【知恵袋まとめ】膿栓の取り方コツ10選|耳鼻科で取ってくれない時の“安全最短ルート”

患者に膿栓の取り方のコツをアドバイスする医師

こんにちは、口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の 上林登です。
監修:歯科衛生士 上林ミヤコ

「耳鼻科で取ってくれなかった…」「うがいで出るって本当?」「綿棒の正しい使い方が知りたい」——そんな不安とモヤモヤを、ここでやさしく解消します。この記事は“Q&A+実践コツ特化”。全体像や原因から予防までを網羅した完全版は、ピラー記事(ためしてガッテン流の完全ガイド)に任せ、ここでは「今、安全に、どうやって出すか」に絞って解説します。

結論|耳鼻科が取らないのは“危険回避と再発性”。まずは安全な即効ケアから

耳鼻科で膿栓を取ってもらえない理由を説明する歯医者さんのイラスト

【結論】

  • 耳鼻科が取らない主な理由:小さい膿栓は自然排出、診察時に見えない、無症状なら治療不要
  • まず試すべき安全3ステップ:ぬるま湯(または食塩水)うがい → 丸型洗浄瓶の弱水圧でピンポイント洗浄 → 鼻呼吸と加湿習慣
  • やってはいけないこと:強水圧シャワー直撃、綿棒で奥を突く、金属器具の使用

受診の目安:痛み・発熱、出血の繰り返し、飲み込みづらさ、石のように硬く大きい膿栓は耳鼻科へ。

耳鼻科が「様子を見ましょう」と言うのは冷たいからではありません。膿栓の多くは自然に排出され、無理に触ると出血や炎症、再発のループを招くからです。診察中に視認できない位置にあることもよくあります。そこで、まずは自宅でできる弱い刺激から順に試しましょう。

  • Step1:ぬるま湯(または薄い食塩水)で「そっとうがい」。上を向き、左右にゆっくり傾けて扁桃の陰窩へ水を行き渡らせます。
  • Step2:丸型洗浄瓶(弱水圧)でピンポイント洗浄。扁桃に斜め手前から短時間だけ当て、当てっぱなしにしない。
  • Step3:鼻呼吸・加湿・水分補給のルーティン化。喉の乾燥は再付着を招きます。

本記事では、膿栓が気になるときに「今すぐ安全にできる対処法」に絞ってご紹介しています。原因や予防方法などの詳しい解説は別記事でまとめていますので、ここでは重複を避けつつ、具体的な手順と安全のポイントを丁寧にお伝えします。

耳鼻科が膿栓を積極的に取らない医学的な理由

耳鼻科で「膿栓は取りません」と言われるのは、冷たい対応ではなく、安全性を優先した医学的判断です。代表的な理由は以下の3つです。

  1. 自然に排出されることが多く、無理に取らない方が安全
    膿栓はくしゃみや咳をきっかけに自然に外れることがよくあり、大きな害を及ぼさないケースが大半です。
    サラヤ健康情報サイトでも「多くの場合、食事や咳のタイミングで自然に取れるため、無理に除去しなくても問題ない」と記載されています。
  2. 再発しやすく、扁桃のくぼみにまたできやすい
    扁桃には多数の陰窩(くぼみ)があり、一度取っても同じ場所や別の陰窩に再形成されやすいため、”根治”は難しいとされています。
    あゆみ歯科クリニックのブログでも「耳鼻科で安全に取り除いても、またすぐ同じ場所にできることがある」と触れられています。
  3. 診察時に見えない位置に隠れていることがあり、安全優先で処置を避ける
    診察時に膿栓が陰窩の奥深くにあると見落とすことがあり、無理に探そうとすると粘膜を傷つけるリスクがあります。
    家庭の医学オンラインでも「くぼみに隠れた膿栓は確認できず、無理に除去するよりも自然に経過を見るのが一般的」と記されています。

このように、「膿栓だから早く取ってほしい」と焦る気持ちも自然ですが、医師が慎重になるのは、安全第一・再発防止という医学的な判断に基づいていると理解すると、安心感につながります。

知恵袋で多かった悩みTOP5と専門家の即回答

1. 「耳鼻科で取ってくれないのはなぜ?」

小さく症状が軽い膿栓は自然排出が基本。無理に除去しても再発しやすく、粘膜損傷のリスクがあります。痛み・発熱・嚥下障害などレッドフラッグがある時のみ、処置の適応が検討されます。

2. 「うがいで出る?コツは?」

出ます。ポイントは水の流れを“当てる”のではなく“回す”こと。上を向いて「あー」と小さく発声しながら、左右にゆっくり傾けると、陰窩に水が入りやすくなります。朝・入浴前後に1〜2回、強くガラガラしないのがコツです。

3. 「綿棒で押しても大丈夫?」

奥を突くのはNG。どうしても使うときは、膿栓の“周囲”をやさしく持ち上げて、自然に浮かせるイメージで。痛み・出血・強いえづきが出たら即中止。1日1回まで、連日トライは避けましょう。

