのをやめたくてもやめられない人がいます。
だから、会話中に相手の人の手が鼻に触れたとしても、本当の理由は分からないのです。
ところが、口臭で悩む人は、周囲の反応を気にしすぎます。このように言うと、「だって、口臭がしています!」とお叱りを受けるでしょう。
でも、たいていは間違えています。それは、嗅覚は、同じにおいに慣れると麻痺して分からなくなるからです。不安から感覚が敏感になると、微量の臭いでも「ひどい臭いだ」と感じるのです。
そのようなことにならないためには、口臭チェッカーを用いて口臭をチェックされることをおすすめします。客観的に臭いを知ることで、過剰に反応することが減ると思います。
>>口臭チェッカーあてにならない!正しい使い方は?
人が鼻を触る理由を考えたことがあるでしょうか。目の前の人が鼻を触ると気になりますが、どうして鼻を触るのかと考えることなんて普通はないと思います。
私のように歯周病が悪化し口臭がしている時には、相手の人が鼻を触るのは「息が臭いからだ。」と思うかもしれません。しかし、心理学では、「人が鼻を触る」のは次のような理由があるからです。
鼻を触る心理
会話中に相手が鼻を触る仕草には様々な心理が隠されていることがあります。男女で違いはあるかもしれませんが、以下に一般的な心理を列記します。
- 不安や緊張:自己安心のための自己触覚行動です。
- 嘘をついている:不誠実な発言を隠すために無意識に行われることがあります。
- 集中している:深く考え事をしている時に見られる行動です。
- 退屈している:関心が薄れたり、話に飽きたりしているサインです。
- 不満を感じている:何かに対する不満や不快感の表れです。
- 疑いを持っている:話されている内容に対する疑念を抱いている時の行動です。
- 体調が悪い:鼻に不快感がある場合、それを直すために触れることがあります。
- 対人関係における距離感:他人との距離をとりたい、あるいは心理的な壁を築いている可能性があります。
- 自己主張:強い意志や主張を示す時に現れることがあります。
- 魅力を感じている:相手に魅力を感じ、無意識に身だしなみを整える行動として現れることがあります。
これらの心理は、文化や個人差によって異なる場合がありますので、一概に全ての人に当てはまるとは限りません。また、これらの行動は複数の心理が重なり合って現れることもあります。
鼻を触る心理に関する研究
研究報告では、人が鼻を触るのは、口臭や体臭など強い臭いに対する拒絶反応のこともあるようです。
「鼻を触る心理」に関する具体的な研究は限られていますが、以下の情報が得られました。
1.感覚反応の一部として : 鼻を触る行動は、特定の感覚刺激、例えば臭いや触覚に対する反応の一部として現れる可能性があります。例えば、Liedtke et al. (2003) による研究では、Caenorhabditis elegans の感覚ニューロンが機械的な刺激や浸透圧刺激に反応して行動を引き起こすことが示されています。これは、人間の感覚ニューロンも似たような反応を示す可能性を示唆しています (Liedtke et al., 2003)。
2.口臭や体臭に対する反応 : 口臭や体臭などの強い臭いに対する反応として鼻を触る行動が現れる可能性があります。このような臭いは、嗅覚の刺激として感知され、反射的な行動、例えば鼻を触ることにつながるかもしれません。Tucker (1963) の研究は、嗅覚、副鼻腔神経、および三叉神経受容体が様々な臭いに反応することを示しており、これらの反応が鼻を触る行動に関連する可能性があります (Tucker, 1963)。
これらの情報に基づくと、「鼻を触る心理」は、感覚反応や防御的な行動の一環として現れる可能性があり、特に強い臭いに対する反応として見られることがあるかもしれません。ただし、これらの行動が特定の臭いや感覚刺激に対してどのように現れるかについての具体的な研究は限られています。
相手が鼻を押さえると不安心理が働く
臭いからと相手の人が鼻を触ると、こちら側としては「私が臭いからだ。」と不安心理が働きます。このようにして、会話中に相手の人が鼻を触ると、不安になりストレスがたまりませんか?
