臭い玉(膿栓)

喉に白い臭い玉(膿栓)ができたことで困っている人が多いのではないでしょうか。でも、臭い玉(膿栓)は取っても何度でもできるし、人によってできる原因が異なります。ですので、自分の臭い玉(膿栓)ができる原因をよく知って対策することが重要です。
こちらでご紹介している記事をお読みいただければ、臭い玉(膿栓)の悩みを解決できると思います。

臭い玉(膿栓)とは

膿栓(臭い玉)を指の上にのせる

膿栓(臭い玉)は、扁桃(へんとう)の穴に粘液(免疫)と細菌の死がいが集まってできた米粒大の固まりです。 ですから、膿栓が出来ると、喉がイガイガしたり、喉から鼻に抜ける口臭を感じるようになります。

引用:口臭の元!臭い玉(膿栓)ができる4つの原因と取り方

臭い玉(膿栓)が出来る場所

臭い玉(膿栓)ができると、喉に白い玉が見えることがありますが、一般的には扁桃(へんとう)の陰窩(いんか)という穴の中にかくれているために見えないことの方が多いのです。詳しくは『膿栓が見えない?膿栓のできる場所はここ!直接取るのは危険』をご参考にしてください。

臭い玉(膿栓)ができた時の症状

えへん虫

臭い玉(膿栓)は見えていないのに、喉にイガイガなど違和感を感じたり喉から鼻にかけて下水臭がすることも。喉がイガイガしエヘン虫がよく出る場合は、『エヘン虫が暴れる原因とだまらす方法はコレ!』をご参考にしてください。

臭い玉(膿栓)が口臭原因!?

臭い臭いと鼻をつまむ女

ところが、ある日くしゃみや咳をした時に、臭い玉(膿栓)が口に飛び出してくることがあります。初めて異様な形の臭い玉(膿栓)を見たり、ひどいニオイを嗅ぐことで、口臭が気になるきっかけになる人が多いです。

臭い玉(膿栓)が臭くなるのは…

細菌の死がいの固まりである膿栓(のうせん)に細菌が繁殖し腐敗を起こすからです。だから…膿栓(のうせん)は臭い!

引用:口臭原因!膿栓(のうせん)についての基礎知識

本当は膿汁(のうじゅう)が口臭原因になっている

粘液のイメージ

膿汁(のうじゅう)というのは聞きなれない名前かもしれませんが、膿汁は膿栓の元となる粘液です。

膿汁ができると、喉に痰がへばりつくような感じになり違和感を感じることがあります。また、膿汁は唾液に混じり、舌の奥に舌苔(ぜったい)をつくる原因になる。この二つのことによって、強い口臭を発生する原因になります。

口臭の元である膿汁(のうじゅう)は、扁桃(へんとう)から分泌される粘液(免疫物質)に細菌の死がいなどが混じり膿化したものをいいます。

膿汁(のうじゅう)は、だから臭い!それに、固まると臭い玉(膿栓)になる悪質な液体なのです。

引用:膿汁(のうじゅう)が本当の口臭原因!膿汁は膿栓より臭い!

臭い玉(膿栓)や膿汁ができる原因

膿栓のできる仕組みの図

臭い玉(膿栓)や膿汁は、喉にばい菌が増えることで扁桃(へんとう)の陰窩という穴にできるのですが、次のようなことがあると、更にできやすくなります。

  1. 口呼吸で喉が乾燥する
  2. 唾液が少ないため、喉が洗浄できない
  3. 後鼻漏で喉に細菌が増える
  4. 蓄膿症
  5. 鼻炎
  6. 咽頭炎、喉頭炎
  7. 逆流性食道炎

引用:膿栓(臭い玉)は取ってもすぐできる!予防の仕方はコレ!