4. 「シャワーで流すやり方は安全?」

弱水圧で短時間なら補助になります。直撃・長時間・高水圧は絶対NG。斜め手前から一瞬だけ当て、すぐ止める。入浴後に喉の保湿(加湿・水分)もセットで。

5. 「再発を防ぐ方法はある?」

あります。鍵は乾燥させない・細菌の温床を作らないこと。鼻呼吸、就寝時の加湿、こまめな水分、そして毎日のやさしい口腔清掃(歯・舌・うがい)をセットで続けると、付着しにくくなります。膿栓が大量に出たり、続いたりする場合は、「膿栓が大量に出る」原因と対処」も参考に。

これらの実際の声や体験談を参考に、あなたも自宅でできるケア方法を取り入れてみませんか?気になるケア方法や、さらに詳しい情報は【膿栓を取るアルカリイオン水うがい】や【舌苔はコットン(綿花)で拭き取る】の記事もぜひご覧ください。

膿栓の取り方コツ10選(弱→強の安全順)

  1. ぬるま湯うがい:36〜40℃のぬるま湯で、上向き・左右傾けの「そっとうがい」。1回15〜20秒、朝晩。
  2. 薄い食塩水:コップ180mLに食塩ひとつまみ。浸透圧で粘膜にやさしく、剥がれやすく。
  3. 入浴前後うがい:血流と湿度が上がるタイミングを狙って“出やすい時間帯”に実施。
  4. 舌のやさしい動かし方:「あー」「いー」を小さく交互に発声。陰窩に水を送る“ポンプ”の役割。
  5. 丸型洗浄瓶(弱水圧):斜め手前から1〜2秒だけ当てる→止めるを数回。当てっぱなし厳禁
  6. スチーム+うがい:加湿器や入浴の蒸気で潤してからStep1へ。乾燥状態より成功率↑。
  7. 就寝前の保湿ルーティン:鼻呼吸テープ(肌に合う範囲で)や枕の高さ調整で口呼吸を減らす。
  8. 弱水圧シャワー(補助):あくまで補助。直撃・高水圧・長時間はNG
  9. 綿棒は“周囲だけ”:奥を突かず、周囲を軽く押し上げて自然に浮かせる。痛み/出血で即中止。
  10. それでも難しい時は中止→受診へ:痛み・発熱・反復する出血・飲み込みづらさ・石化/巨大化は耳鼻科で相談。

やってはいけないこと(必読)

  • 金属器具の使用(粘膜損傷・感染リスク)
  • 強水圧シャワーの直撃(出血・炎症)
  • 綿棒の深追い(えづき・粘膜損傷・慢性化)
  • 毎日の繰り返しトライ(炎症→再発の悪循環)

耳鼻科での対応と受診すべきサイン

自宅ケアで改善しない場合や、症状が悪化している場合は耳鼻科での処置が必要です。耳鼻科では、膿栓の状態や位置に応じて以下の方法がとられます。

  • 洗浄:専用の器具でぬるま湯や生理食塩水を流し、膿栓をやさしく除去します。
  • 吸引:細い吸引管で陰窩内の膿栓を取り除きます。
  • 焼灼:再発を繰り返す場合、陰窩の入り口を焼き固める方法がとられることもあります。
  • 摘出:扁桃全体を摘出する外科手術。重症例や合併症がある場合に限られます。

受診を検討すべき症状

  • 喉の痛みや強い違和感が続く
  • 発熱がある
  • 出血が繰り返し起こる
  • 飲み込みにくさがある
  • 膿栓が石のように硬く大きくなっている

これらの症状は、膿栓だけでなく扁桃炎や扁桃結石、その他の病気のサインである可能性があります。早めに耳鼻科で診てもらいましょう。

再発させない根本ケア

膿栓は一度取れても、扁桃の構造や生活習慣によって再び作られやすくなります。再発予防には、日常のちょっとした工夫が大切です。

  • 鼻呼吸の習慣化:口呼吸は喉を乾燥させ、膿栓が付きやすくなります。
  • 加湿と水分補給:特に就寝時は加湿器や水を枕元に置き、乾燥を防ぎます。
  • やさしい口腔清掃:歯磨き・舌のケア・うがいをセットで行い、細菌の温床を減らします。
  • 生活習慣の見直し:栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレス軽減も免疫力維持に大切です。

再発しにくい環境づくりが、膿栓の悩みから解放される近道です。

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よくある質問(FAQ)

耳鼻科で断られたらどうすればいい?

症状が軽ければ自宅ケアで様子を見ても構いません。痛みや発熱がある場合は、別の耳鼻科や総合病院を受診してみましょう。

毎日取ってもいいの?

毎日の膿栓除去はおすすめできません。粘膜が傷つき、炎症や再発の原因になります。気になる時だけ、やさしく行うようにしましょう。

臭いが強い時は?

一時的に口臭が強い場合は、うがいや口腔清掃で改善することもありますが、慢性的な場合は耳鼻科や口臭外来での診断が必要です。

著者の一言アドバイス

著者の一言アドバイス

膿栓は「強く押し出す」ほど再発と炎症の悪循環に陥ります。まずは“弱い刺激で自然に出す”が基本。ぬるま湯うがい → 丸型洗浄瓶の弱水圧 → 鼻呼吸・加湿を1週間続けてみてください。変化が乏しければ耳鼻科での相談をおすすめします。

※喉の膿汁除去にはアルカリ性のうがいが有効です。うがい用のアルカリイオン水に関しては、製品案内ページをご参考ください。

参考文献リスト:

うがいで膿栓を予防する