
胃腸内科の受診目安(まずは安全に)
- 腹痛・吐き気・胸やけ・膨満感などが2週間以上続く/再発を繰り返す
- 吐血・黒色便・血便、コーヒー残渣様の嘔吐がある
- 体重減少(1〜3か月で約5%以上)や食欲低下が続く
- 38℃以上の発熱・脱水・強い倦怠感が続く
- 嚥下困難(のみ込みにくい)や強い胸痛/背部痛がある
- 胃薬・抗生物質・PPIなどの服薬開始後に悪化や強い違和感が出た
※共通の口腔ケアと“何科へ”の全体像は、総合ガイドで確認を(サイト内ピラーに1リンクのみ設定)。
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はじめに|舌が白い=胃腸のSOS?30秒でわかる結論
こんにちは、口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の 上林登 です。
監修:歯科衛生士 上林ミヤコ
「朝、鏡で舌を見たら白っぽい…もしかして胃腸が弱っている?」──そんな不安に、胃腸と舌苔の関係をやさしく整理し、家庭でできるケアと受診の目安をまとめます。
舌が白いのは胃が悪いサイン?受診の目安とセルフケア
- 白い舌(厚い白苔)が続く場合、慢性胃炎やGERDなど上部消化管の不調と関連する報告があります12。
- 初期セルフケアは「30回よく噛む・発酵食品+白湯・10分散歩」を1〜2週間。改善が乏しければ胃腸内科を受診し、必要に応じて内視鏡やピロリ菌検査を検討。
- 毎朝1秒、鏡で色・厚さ・付着範囲をチェックし、小さな異変を早期キャッチ。
今日から「舌=消化レポート」を味方に、胃腸をいたわる一歩を。
- Yin Y, et al. Tongue-coating microbiome characteristics in chronic gastritis. NPJ Biofilms Microbiomes. 2019.
- Wu T-C, et al. Tongue diagnosis indices for GERD. Medicine (Baltimore). 2020;99:e20471.
多くは口腔内要因で説明できますが、胃腸の不調が重なると悪化することがあります。以下を目安にしてください。
- ただちに専門医に相談を:黒色便・血便、急な体重減少、強い胸やけ/胸痛、飲み込みづらさ、持続する発熱・強い腹痛。
- セルフケア後も改善乏しい:厚い白苔が広範囲に残る/増える、胃もたれ・げっぷ・酸っぱい逆流・のどの違和感が続く、便秘や下痢の反復。
14日セルフケア(胃腸×舌苔の両面)
- 食事:ひと口30回、腹八分、就寝3時間前は食べない。発酵食品を毎日少量。
- 飲み物:こまめな白湯・水分。空腹時の濃いコーヒー/濃い緑茶・刺激物・アルコールは控えめ。
- 生活:毎日10分歩く、睡眠の確保、入浴でリラックス。
- 口腔:やさしい舌ケア(なでる程度/1日1回/5〜10秒)、歯周ケア、鼻呼吸+水分で唾液を保つ。
舌が白い 胃腸の不調と関係は?
舌苔は「乾燥・細菌・剥がれた粘膜」で増えます。ここに胃腸の不調(逆流・胃炎・機能性ディスペプシア・便秘/下痢・薬剤性など)が重なると、自浄作用の低下や口呼吸/口腔乾燥を通じて白苔が厚く見えやすくなります。
- 逆流(GERD)型:胸やけ、酸っぱい逆流、朝のどの違和感。→ 就寝3時間前は食べない、枕をやや高く、脂っこい夜食は避ける。
- 胃炎・機能性消化不良:胃もたれ、食後の重さ、食欲低下。→ 少量頻回、よく噛む、刺激物を控える。
- 便秘/下痢の反復:腸内バランスの乱れ。→ 発酵食品+食物繊維+水分を“少しずつ”、朝散歩で腸のスイッチON。
- 薬剤性:抗うつ薬・降圧薬・抗ヒスタミン薬などで口渇。→ 服薬説明書を確認し、つらい時は主治医へ相談。
見極めのヒント
- タイミング:朝悪化/食後悪化、寝不足やストレスで増える。
- 分布:舌の中央〜奥に厚い白苔。剥がすとヒリつく/すぐ再付着。
- 随伴症状:胸やけ、げっぷ、のどの引っかかり、便秘/下痢、胃部不快感。
舌が白い 胃 のとき何科へ?