耳鼻科疾患があるときには、治療をうけて先ず病気を治すことが大事です。また、口呼吸などによって口腔乾燥を起こしているときには、それらを改善することも大切です。

臭い玉(膿栓)の取り方

膿栓を綿棒で取る

綿棒などを使用して、ご自分で臭い玉(膿栓)を取ろうとする人がいますが、喉を傷つけたりばい菌が感染するかもしれないので、おすすめできません。安全に臭い玉(膿栓)を取る方法は耳鼻科で除去してもらうのが良いと思います。しかし、耳鼻科では、高熱が出ているなど悪化しているケースを除いて取らない医師が多いようです。まずは耳鼻科で相談されてはいかがでしょう。

耳鼻科では、イソジンなどのうがい薬でうがいを行うように勧められることが多いです。イソジンのようなうがい薬には、喉のばい菌を殺菌する効果がありますが、臭い玉(膿栓)を取るのは難しいかもしれません。

うがいを行うだけであれば、水によるうがいでも代用できます。

引用:うがいで膿栓(臭い玉)を効果的に取る5つのポイント

臭い玉(膿栓)の予防

息をはく女性

喉に細菌が感染しても、異常増殖しなければ、いずれ喉はきれいになります。それは、食事や飲み物、唾液が喉の細菌を洗い流すからです。そして、免疫作用によって喉が清潔になります。これが健康な人のからだ。

ところが、この除菌作用が働かない人がいます。除菌できなければ、慢性的に喉が不衛生状態になる。そして、膿汁(のうじゅう)ができるのです。

ところが、この除菌作用が働かない人がいます。除菌できなければ、慢性的に喉が不衛生状態になる。そして、膿汁(のうじゅう)ができるのです。

臭い玉(膿栓)ができやすい人の特徴は、口呼吸や唾液が少ないこと。そして、喉にばい菌が増えやすい環境にあることです。

ですから、臭い玉(膿栓)ができないように予防するためには、口呼吸を鼻呼吸になおすことも大事ですが、毎日、のどうがいを行い清潔を保つようにしなければいけません。常に喉がきれいな状態であれば、臭い玉(膿栓)や膿汁は予防できます。

引用:のどの膿を予防する方法!これで膿栓(のうせん)と膿汁(のうじゅう)はなくなる

喉が臭い…がんの可能性は?専門医が教える初期症状チェックと対策

臭いと鼻をつまむ女性と不思議な表情の男性

こんにちは、口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

喉の奥から漂うイヤな臭い──「これってもしかしてがん?」と不安になりますよね。実際、喉の臭いの多くは膿栓(臭い玉)や口腔ケア不足など良性の原因で起こりますが、まれに咽頭がん・喉頭がんなど重大な病気が隠れていることも否定できません。

本記事では、まず考えられる主な原因とセルフケアを整理したうえで、がんを疑うべき兆候と受診の目安を専門家の知見を交えて解説します。不安を手放し、正しい一歩を踏み出すためのガイドとしてご活用ください。

喉が臭くなる主な原因とは?まず疑うべき4つの要因

膿栓(臭い玉)|最も多い原因とセルフケアの基本

喉の奥にある口蓋扁桃のくぼみに食べかすや細菌が固まり、白〜黄の小粒状になったものが膿栓(のうせん)です。強い硫黄臭を放つため、自分でも「ドブ臭」「腐った卵の臭い」と感じることがあります。

鏡とライトで喉を照らし、白い粒が見えれば膿栓の可能性大。シャワーでの洗浄や、ぬるま湯でのうがいなどでセルフケアできますが、綿棒などを使って無理に取ろうとすると、出血や炎症を起こすリスクがあるため注意が必要です。詳しい取り方と予防策は膿栓の取り方完全ガイドをご覧ください。

口腔内の衛生不良|歯周病・舌苔との関係

歯周病菌や舌苔に含まれる嫌気性菌は、硫化水素など揮発性硫黄化合物(VSC)を産生し強烈な悪臭を放ちます。特に舌苔が厚い人は喉までニオイが逆流し、「喉が臭う」と感じやすくなります。

毎日の歯磨きに加え、デンタルフロス・舌ブラシを取り入れてバイオフィルムを徹底除去することが臭い対策の基本です。

舌苔除去の具体的手順は舌苔のセルフケア法をご覧ください。

副鼻腔炎・後鼻漏|鼻〜喉にたまる膿と悪臭

慢性副鼻腔炎(蓄膿症)や後鼻漏があると、膿性の粘液が喉へ流れ込みます。この粘液が細菌分解を受けると強い生臭さを発し、口呼吸時に喉奥から悪臭を感じる原因になります。黄色〜緑色の鼻水や鼻づまりが長引く場合は、耳鼻咽喉科での治療が必要です。

