耳鼻咽喉科で「膿栓はほっておきなさい」と言われたが解決しない!そんな時の解決法はこうする

膿栓の説明を受ける患者と医師

耳鼻科で膿栓を取ってくれない!その理由について

口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

膿栓に悩む多くの方が、耳鼻咽喉科を訪れても「膿栓はそのままで大丈夫」と言われる経験をしています。しかし、膿栓が引き起こす口臭や喉の違和感に悩まされている方も多いでしょう。耳鼻科で取ってもらえない場合、どうすれば良いのか不安になることもあります。

この記事では、膿栓が取ってもらえない理由を明確にし、その背景を詳しく解説します。そして、自宅でできる効果的な対処法や予防策を紹介し、膿栓による不快感から解放されるための具体的な方法を提供します。あなたの疑問や悩みを解消するための情報を、ぜひご活用ください。

膿栓の原因

膿栓ができるメカニズム

膿栓(のうせん)は、口腔内に存在する細菌や食べかす、白血球の死骸などが扁桃(へんとう)のくぼみに溜まって固まったものです。免疫反応の一環として、口腔内で細菌と戦う過程で生成されます。膿栓は、口腔内の免疫細胞が細菌を攻撃し、その残骸が扁桃のくぼみに溜まることで形成されます。

膿栓が形成される際、次のようなステップが関与しています:

  1. 細菌や食べかすが口腔内に入り込む。
  2. 免疫細胞(主に白血球)がこれらの異物を攻撃。
  3. 攻撃の結果として、異物と白血球の死骸が扁桃のくぼみに溜まる。
  4. 溜まった物質が固まり、膿栓となる。

主な要因

膿栓ができる原因には、いくつかの主な要因があります。これらの要因が組み合わさることで、膿栓が形成されやすくなります。

1,喉に痰がへばりつき、細菌が増える

喉に痰が付着すると、細菌が繁殖しやすくなり、膿栓が形成されやすくなります。

2,後鼻漏(こうびろう)

蓄膿症(副鼻腔炎)や花粉症で鼻水が喉に落ちることにより、喉に細菌が増える状態です。これも膿栓の原因となります。

3,唾液が少なく喉が乾燥する

唾液は口腔内を清潔に保つ役割を果たします。唾液が少なくなると、口腔内が乾燥し、細菌が増えやすくなります。

4,舌苔(ぜったい)がある

舌の表面に舌苔ができると、細菌が繁殖しやすくなり、その結果、膿栓が形成されやすくなります。

5,逆流性食道炎

胃酸や食べ物が逆流して喉に到達すると、喉の粘膜が刺激され、細菌が増えることで膿栓ができやすくなります。


これらの要因を理解することで、膿栓の予防や対策に役立てることができます。膿栓が形成されやすい要因を知り、適切なケアを行うことで、膿栓の発生を抑えることができます

耳鼻科で膿栓を取ってもらえない理由

膿栓は健康に害がない

膿栓は、口腔内の免疫反応によって形成されるものであり、通常は健康に大きな害を及ぼしません。多くの耳鼻咽喉科の医師が膿栓の除去を推奨しない理由の一つは、膿栓が自然に取れることが多く、放置しても特に健康に影響を与えないからです。

膿栓が自然に取れるタイミング

膿栓は免疫反応の一部であり、体が自然に対処するものであるため、耳鼻科医師は特別な治療を必要としないと判断することが多いです。

自体は必ずしも病的なことではありません。正常な人にも見られます。

出典元:新発田市耳鼻科の医療豆知識

いのうえ耳鼻咽喉科では、「膿栓は免疫反応の一部であり、健康に害を及ぼすものではありません」と述べています。このため、膿栓があること自体が病気ではなく、自然に取れることを考慮して医師は除去を行わないことが一般的です。

扁桃がある限り、膿栓は誰にでもできるものです。何も症状がなければ、通常の膿栓は放置しても問題ありません。

出典元:いのうえ耳鼻咽喉科

膿栓が見えない場合

膿栓は、扁桃の奥深くにできることがあり、肉眼で見えない場合があります。耳鼻咽喉科の医師が診察をしても、膿栓が見つからないことがあるため、その場で除去するのは難しいことがあります。特に小さな膿栓や、扁桃のくぼみの奥深くに隠れている膿栓は、診察中に見つけるのが難しいことが多いです。