受診は“口 → 胃”の順序が基本。まず歯科/口腔外科で乾燥・歯周・舌ケアを整え、それでも胸やけ・胃もたれ・便通異常が続くなら内科/消化器内科へ。
- 歯科/口腔外科:舌苔・歯周・口呼吸の確認、正しい舌ケア指導。
- 内科/消化器内科:必要に応じて血液検査、ピロリ菌検査、内視鏡。
- すぐ受診/救急:黒色便・血便、急な体重減少、激しい胸痛/腹痛、強い嚥下障害、持続する発熱。
受診時に伝えるポイント:白くなる期間・時間帯、随伴症状、生活・食事の変化、服薬歴。
胃腸トラブル別の舌苔パターン(早見表+今日の行動)
下表は“診断”ではなく傾向の早見表です。舌だけで判断せず、症状とセットで見てください。
主なトラブル | 舌苔のよくある傾向 | 随伴症状のヒント | 今日の行動 |
---|---|---|---|
逆流性食道炎(GERD) | 起床時に厚め/奥側が目立つ、酸味の後に増える | 胸やけ、酸っぱいゲップ、のど違和感・咳 | 少量頻回・就寝3時間前は食べない、枕を高めに、14日ケアへ |
機能性ディスペプシア(FD) | 薄い白苔〜むら状、食後にやや増える | 上腹部の重さ・張り、食欲低下、ゲップ増加 | 脂質控えめ、温かい汁物から、14日ケア |
急性胃炎/感染後の回復期 | やや厚い白苔〜地図状、脱水で濃く見える | むかつき・倦怠感、下痢〜軟便、食後悪化 | 電解質・水分、消化にやさしい食、14日ケア |
便秘/腸内環境の乱れ | 黄白〜やや乾いた苔、溝に堆積 | ガス・張り、硬便・兎糞状、朝に悪化しがち | 水分+繊維を“ゆっくり増量”、14日ケア。黄ばみが強い時は黄色い舌ガイド |
薬剤性(PPI・制酸薬・抗生物質など) | 白〜黄白の被膜感。抗生剤後は痛み・赤みも | 味の変化、口内違和感。カンジダ様ならしみる | 自己中止せず医師・薬剤師に相談 |
ピロリ疑い(※非特異) | 厚め白苔・口臭が長引くことも(単独では判断不可) | 慢性の胃もたれ・食欲低下・みぞおち不快感 | 症状が続くなら胃腸内科で相談 |
14日セルフケア計画:胃腸リセット×舌苔ケア
段階的に負担を減らし、誘因(脂質・量・時間・刺激)を特定します。“できる範囲”でOK。
Day 1–3:リセット期
- 食事:雑炊・うどん・おかゆ・豆腐・白身魚・やわらか野菜。脂物・辛味・酸味・炭酸・アルコールは休止。
- 量と時間:少量頻回(1日4–5回)、就寝3時間前は食べない。
- 水分:常温水・白湯・経口補水。カフェインは控えめ。
- 姿勢:食後は前かがみを避ける。逆流傾向は枕をやや高く。
- 記録:食事・症状・便通の簡易メモ。
Day 4–7:再構築期
- タンパク:鶏むね・白身魚・卵(半熟)・納豆を少量ずつ。
- 炭水化物:軟飯→普通のご飯へ徐々に。パンは油分少なめ。
- 野菜:火を通した根菜・葉物から。生野菜は少量テスト。
- 発酵食品:ヨーグルト・味噌・ぬか漬けを“少量から”。
- 生活:20分の散歩、38–40℃で15分入浴、睡眠7時間目標。
- チェック:朝の舌苔・胸やけ・張りが半減していれば次へ。
Day 8–14:安定化期
- テスト法:避けていた食品を1つずつ再開(揚げ物・辛味・乳製品など)。1回1品で反応を見る。
- 食べ方:よく噛む(ひと口20–30回)、早食いを避ける。
- 外食ルール:脂質控えめ・小盛、夜は早め。
- 就寝前:ナイトスナックは水か白湯のみ。
- 戻りサイン:胸やけ・張り・悪心が再燃した食材は“保留リスト”へ。
- 受診検討:Day14でも不調が残る/悪化する場合は胃腸内科へ。
よくある質問|舌が白い 胃の不安にやさしく回答
Q1. 「舌が白い=胃が悪い」のサイン?どこまで様子見OK?
まずは1〜2週間の生活・口腔ケアで様子見。黒色便・血便・強い胸痛/腹痛・嚥下困難・急な体重減少があればすぐに受診。胸やけ・逆流・胃もたれが続く場合は胃腸の評価も。
Q2. 何科に行けばいい?
歯科/口腔外科 →(必要に応じて)内科/消化器内科の順。口腔の乾燥・歯周・舌ケアを整えても症状が続く場合は消化器で精査。
Q3. ピロリ菌と関係ある?検査は必要?
舌の見た目だけでは判断不可。胃痛・胃もたれの持続、潰瘍の既往、家族歴があれば、尿素呼気試験・便中抗原・血清抗体などを医師と相談。
Q4. 逆流があると舌苔はどう変わる?
強い逆流では、黄白〜灰白の舌苔がやや厚く見えることがあります。就寝前の飲食を避け、枕を高めに、脂っこい夜食やアルコールを控えるなどの対策を。
Q5. 胃薬や漢方で舌苔は薄くなる?
逆流や胃炎が原因なら、適切な治療で自覚症状が軽くなり、結果として舌苔が薄くなる例はあります。適応は人それぞれなので、自己判断は避けて医師・薬剤師へ。
まとめ|舌は“消化レポート”毎朝1秒チェック
舌が白いと感じたら、それは「消化機能」や「胃腸バランス」の小さな異変サインかもしれません。毎朝1秒のチェックと、14日ケアで静かに整えていきましょう。
筆者からのアドバイス|自己判断はほどほどに
白い舌苔が続く・胃腸不調を繰り返すときは、“体からのSOS”。ゆっくり噛む・寝不足を解消・ストレスを減らすといった基本が、遠回りに見えて最短です。つらさが続くときは迷わず受診を。
白い舌苔が気になる方へ──
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参考文献・一次情報リンク集
- Clinical Characteristics of Tongue Coating in Patients With GERD(2023)
- Tongue Coating Microbiome as a Potential Biomarker for Gastric Cancer
- Oral and Tongue Microbiota in Health and Disease(2021)
- A Review of Tongue Diagnosis in Traditional Chinese Medicine(2022)
- 日本消化器病学会|胃食道逆流症(解説)
- 日本消化器内視鏡学会|ガイドライン
- Wu et al., 2020:Tongue indices for GERD