舌が白い(舌苔)

舌の汚れの取り方はコットンで拭くだけ

コットン(綿花)で舌苔を取る方法

舌の汚れの正体は舌苔です。そして、口臭の6割が舌苔(ぜったい)から発生するといわれています。舌の表面には、食べかすや細胞の死がいが溜まりやすく、たんぱく汚れを餌にする嫌気性菌が集まって白い塊「舌苔」ができます。

出典:テーマパーク8020 日本歯科医師会

口臭を改善するためには、この舌苔を取り除く必要があります。そのため、舌ブラシや歯ブラシを使って舌磨きをしている方が多いのではないでしょうか?

しかし、良かれと思った舌磨きによって、舌苔が慢性化していることがあります。舌苔が悪化する理由は、過剰な舌磨きと、傷ついた舌に歯磨き粉の界面活性剤が付着するからです。

もし、舌苔が慢性化しているのでしたら、コットン(綿花)で拭く「舌苔の取り方」をご参考にされてはいかがでしょう。

口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)上林登が書きました。

舌の汚れは舌苔

舌の汚れ(舌苔:ぜったい)は、脱落細胞、唾液、細菌、食べ物の残りかす、白血球などが混ざり合って形成される堆積物です。また、舌苔の形成には口腔内の微生物活動が大きく関わっているため、口臭の原因になります。口臭を改善するためには、舌の汚れを取り除くことが重要です。

舌の汚れ(舌苔)の正体について、以下の学術論文からの情報が参考になります。

  1. 舌苔の一般的特徴: Seerangaiyanら(2018年)によると、舌苔は舌に形成される灰白色の堆積物で、口内の悪臭(口内ハロイトーシス)の主な原因です。舌苔の形成に影響を与える要因やその一般的な特徴について説明されています。揮発性硫黄化合物(VSC)が口内ハロイトーシスの主要成分であり、舌苔と歯周疾患がVSCの二大源泉であるとされています(Seerangaiyan et al., 2018)。

  2. 舌苔の微生物組成: Li Xian(2014年)の研究によると、舌苔は、舌の表面に堆積する脱落細胞、唾液、細菌、食べ物の残りかす、白血球などで構成されています。舌の微生態系の変化は、舌苔の形成と変化に影響を与える重要な要因です(Li Xian, 2014)。

舌の汚れが増える原因

舌の汚れ(舌苔)は高齢者にできやすいのですが、どうしてだと思いますか?その理由は、唾液の分泌が少ないことです。唾液量が減ると、口内が乾燥し細菌が増えるからです。

特に、介護者に舌苔ができやすいのは、十分に口腔ケアができないからです。口内が不清潔になると細菌が増殖し、舌苔の原因になります。

この他にも、降圧剤や安定剤などのお薬を服用していると、副作用によって唾液量が減少することがあります。

また、年齢が若い人でも、ストレスが多いなどで自律神経が乱れると、舌苔ができやすく、また治りにくくなります。

暴飲暴食や疲労でも、舌苔ができて舌は白くなりますが、この場合は一時的ですのでご心配ありません。舌苔の原因について詳しくは、こちらをご参考にしてください。

> 舌が白い!舌苔の原因と取り除き方

舌の汚れが取れない場合は舌磨きを中止する

舌の汚れ(舌苔)が増えると口臭も強くなっていきます。口臭を防ぐには、ブラシなどを使って舌苔を除去すると効果的です。しかし、毎日、舌磨きをしているにもかかわらず、白くなった舌がきれいにならない場合は、舌磨きを中止してください。

舌磨きをしても、白くなった舌が元に戻らない時は、舌乳頭が傷ついている可能性が高いです。傷ついた舌乳頭に、刺激の強い歯磨き粉が付くと、さらに舌苔を悪化させるのでご注意ください。

> 舌磨きはしないほうがいい!?舌磨きのメリット・デメリットと正しい舌ケアの方法を解説

舌磨きが習慣になっている場合は、舌磨きをやめることに躊躇するかもしれませんが、1~2週間舌磨きを中止して様子をみましょう。

コットンを舌磨きに使用するメリット

コットンは綿繊維の先端が丸みをおびているため、舌乳頭に触れたときに柔らかくやさしく、安心して使用できます。

また、コットン(綿花)の生地が舌の汚れをくっ付けて取りやすいのがメリットです。

コットンで拭く舌苔の取り方

・準備するもの…歯磨き粉「美息美人」、コットン(綿花)