このため、診察で膿栓が確認できない場合、医師は除去を行わず、自然に取れるのを待つようアドバイスすることが多いです。膿栓が見えないからといって、その存在や不快感が軽視されるわけではありませんが、診察の限界も考慮する必要があります。

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何度でも再発する可能性

膿栓は一度除去しても、何度でも再発する可能性があります。膿栓の原因となる口腔内の状態や、免疫反応は短期間で変わることが少なく、同じように膿栓が再び形成されることが多いです。このため、医師は膿栓の除去よりも、根本的な原因に対処することを重視します。

例えば、喉や鼻の疾患が原因で膿栓が形成される場合、その疾患を治療しない限り膿栓は再発し続けます。膿栓を取ること自体は一時的な解決策に過ぎず、再発を防ぐためには、原因となる疾患の治療や、口腔内の環境を改善することが必要です。

膿栓自体は誰でもできるが、扁桃腺が腫れやすい人は膿栓ができやすい

出典元:みなみもりまち歯科クリニック

このため、耳鼻咽喉科の医師は、膿栓の除去を行わず、原因となる疾患の治療や予防策の実施を勧めることが一般的です。膿栓の除去が一時的な解決策に過ぎないことを理解し、長期的な視点での対策を講じることが重要です。

自宅でできる膿栓の対処法

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うがいの方法

膿栓を自宅で対処するために、うがいは非常に効果的な方法です。うがいをすることで、口腔内や喉の奥に溜まった細菌や食べかすを洗い流し、膿栓の形成を防ぐことができます。以下のうがい方法を試してみてください。

生理食塩水うがい

  1. コップ一杯のぬるま湯に小さじ1杯の塩を溶かします。
  2. 塩が完全に溶けるまでかき混ぜます。
  3. 口に含み、喉の奥までしっかりとうがいを行います。これを数回繰り返します。

アルカリイオン水うがい

  1. 市販のアルカリイオン水を使用します。
  2. 口に含み、喉の奥までしっかりとうがいを行います。1日に数回行うと効果的です。

効果: これらのうがい方法は、喉の乾燥を防ぎ、細菌の増殖を抑える効果があります​ 。

綿棒を使った方法

膿栓が見えている場合、綿棒を使って自分で取り除く方法もあります。ただし、無理に取ろうとすると喉を傷つける恐れがあるため、注意が必要です。

手順

  1. 鏡を使って、膿栓の位置を確認します。
  2. 清潔な綿棒を用意し、膿栓がある扁桃の部分を軽く押します。
  3. 綿棒で膿栓を取り出します。この際、強く押しすぎないように注意します。

注意点

  • 無理に押し込んだり、強くこすったりしないようにします。喉や扁桃を傷つける可能性があります。
  • 使用する綿棒は清潔なものを使い、使用後は使い捨てるようにします​。

その他の家庭療法

綿棒以外にも、以下のような家庭療法を試すことができます。

シャワーで膿栓を除去

口を開けて、扁桃腺を中心に温水のシャワーを当てることで、膿栓が取れることがあります。。温水(水)は飲み込まないで、吐き出してください。

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水分補給

  • 喉の乾燥を防ぐために、こまめに水を飲むことが大切です。水分補給を行うことで、喉の細菌や汚れを洗い流す効果があります。

口腔ケアの徹底

  • 毎日の歯磨きや舌ブラシを使って口腔内を清潔に保つことが重要です。特に舌苔がある場合は、舌も丁寧にケアしましょう。
  • 口腔内の乾燥を防ぐために、室内の湿度を保つことも効果的です。

これらの家庭療法を組み合わせることで、膿栓の形成を予防し、膿栓による不快感を軽減することができます​。

膿栓の予防策

日常の口腔ケア

日常の口腔ケアは、膿栓の予防に非常に重要です。口腔内を清潔に保つことで、細菌の増殖を抑え、膿栓の形成を防ぐことができます。以下のような方法で口腔ケアを行いましょう。