より詳しい治療法は副鼻腔炎・後鼻漏の治療法で解説しています。

逆流性食道炎など消化器系トラブル|胃酸逆流による刺激臭

食後や就寝中に胃酸が食道へ逆流すると、酸っぱい刺激臭が喉に残りやすくなります。ゲップ・胸やけ・呑酸(どんさん)を伴う場合は逆流性食道炎が疑われるため、消化器内科に相談しましょう。日常では「寝る3時間前までに食事を済ませる」「高脂肪食・アルコールを控える」など生活習慣の見直しが有効です。

生活習慣改善や治療法は逆流性食道炎の予防と治療の記事を参考にしてください。

喉の臭いは「がん」のサイン?関係性を徹底解説

臭いだけでがんを疑う必要は低い理由

国立がん研究センターの統計によると、咽頭がん・喉頭がんの年間罹患率は人口10万人あたり約10〜15人と比較的まれです。さらに「臭いのみ」を初発症状とするケースはごく少数で、多くは喉の違和感や声のかすれ、飲み込みづらさなど複合症状を伴います。したがって、臭いだけで即がんとは考えにくいのが実情です。

がんを疑うべき5つの初期症状チェックリスト

  • 喉の違和感・異物感が2週間以上続く
  • 声のかすれ・しゃがれ声が改善しない
  • 片側の扁桃腺や頸部リンパ節が腫れ、徐々に大きくなる
  • 飲み込み時の痛みが耳まで響く
  • 痰や唾液に血が混じる、原因不明の体重減少

上記のうち1つでも該当し、なおかつ喫煙歴・多量飲酒歴がある場合はリスクが上昇します。早めの耳鼻咽喉科受診で内視鏡検査を受けましょう。

がん由来の臭いの特徴と発生メカニズム

進行がんでは腫瘍組織が壊死し、揮発性アミン類や腐敗ガスが発生して腐った肉のような独特の悪臭を放つことがあります。ただしこれは病期がかなり進んだケースで、初期段階で臭いだけが強い症状として出ることは稀です。「臭い+他症状」の有無を見極めることが重要になります。

豆知識:臭い玉と扁桃がんの違い

項目 膿栓(臭い玉) 扁桃がん
見た目 白~黄の粒状塊が扁桃のくぼみに付着 不規則なしこりや腫瘤、扁桃自体の膨張
症状 強い硫黄臭のみ 痛み、違和感、出血、嚥下障害など多様
発生部位 口蓋扁桃のくぼみ 扁桃腺の表面または周囲組織
痛みの有無 ほとんど痛みなし 進行すると強い痛みを伴う
対処法 ぬるま湯うがいで自然排出を促す 早期は内視鏡手術/進行時は放射線・手術

自宅でできるセルフチェック&応急対処法

鏡とライトで喉を観察する手順

洗面所の明るい照明下、口を大きく開けてスマホライトや小型LEDライトで喉を照らし、扁桃周辺を確認します。白〜黄の粒が見えれば膿栓、扁桃腺自体の腫れや左右差があれば炎症や腫瘍の可能性を考慮します。

膿栓の安全な取り方とNG行動

膿栓は無理に取り除こうとせず、まずは自然に排出されるのを待つのが基本です。 気になる場合は、ぬるま湯でのうがいなど、負担の少ない方法で様子を見ましょう。

爪や金属製の器具、強い水圧のシャワーなどを使って無理に掘り出そうとすると、喉の粘膜を傷つけたり出血したりする危険があります。 痛みや腫れ、赤みなどの症状がある場合は、自己処置をせず、耳鼻咽喉科での適切な対応を受けてください。

口腔ケア・うがい・水分補給でニオイを抑える

歯磨き+舌ブラシで舌苔を除去した後、殺菌性の低いマウスウォッシュ(塩化セチルピリジニウムなど)で30秒うがいをすると口腔内の細菌数が低減します。さらに水またはノンシュガー緑茶をこまめに飲んで粘膜を潤すことで、臭い物質が喉に留まるのを防げます。

さらに詳しい口臭ケア方法はこちらの口臭対策マニュアルで解説しています。

不安を感じたら?専門医による検査と治療の流れ

耳鼻咽喉科で受けられるファイバースコープ検査

最も一般的な一次検査が経鼻ファイバースコープです。細いカメラを鼻から挿入し、喉頭や咽頭を直接観察するため、膿栓の隠れ場所や腫瘤の有無を数分で確認できます。局所麻酔スプレーを併用するので痛みはほとんどありません。費用は保険適用で3,000〜5,000円程度(3割負担)と比較的手頃です。

