喉に白いできものができたら?原因と効果的な対処法

喉に白いできものができる原因と対処法

口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

「喉に白いできものができて心配…でも原因がわからない!」そんな悩みを抱えていませんか?喉に白いできものが現れると、つい重い病気を疑ってしまいますよね。しかし、膿栓(臭い玉)や口内炎など、実は多くのケースが比較的軽い症状に過ぎません。

この記事では、喉に白いできものができる主な原因と、簡単にできる治し方を初心者向けにわかりやすく解説します。病院に行くべきタイミングや自宅でできるケアも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

喉に白いできものができる主な原因

喉に白いできものが見られる原因はさまざまで、そのほとんどが感染症や炎症によるものです。代表的な原因として、膿栓(臭い玉)、急性咽頭炎、扁桃炎、ウイルス感染症、さらには口内炎や腫瘍などが考えられます。各原因に応じて症状や治療法が異なるため、適切な診断と対処が必要です。

例えば、食後や風邪を引いた後に膿栓ができやすいと感じる場合、唾液分泌が少なく、口内環境が悪化していることが考えられます。

・参考:「扁桃腺の白いできもの」の画像、google

膿栓(臭い玉)とは

膿栓の定義と形成過程

膿栓(のうせん)は、喉の奥にある扁桃腺の陰窩(いんか)と呼ばれる小さなくぼみに食べ物のカス、細菌の死骸、口腔内の分泌物が溜まって固まった白色または黄色の塊です。別名「臭い玉」とも呼ばれ、その名の通り、独特の臭いを放つのが特徴です。膿栓は、扁桃腺の働きが活発な人や口腔内が乾燥しやすい人にできやすく、慢性的に発生することもあります。

膿栓の特徴と症状

膿栓が喉にできた場合、異物感や軽度の喉の痛みを伴うことが多いです。膿栓そのものは病的なものではなく、無症状のことも多いですが、長期間放置すると悪臭を放ち、口臭の原因となります。また、膿栓が大きくなると飲み込みにくさや喉の違和感を強く感じることもあります。

関連:口臭の原因はこれだった!臭い玉(膿栓)を自宅で安全に取り除く方法とは?

急性咽頭炎・扁桃炎の症状と治療

急性咽頭炎と扁桃炎は、喉に炎症が起きる病気です。咽頭炎は喉全体に、扁桃炎は扁桃腺に炎症が集中します。主な症状は、喉の痛み、赤み、発熱です。治療には、抗生物質や鎮痛剤を使用し、重症の場合は膿を取り除く処置が必要になります。特に、扁桃炎の場合、膿栓ができやすく、膿を伴う白いできものが見られます。

急性咽頭炎は風邪と同様に自然治癒することも多いですが、急性扁桃炎は適切な治療を行わないと症状が悪化し、扁桃周囲膿瘍を引き起こすこともあります。予防には、こまめなうがいや手洗い、喉を乾燥させないことが重要です。

ウイルス感染による喉の症状

ウイルス感染症とその影響

喉に白いできものが見られる原因として、ウイルス感染症も考えられます。特に、単純ヘルペスウイルスやエプスタイン・バールウイルス(EBウイルス)が喉の炎症を引き起こすことがあります。これらは、通常の風邪症状と異なり、強い喉の痛みや発熱、口内の潰瘍を伴います。

症状の特徴と治療法

ウイルス感染による喉の症状は、喉の痛み、発熱、口内の潰瘍、そして全身の倦怠感を伴うことが多いです。治療法としては、抗ウイルス薬の投与や、痛みを和らげるための鎮痛薬の使用が推奨されます。感染を防ぐために、手洗いやマスクの着用などの感染予防対策を徹底することが大切です。

その他の原因

口内炎や咽頭乳頭腫

口内炎は、口腔内や喉に白い斑点状の潰瘍を引き起こすことがあり、アフタ性口内炎と呼ばれます。主な原因は、ストレス、栄養不足、外傷などです。咽頭乳頭腫は、ヒトパピローマウイルス(HPV)による良性腫瘍で、喉に白いできものとして現れることがあります。

ポリープや喉のがんの可能性

喉に白いできものが見られる場合、稀に悪性腫瘍(喉頭がんや咽頭がん)である可能性もあります。これらは初期症状が軽度であるため見逃されやすいですが、声のかすれ、血痰、飲み込みの困難を伴う場合は、すぐに医師の診察を受けることを推奨します。

関連:膿栓と喉頭がんの隠された関係-原因と初期症状を徹底解説

喉に白いできものができたときの対処法

喉に白いできものができた場合、症状や原因に応じて適切な対処を行うことが重要です。自宅で様子を見る場合と、医療機関を受診する場合を見極めるポイントを解説します。

自宅でできる初期対処法

うがいや水分補給の重要性

喉に軽度の白いできものが見られる場合は、まずうがいや水分補給を心がけましょう。水分を十分に摂ることで、喉の粘膜を潤し、炎症を抑える効果があります。例えば、食後のうがいや温かいお茶を飲む習慣を付けることで、喉のケアを強化できます。

食事の工夫と休息の取り方

食事は刺激の少ない温かいものを選び、アルコールやカフェインなど喉を刺激する飲み物は避けましょう。また、十分な休息を取ることで、体の免疫力を高め、症状の改善を促進します。

医療機関を受診すべきサイン

以下の症状がある場合は、すぐに医師に相談しましょう:

  • 数日経っても白いできものが消えない
  • 強い痛みや発熱を伴う
  • 飲み込みづらさがある

これらは細菌感染や重篤な疾患のサインである可能性があり、早期の治療が必要です。

医師による治療法

医師はまず視診や細菌検査を行い、必要に応じて抗生物質や抗ウイルス薬を処方します。例えば、膿栓の場合、耳鼻咽喉科で専用の吸引器具を使って膿栓を取り除くことが可能です。自分で無理に取ると喉を傷つける恐れがあるため、必ず医師の指導の下で処置を行いましょう。

喉に白いできものの予防法と日常生活での注意点

喉に白いできものができるのを防ぐには、日常生活の中で口腔ケアや生活習慣を見直し、喉に負担をかけないことが重要です。以下の予防策を取り入れることで、喉の健康を維持し、白いできものができるリスクを軽減することができます。

正しい口腔ケアの実践

歯磨きとうがいの習慣

口腔ケアを徹底することで、喉や口内の細菌を減らし、感染症を予防できます。歯磨きは毎食後に行い、特に就寝前は念入りに行うようにしましょう。歯ブラシだけでなく、舌ブラシやデンタルフロスも併用すると効果的です。うがいは、殺菌効果のあるうがい薬を使用すると喉の衛生状態を保てます。特に、風邪や扁桃炎が流行している時期には、予防効果が高まります。

扁桃腺ケアの方法

扁桃腺は、細菌やウイルスの侵入を防ぐ役割を担いますが、膿栓が溜まりやすい部位でもあります。扁桃腺を清潔に保つためには、定期的に軽いうがいを行い、喉を潤すことが大切です。専用の「膿栓除去ジェル」などを用いると、膿栓の発生を防ぐことができます。のど飴やハーブティーを取り入れるのも効果的です。

免疫力を高める生活習慣

バランスの取れた食事

免疫力を高めるには、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。ビタミンA、C、Eは粘膜の健康を保ち、亜鉛や鉄分は免疫細胞の働きを促進します。例えば、緑黄色野菜や柑橘類、ナッツ類を積極的に取り入れるとよいです。また、プロバイオティクスを含むヨーグルトや納豆なども、腸内環境を整え、免疫機能を向上させます。

適度な運動と十分な睡眠

適度な運動は免疫力を高め、ストレスを軽減します。ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で日々の生活に運動を取り入れましょう。また、睡眠は免疫力に直結しているため、7~8時間の十分な睡眠時間を確保し、質の高い睡眠を取ることを心がけてください。就寝前にはスマホやテレビを控え、リラックスできる環境を整えましょう。

喉への負担を減らす工夫

過度な声の使用を避ける

長時間の大声や歌唱、叫び声は、喉の粘膜に負担をかけ、炎症を引き起こす原因となります。喉を酷使する機会が多い方は、定期的に声を休ませ、潤いを保つよう心がけましょう。特に、喉に違和感を感じたときには、無理をせず声を出すのを控え、温かい飲み物を摂取するとよいです。

加湿器の使用や乾燥対策

乾燥した環境は、喉の粘膜を弱くし、感染しやすくなります。部屋の湿度を50~60%に保つよう、加湿器を使用することをおすすめします。外出時にはマスクを着用し、喉を乾燥から守りましょう。例えば、オフィスや自宅で長時間過ごす場合、小型の卓上加湿器を用いると効果的です。

よくある質問(Q&A)

喉の奥に白い出来物ができたら何ですか?

喉の奥に白いできものが見られる場合、膿栓や口内炎、急性扁桃炎が考えられます。膿栓の場合、口臭を伴い、無害であることが多いですが、急性扁桃炎の場合は発熱や喉の腫れを伴うため、早めの治療が必要です。原因によって対処法が異なるため、まずはうがいや水分補給を試し、症状が改善しない場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。

扁桃腺の白い膿はどうやって治すの?

自宅での対処法としては、軽い膿栓の場合、うがいや専用の膿栓除去器を使用することができます。ただし、喉の粘膜を傷つける可能性があるため、自己処置は避けたほうが安全です。医療機関では、吸引器具を用いた除去や、抗生物質を使用した治療が一般的です。症状が頻繁に起こる場合は、扁桃腺摘出を検討することもあります。

喉に小さな白い塊ができたらどうすればいいですか?

小さな白い塊ができた場合、まずは1週間ほど経過を観察し、喉の痛みや腫れがないか確認しましょう。膿栓や軽い口内炎の場合、自然に治ることも多いですが、膿が広がる、もしくは増加するようであれば、医師の診察を受けてください。特に、喉の奥に見えづらい場合は、自己判断が難しいため、専門医による診断が推奨されます。

喉が痛くて白いものができている原因は何ですか?

喉が痛み、白いできものが見られる場合、急性咽頭炎や扁桃炎、またはウイルス感染が考えられます。これらは喉の粘膜が炎症を起こしているサインで、炎症が進行すると発熱や飲み込みづらさを引き起こすこともあります。こうした症状が見られる場合、速やかに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。

喉に白いできものが癌の可能性はありますか?

稀ですが、喉の白いできものが咽頭がんや喉頭がんなどの悪性腫瘍であることも考えられます。特に、できものが消えずに長期間続く、または声がかすれる、飲み込みづらいといった症状を伴う場合は、すぐに専門医を受診し、組織検査などの詳細な検査を受けることが推奨されます。

まとめ

喉に白いできものができる原因は、膿栓や急性扁桃炎、ウイルス感染など多岐にわたります。それぞれの原因に応じた対処法や予防策を知ることが、症状を軽減し再発を防ぐ鍵です。日常生活では、正しい口腔ケアや喉を保護する生活習慣を心がけることが大切です。もしも症状が長引く、または悪化するようであれば、早めに医師の診察を受けましょう。

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参考文献:

口腔・咽頭の病気 一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 

扁桃疾患 兵庫医科大学病院

うがいで膿栓を予防する

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