>>女性特有の「口臭」の直し方!対策時のポイントについて
営業で話をするときは、1メートル未満の距離まで接近して会話することが多かったのですが、その度に、相手の人が鼻をムズムズ触りました。
自動車に同乗して営業している時には、冬なのに窓を開ける人もいました。それだけではありません。運転手が鼻をぐすぐすとすする音が。
その頃は歯周病が悪化していたので、自分でも口臭があることは認識していました。そのため、すべての出来事が自分の口臭が原因なんだと思えました。
そんな毎日が続くと、仕事も面白くなく、本来楽しいことでも楽しいと感じられなくなったものです。
でも、そんなことを続けていても、何も解決しないことに、ある日ふっと気づいたのです。「もしかしたら、全ての出来事が自分の口臭のせいというわけではなく、一部だけかもしれない。」「だったら、それほど気にする必要もないのでは?」
元々が楽観的な性格でしたから、こんなことを考えることができたのかもしれません。しかし、口臭が出ていて本当に周囲の人たちに迷惑をかけていることもあるので気をつけないといけません。
口臭原因については⇒⇒ ストレスが口臭原因かも?口臭を改善するためのポイントについて
反応で口臭を気にする
口臭が気になると周囲の反応が気になって仕方ありませんよね。相手の人が鼻を覆うとか顔をそむけると、「私の息が臭いから。」だと分かります。私の場合には、同僚の女性事務員さんから、毎日エチケットガムを渡されたことがあります。その時は、男性の私でも「もしかして、臭いのでは?」と気になったものです。女性だったら赤面するでしょうね。
周囲からの注意の中には、咳をしたりくしゃみをして間接的に「あなた口臭がしているわよ。」というサインがあると気持ちが落ち込みますよね。口臭で悩んでいる人が、他人が鼻を触るのを見てしまうと、条件反射で「臭いのかもしれない?」と不安になります。
もしかして、わたし口臭がしているのではと思った経験はありませんか?次のような時に自分の口のニオイを自覚するようです。
- 自分の近くにある人が咳をした、くしゃみをよくする。
- 自分が話をすると相手の人が手で鼻を覆った、喋るたびに鼻を触る。
- 電車に乗ると、前の人が顔をそむけた。
- 私を見ると、会社の同僚たちが、コソコソ話を始める。
- 自分が会社の事務所に入ると、いきなり窓を開けられた。
- 友達がガムを渡してくる。
引用:口臭の悩みを解消するには…歯科治療だけでは無理!?
口臭が気になると、近くの人たちの「コソコソ話」が気になりますよね。何の話をしているのか分からなくても、口臭が気になっているので「私の息が臭い!」と話しているに違いないと想像するかもしれません。
このような状況が続くと、小声で話をしている人たちを見ると口臭が気になってしまい、精神的に落ち込んでしまいます。そのことが原因で自臭症になるケースもあるので、考え方を変えることも必要です。
思い当たる口臭があるから気になる
実際に口臭があり、周囲に口臭で迷惑をかけていないだろうかと気になるケースもあります。口臭があるのだから当然ですが、だからといって、その口臭を治すことの方が大事です。
口臭を気にしてばかりで治さないと、口臭がひどくなってしまいます。そのようなことにならないように早目の治療を受けられることをおすすめします。
口臭がしているか分からないけれど、「膿栓が出たから、口臭がしているに違いない。」という方もいます。膿栓は口臭原因になることもありますが、膿栓が直接的な原因でないことが多いです。
膿栓がたまるのは、副鼻腔炎などから扁桃炎を発症していることが多いので、膿栓(口臭)が気になる場合は、耳鼻科疾患を治療することが大事です。
膿栓が出たことを恥だと思っている人がいますが、膿栓は痰と同じように風邪でもできるものですのでご安心ください。
口臭が不安になったら(対策)
相手の鼻を触る行為を受け止める
周りの人が鼻を触るのが気になったら、落ち込むよりも事実を受け止めて前向きに対策することが大切です。
「周りの人に迷惑な口臭がしているからはやく治さないといけない」と、前向きになる必要があります。
こんなことを書くと、「そんなことなんか出来るか!」と叱られそうですが、私も、過去に「鼻を手で触る」仕草をされ落ち込んだり嫌な気分になったものです。
でも、「美息美人(びいきびじん)」を使うようになってからは、前向きに変わることができました。その理由は、「美息美人(びいきびじん)を使っているから、今までのようなことはない。」と自分を信じられるようになったからです。
だからあなたも出来ると思います。
今では、相手が鼻を触ることがあれば、「あっ!臭いんだな。」と口臭チェッカーで測りますが、「これぐらいだったら大丈夫だ。」と、気持ちまで落ち込むことはなくなりました。
また、口臭レベルが高い時には、すぐに歯科治療をしたり、徹底的にブラッシングをするなどして、口臭の原因になっている個所を治すようにしています。
もし、あなたも昔の私のように、「相手が鼻を手で触る」ことで悩まれているのなら、口臭予防歯磨き粉「美息美人(びいきびじん)」で克服してください。
口臭チェッカーで口臭を調べる
客観的に口臭レベルを調べるには、口臭チェッカーで測るという方法がお勧めです。アマゾンで調べると、3,000円~4,000円程度で購入できます。ですが、簡易の口臭チェッカーで測っても、実際どれだけ臭っているのか分からなくて不安になるかもしれません。
簡易口臭チェッカーでは正しく測れないとか、信じられないといわれる方がいます。しかし、たとえ簡易口臭チェッカーであっても、口臭の中でも特別臭いといわれる揮発性硫黄化合物(VSC)を感知して計測するようになっています。
ですから、口臭がしているかどうかであれば判断できるはずです。でないと、口臭チェッカーを買われた方からクレームが押し寄せることでしょう。
歯科で検査する
歯科で検診を受けると、歯周ポケットの深さを測るのが一般的です。歯周ポケットの深さが2ミリまでだったら、初期歯肉炎。3ミリから5ミリは中度の歯周病。5ミリを超えると重度の歯周病です。
歯周ポケットの深さが2ミリ以下の軽度歯肉炎であれば、歯石を取りていねいにブラッシングケアを続けることで治癒するかもしれません。しかし、歯周病が中程度度以上になれば、歯周ポケットの中に膿がたまり強い口臭を発します。
ですから、歯周病が原因の口臭対策は、まず歯周病の治療を受けることが大切です。
また、歯周病になっている人の多くが、舌が白くなっていたり虫歯になります。どうしてだと思いますか?