【舌ケアの手順】

1、歯磨き粉「美息美人」でアルカリイオン水をつくる。
コップに美息美人のボトルを一振りして、水を入れてまぜる。
2、コップのアルカリイオン水を口に含み、うがいを行う。(5秒×3回)
3、コットン(綿花)にアルカリイオン水を浸し、舌表面を拭く。
4、コットンの拭き方は、舌の奥から前方に向けて、優しく舌苔に塗るように拭く。
5、仕上げは、水を口に含み、軽くくちゅくちゅとうがいをして吐き出す。

コットン(綿花)による舌苔の取り方は以上ですが、朝と就寝前の2回行うと効果的です。

綿棒

綿棒を使った舌苔の取り方も、コットンの場合と同じようにアルカリイオン水(または重曹水)を使用して行ないます。

以下のステップで行います。

  1. 綿棒を水で軽く濡らし、舌の表面を優しく拭きます。
  2. 舌の奥から手前に向かって、凹凸を意識しながら拭き残しがないようにします。
  3. 白い舌苔に対して、綿棒で強くこするのではなく、軽く拭くことが重要です。
  4. 舌を傷つけないよう、綿棒を使って力を入れずに拭くことを心がけましょう。
  5. 力を入れずに優しく拭くことで、舌の汚れを効果的に取り除きます。

舌汚れの除去効果を高めるために

先ほどもお伝えしたように、舌苔は唾液減少が影響するなど、じつに厄介です。ですから、コットン(綿花)法を行っただけでは、中々効果が表れにくいかもしれません。

その場合は、唾液がよく出るように、口と舌の体操や、こまめに水分摂取をすることが効果的です。ただし、コーヒーには利尿作用があるため逆効果になるのでご注意ください。

唾液の分泌を増やす方法は、こちらをご参考にしてください。

自宅でできるドライマウス対策

まとめ

舌の汚れの元、舌苔の取り方は、「コットンで拭く方法」以外にもいくつかあります。一般的なのは、専用の舌ブラシで舌を磨く方法ですが、たとえ専用ブラシであっても、磨きすぎないように注意してください。

舌磨きにスプーンを使用する方法もありますが、スプーンの縁を使うと舌を傷つけます。だからといってスプーンの裏面を使うと、舌をなぜるだけで舌苔を取ることは難しいです。

また、ティッシュペーパーで舌を拭くと、舌苔が取れそうに思いますが、実際ティッシュペーパーで舌をこすってみると、舌苔が乾き、よけいに舌が汚く見えるようになります。

厚く舌苔ができている場合には、「アルカリイオン水を使いコットンで拭く方法」か、「指で舌ジェルを塗り込む方法」がおすすめです。是非お試しください。

舌苔が多い人必見!原因と対策を詳しく解説

舌苔が多い理由と影響:健康への影響と効果的な対策まで徹底解説

口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

舌苔(ぜったい)が多いと悩んでいる方へ、この記事では舌苔の原因や健康への影響を徹底的に解説します。舌苔が多い理由を知り、適切な対策で口内環境を整えることで、口臭や感染リスクを減らしましょう。

・参考:口臭の原因・実態 厚生労働省e-ヘルスネット

さらに、舌の白さが栄養不足とどう関係しているのかも解説。舌苔の予防と治し方を学んで、健康的な口内環境を手に入れるための知識を得ましょう。

舌苔とは?その原因と影響

舌苔とは、舌表面に付着した白っぽい苔のようなものを指します。それでは、舌苔ができる原因や、その影響について詳しく見ていきましょう。

・関連記事:舌が白い!舌苔の原因と取り除き方

舌が白くなる原因

メイヨー・クリニックのウェブサイトによると、白い舌(舌苔)の一つの原因は口腔カンジダ症です。これは口の中のカンジダという菌が過剰に増えることによって起こります。口腔カンジダは白くクリーミーな病変を舌や口内の他の部分に引き起こすことがあります。

この状態は一般的に健康な人には無害で、一時的なものですが、免疫系が弱っている場合にはより重篤な問題となることがあります。カンジダ症のリスク要因には免疫力の低下、糖尿病、特定の薬剤の使用、乾燥した口、義歯の使用などがあります。