歯磨き

  • 毎食後に歯を磨くことで、食べかすやプラークを除去し、口腔内の清潔を保ちます。特に就寝前の歯磨きは重要です。

舌ブラシ

  • 舌の表面に付着する舌苔(ぜったい)を定期的に取り除きましょう。舌苔は細菌の温床となるため、舌ブラシを使って優しくケアします。

うがい

  • 食後や就寝前にうがいをすることで、口腔内の細菌や食べかすを洗い流します。生理食塩水やアルカリイオン水を使うと効果的です。

定期的な歯科検診

  • 定期的に歯科医でチェックを受けることで、口腔内の健康状態を維持し、必要なケアを受けることができます​。

鼻呼吸の習慣

口呼吸は喉を乾燥させ、膿栓ができやすくなる原因となります。鼻呼吸を意識することで、膿栓の予防に繋がります。

鼻呼吸のメリット

  • 鼻呼吸は、空気を湿らせ、温めることで、喉の乾燥を防ぎます。また、鼻毛がフィルターの役割を果たし、細菌やウイルスの侵入を防ぎます。

鼻呼吸の習慣づけ

  • 日常生活で鼻呼吸を意識しましょう。特に就寝中の口呼吸を防ぐために、鼻呼吸テープを使用することも有効です。
  • 口呼吸が癖になっている場合、専門家に相談し、適切なトレーニングや治療を受けることを検討しましょう​ 。

水分補給の重要性

喉の乾燥を防ぐためには、こまめな水分補給が重要です。水分を十分に摂取することで、口腔内の環境を良好に保つことができます。

こまめな水分補給

  • 一日に数回、こまめに水を飲むことで、喉の乾燥を防ぎます。特に長時間話をした後や、乾燥した環境にいる場合は意識的に水分を摂取しましょう。

適切な水分の摂取方法

  • 水だけでなく、ハーブティーやスポーツドリンクなども適度に摂取すると良いでしょう。ただし、カフェインやアルコールを含む飲み物は、逆に体を脱水状態にすることがあるため、控えめにすることが推奨されます。

室内の湿度管理

  • 室内の湿度を適切に保つことも重要です。加湿器を使用したり、濡れタオルを室内に干すなどして、空気の乾燥を防ぎましょう​。

これらの予防策を実践することで、膿栓の形成を防ぎ、口腔内の健康を維持することができます。日常のケアをしっかり行い、快適な口腔環境を保ちましょう。

Q&A: 膿栓に関するよくある質問

Q1: なぜ耳鼻咽喉科では膿栓を取ってもらえないのですか?

A1:膿栓は通常、健康に大きな害を及ぼすものではないため、多くの耳鼻咽喉科の医師は膿栓の除去を推奨しません。膿栓は免疫反応の一部であり、自然に取れることが多いからです。

また、膿栓が扁桃の奥深くに隠れて見えない場合もあり、その場で除去するのが難しいこともあります。さらに、膿栓は再発しやすいため、医師は根本的な治療や予防策を重視することが多いです​。

Q2: 自分で膿栓を取り除く方法はありますか?

A2:あります。例えば、次のような方法があります。

  • うがい:生理食塩水やアルカリイオン水で強めにうがいをすると膿栓が取れやすくなります。
  • 綿棒を使う:優しく扁桃を押しながら、膿栓を取り出す方法もあります。ただし、無理に取ろうとすると喉を傷つける恐れがあるため注意が必要です。

Q3: 膿栓を予防する方法は?

A3:膿栓の予防には、口腔内の清潔を保つことが重要です。

  • 口腔ケア:歯磨きや舌ブラシを使って口腔内の細菌を減らすこと。
  • うがい:定期的にうがいをして喉の細菌を洗い流す。
  • 鼻呼吸:口呼吸を避け、喉の乾燥を防ぐことが効果的です。

まとめ

膿栓は、免疫反応の一部として口腔内で形成されるもので、通常は健康に大きな害を及ぼしません。耳鼻咽喉科で取ってもらえないことが多いのは、膿栓が自然に取れる場合が多いためです。

自宅での対処法としては、うがいや綿棒を使った方法、丸型洗浄瓶の使用などがあります。予防策としては、日常の口腔ケア、鼻呼吸の習慣、水分補給を心がけることが重要です。これらの方法を実践し、膿栓による不快感から解放されましょう。

うがいで膿栓を予防する

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