歯周病は唾液量と深い関係があります。唾液が少ないと歯周病菌が増えるため歯周病になりやすくなります。同じように、唾液が減ると虫歯にもなります。それに、お口が粘つき乾燥することで舌苔(ぜったい)もできます。これらはすべて口臭の原因になります。
だから、歯周ポケットの深さを測れば、口臭がしているかどうかも分かるだけではなく、口臭原因も分かることがあります。
そのためには、口臭が気になったら、まず歯科で診てもらうことです。歯科で検査をすれば、歯周病かどうかすぐに分かりますし、治療も受けられます。歯周病の治療について詳しくは、『歯周病の治し方』をご参考にしてください。
口臭を受け入れる
全ての出来事が口臭に関連したことでなくても、その内の何%かは口臭に関連しています。
私の場合でも、今振り返ると、他人の反応の20%くらいが「息が臭いから」だったような気がします。「ということは、後の80%は私の口臭とは関係ないかもしれない。」このように考えられるようになると、気持ちが軽くなっていきました。
でも、たとえ20%でも自分の口臭によって迷惑をかけている人がいるのであれば、「口臭がしている」のです。この事実をしっかりと受け入れる勇気が必要です。
口臭で悩まれる人に多いのは、「口臭がしている」と仰るのですが、「具体的にどんな状態ですか?どれくらい舌に苔が付いているのですか?口臭を計測したことはありますか?誰から注意されたのですか?」と具体的な質問すると、「自分で口臭を感じるんです。」と言うだけで、解決するための具体策がありません。
口臭で悩んだときに、想像を膨らますのはとても危険です。というのは、口臭がしているかどうかを把握していないので、内心では「口臭が無ければいいのに。」と、事実を認めないことになっているかもしれません。
こんな風にいうと、「いいえ、口臭がしているから悩んでいるのです。」といわれることでしょう。私がお伝えしたいのは、「はっきりと、これだけのニオイがしている。」と具体的な認識を持つことの重要性です。
あやふやでは脳が混乱します。「どれくらい臭っているのか分からないけど臭っています。」と言うのと、「歯周ポケットが3ミリあり歯肉炎なので、口臭チェッカーで測るとレベル2の時が多いのです。」というのでは、脳がどのように反応するでしょう?
考えが漠然としていると、脳が混乱して関係のないことまで関連付けます。だから、すべての出来事が悩みの種になっていきます。ところが、事実を具体的に認識していると、関連付けすることは限定できます。そうすると悩みは少なくなります。
口臭治療を受ける
口臭の90%以上は歯周病など口内疾患に原因があるので、口臭がある場合にはまず歯科治療を受けることが大事です。
口臭が歯科治療で治らない場合があります。その場合は、口臭外来で診察を受けられてはいかがでしょう。口臭外来では、一般的な歯科治療のほかにも、口臭チェックによって原因が何なのかを突き止めてくれます。
口臭原因が口内ではなく体の違う部分にある(疾患)とか、精神的なもの、薬の副作用による場合もあるので、口臭外来の方がその場合の対処法を適切に指導してもらえるかもしれません。
口臭の予防と対策
口臭の予防方法はいろいろありますが、基本は次の3つ。
- セルフケア(歯磨きやうがい)
- プロフェッショナルケア(歯科での歯石除去とクリーニング)
- 定期的歯科検診(2~3か月)
そして、口臭予防で大切なのは、唾液を出すことです。唾液を出すためには、よく噛むこととよく話すこと。
また、一日1回は、舌のケアを行うと口臭予防になりますが、過剰な舌磨きはかえって口臭がひどくなるのでご注意ください。
口臭予防で大切なのは、歯磨きとうがいによる口腔ケアです。また、口臭原因となる舌苔除去も大事なことです。おすすめの歯磨き粉は、プラークを効率よく落とすアルカリイオン水の「美息美人(びいきびじん)」です。