・関連:口腔カンジダはうつる?キスや家族との接触、そのリスクと真実

舌苔の定義と原因

舌苔は、舌表面に付着した細菌、食べカス、死んだ細胞などが混ざり合ってできる白っぽい苔のようなものです。舌苔が多い原因は様々で、以下のような要因が挙げられます。

  1. 口内環境が不潔
  2. 口が乾燥している
  3. 食べ物の摂取パターン(間食が多いなど)
  4. 口呼吸の習慣

これらの要因が絡み合って、舌苔ができやすい状況が生まれます。

舌苔ができるメカニズム

舌苔ができるメカニズムは、口内環境が悪化することにより、細菌の繁殖が促進されることが大きな要因です。細菌は舌表面に付着し、食べカスや死んだ細胞と混ざり合い、舌苔となります。また、口が乾燥していると唾液の量が減少し、舌苔を除去することが難しくなります。

舌苔が多いと、口臭の原因となることが多く、さらに感染症のリスクも高まります。舌苔を適切にケアすることで、健康的な口内環境を維持し、口臭や感染症のリスクを軽減することができます。

舌苔が多い理由とは?

舌苔が多い理由はいくつかあります。それぞれの要因について詳しく見ていきましょう。

口内環境の悪化

口内環境が悪化すると、細菌が繁殖しやすくなります。これが、舌苔が多くなる大きな要因となります。歯磨きやうがいを怠ったり、歯間ブラシやデンタルフロスを使わないと、口内環境が悪化し、舌苔が増える可能性が高まります。

口の乾燥

口の乾燥は、舌苔が多くなる原因のひとつです。唾液が減少すると、舌苔の除去が難しくなり、舌苔が増えやすくなります。睡眠中の口呼吸や、水分摂取が不足している場合、口が乾燥しやすくなります。

・関連:ドライマウス症状とその対処法: 更年期から治療までの包括的ガイド

舌の筋力が弱い

舌の筋力が弱いと、舌の動きが悪く口蓋と擦れなくなり、舌表面をきれいに保つことが難しくなります。これが、舌苔がたまりやすくなる原因となります。舌の筋力を鍛えることで、舌苔を減らすことができます。

・関連:低位舌トレーニングの効果と実践方法

間食が多い

間食が多いと、食べ物が口内に残りやすくなり、舌苔が増える原因となります。食事の間隔を適切に保つことで、舌苔がたまりにくくなります。

口呼吸

口呼吸をしていると、口内が乾燥しやすく、舌苔が増えるリスクが高まります。鼻呼吸を意識することで、口の乾燥を防ぎ、舌苔を減らすことができます。

これらの要因が重なることで、舌苔が多くなる可能性が高まります。舌苔のケアに注意し、健康的な口内環境を維持することが大切です。

舌苔が多いとどうなる?健康への影響

舌苔が多い場合、それが健康に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的な影響について詳しく見ていきましょう。

口臭の原因となる

舌苔が多いと、口臭の原因となりやすいです。舌苔には、口臭の元となる細菌が多く存在するからです。舌苔が増えることで、細菌が繁殖しやすくなり、口臭が悪化する可能性があります。

・関連:うんちの臭いがする口臭はがんのサイン?胃腸の健康から警告信号まで解明

舌の感覚が鈍くなる

舌苔が多くなると、舌の感覚が鈍くなり味覚障害を起こすことがあります。舌苔が舌の表面を覆うことで、味覚や温度感覚が正確に伝わりにくくなるからです。対策としては、舌苔を適切にケアすることで、舌の感覚を維持することができます。

舌表面の感染リスクが高まる

舌苔が多いと、舌表面の感染リスクが高まることがあります。舌苔には、常在菌のカンジダや悪玉菌が存在することがあり、異常増殖して活発になると、これが原因で舌表面に炎症や感染が起こることがあります。舌苔のケアを怠らず、舌表面を清潔に保つことが重要です。

舌苔が多いと、これらの健康上の問題が発生する可能性があります。適切な舌苔ケアを行い、健康的な口内環境を維持することが大切です。

舌が白いのは何不足?栄養面から見る舌の状態

白い舌(舌苔)は、栄養不足、特に鉄分やビタミンB群の欠乏に関連している可能性があります。また、栄養の不足はカンジダ症の原因にもなり、白い舌(舌苔)を形成に関与します。

ただし、舌苔の形成は他の要因による可能性もあるため、栄養不足が唯一の原因とは限りません。舌の健康を維持するためには、バランスの取れた食事と適切な口腔衛生が重要です。

白い舌(舌苔)が栄養不足によって引き起こされるかどうかについて、以下の研究結果に基づいて説明されています。

  1. 栄養不足と口腔カンジダ症: 栄養不足は口腔カンジダ症の原因の一つであり、これが白い舌(舌苔)の形成に関与することがあります。口腔カンジダ症は、通常、カンジダ菌による感染症で、舌の白い斑点や膜の形成を引き起こすことがあります(Hernawati, 2019)。

  2. 特定の栄養素の欠乏: 鉄、ビタミンB群(特にビタミンB12)、葉酸などの特定の栄養素の欠乏は、舌の健康に影響を与える可能性があります。これらの栄養素が不足すると、舌の表面に変化が生じ、舌苔の形成につながる場合があります(Terai & Shimahara, 2005)。

  3. 舌の表面の変化と栄養状態の関連: 舌の表面の変化、特に舌苔の形成は、全体的な栄養状態と関連がある可能性があります。栄養不足は舌の表面に影響を及ぼし、舌苔の形成を促すことがあります(Seerangaiyan et al., 2018)。

舌が白い場合、それは舌苔が多いことが原因の場合もありますが、栄養不足が関与している場合もあります。以下で詳しく見ていきましょう。

舌苔による白さと栄養不足による白さの違い

舌苔による白さは、舌の表面に細菌や死んだ細胞が溜まっていること(舌苔)が原因です。一方、栄養不足による白さは、ビタミンやミネラルの不足が原因で舌の色が変わることがあります。

舌苔の予防と対策:効果的な方法をご紹介

舌が白い人の場合は、口腔ケア不足、特に舌清掃と歯磨き不足が影響するので、口腔ケアを十分に行なうよう心がけましょう。

舌苔が多いと口臭や口内感染のリスクが高まります。以下の予防と対策方法を実践して、舌苔を減らし、健康な口内環境を維持しましょう。

・関連:舌磨きの正しい方法とデメリット:口臭対策の真実

舌ブラシや舌スクレーパーを使った舌の清掃

舌の表面を清潔に保つことで、舌苔の発生を抑えることができます。舌ブラシや舌スクレーパーを使って、舌の表面を優しくこすり、細菌や死んだ細胞を除去しましょう。

・関連:舌の奥の舌苔が取れない!効果的な取り方とは

適切な歯磨きとうがいで口内環境を整える

歯磨きと適切なうがいで口内環境を整えることが大切です。歯磨きは1日2回以上、そして食後すぐにうがいを行うことで、口内の細菌を減らすことができます。

水分摂取で口の乾燥を防ぐ

口の乾燥は舌苔の発生につながります。適切な水分摂取を心がけ、唾液の分泌を促して口の乾燥を防ぎましょう。水やお茶を飲むことで口内を洗い流す効果もあります。

口呼吸の改善

口呼吸は、細菌が増えやすく、口内環境が悪化し舌苔が増える原因となります。鼻呼吸を意識することで、口内環境を改善し、舌苔の発生を抑えることができます。

規則正しい生活習慣を心がける

ストレスや睡眠不足は、口内環境の乱れを引き起こし、舌苔が増える原因となります。規則正しい生活習慣を心がけ、ストレスを軽減することで、舌苔の予防に繋がります。

これらの方法を実践することで、舌苔が多い状態を改善し、健康な口内環境を維持できます。舌のケアを習慣化し、舌苔を予防しましょう。

まとめ

舌苔が多い状態は、さまざまな健康リスクを引き起こします。適切な予防対策を実践することで、これらのリスクを軽減できます。

  1. 舌の清掃: 舌ブラシや舌スクレーパーを使用
  2. 口内環境の整え方: 正しい歯磨きとうがい、アルカリイオン水の使用
  3. 水分摂取: 口の乾燥を防ぐために十分な水分を摂る
  4. 口呼吸の改善: 鼻呼吸を意識する
  5. 規則正しい生活習慣: ストレスや睡眠不足を避ける

これらの方法を取り入れることで、舌苔が多い状態を改善し、健康な口内環境を維持できます。舌のケアを日常的に行い、舌苔を予防しましょう。

うがいで舌苔を取る