CT・MRI・生検など追加検査の概要

ファイバースコープで異常が疑われた場合、CTやMRIで腫瘍の広がりを精査し、必要に応じて悪性かどうかを判定する組織生検を行います。生検は局所麻酔下で病変部の一部を採取するだけなので、入院不要の日帰り検査がほとんどです。

早期発見時の治療選択肢と予後

喉頭がん・咽頭がんはステージI〜IIなら放射線単独または内視鏡手術で治癒率80%以上と報告されています。一方、進行がん(ステージIII以降)は治療の長期化や声帯摘出のリスクが上がるため、早期発見のメリットは大きいと言えます。

喉を健康に保つ5つの生活習慣&予防策

禁煙・節酒でリスクを下げる

タバコは喉頭がんリスクを約5倍、多量飲酒は咽頭がんリスクを約2〜3倍に高めるとされます。完全禁煙と1日1合以下の節酒を目標にしましょう。

口腔内の保湿と定期クリーニング

唾液は天然の抗菌・自浄作用があります。水分摂取、キシリトールガム、無糖の緑茶などで保湿しつつ、歯科でのプロフェッショナル・クリーニングを半年に一度受けると口腔常在菌バランスが整います。

バランスの良い食事・睡眠で免疫力アップ

ビタミンA・C・Eや亜鉛が不足すると粘膜修復が遅れ、炎症が慢性化しやすくなります。野菜・果物・魚・ナッツを適量取り、7時間前後の睡眠で免疫機能を維持してください。

定期的な耳鼻科・歯科検診のすすめ

「異常なし」と言われること自体が安心材料。特に50歳以上や喫煙歴のある方は、年1回の耳鼻咽喉科内視鏡チェックをルーチンにすると早期発見につながります。

ストレス管理で唾液分泌を促す

深呼吸・軽い有酸素運動・ガム噛みなどで副交感神経を優位にすると唾液量が増え、喉の乾燥と臭いを抑制できます。1日5分の舌回し体操もおすすめです。

よくある質問(FAQ)

喉が臭いだけで病院に行っても大げさではありませんか?
いいえ、「心配だけど様子見」はストレスの元。膿栓除去や口腔ケアで改善しない場合は気軽に耳鼻咽喉科へ相談しましょう。
受診するなら何科がベスト?
臭いの発生源が喉奥に感じられるなら耳鼻咽喉科が第一選択です。逆流性食道炎が疑われる場合は消化器内科も検討してください。
ファイバースコープ検査は保険適用されますか?
はい、多くの医療機関で3割負担の保険適用です。料金は施設により異なりますが、3,000〜5,000円前後が目安です。
膿栓を取ってもすぐ再発します。予防法は?
口呼吸を鼻呼吸へ改善し、うがい・舌磨き・水分補給を習慣化することで再発頻度を大幅に減らせます。詳しくは膿栓特化記事をご参照ください。

まとめ|正しい知識で不安を手放し、早期発見につなげよう

喉の臭いだけで過度に怯える必要はありません。しかし、少しでも『おかしいな』と感じる症状があれば早めに専門医に相談しましょう。専門家の診断を受けることで不安を解消し、必要なら早期治療に踏み出せます。正しい知識と適切な対処で、喉の健康を守っていきましょう。

著者の一言アドバイス
喉の不快感や臭いに気づいたら、まずは無理せずセルフケアをしましょう。日々のうがいと水分補給、そして鼻呼吸を心がけることで、喉の健康が守れます。気になる症状が続く場合は早めに専門医へ相談することをお勧めします。

膿栓が石化する原因と危険性|放置は扁桃結石や手術リスクに要注意!

膿栓の石化(扁桃結石)

膿栓(臭い玉)は正式には扁桃栓子と呼ばれ、これが石灰化して硬くなったものが扁桃結石(へんとうけっせき)です。通常、膿栓は乳白色や黄色で1ミリ~5ミリ程度ですが、中には黒っぽく変色し「黒い石」のようになるケースがあります。

膿栓は、カルシウムやミネラルを含む食べ物カスが扁桃に蓄積・硬化したもので、潰すとドブや硫黄のような臭いがして口臭の原因になることがあります。ただし、潰さなければ通常は臭いを発することはありません。

参考:扁桃結石(膿栓)の画像

また、石灰化(石化)は、体液中のカルシウムイオンが炭酸カルシウムなどとして細胞間に沈着する現象で、膿栓以外にもさまざまな場所で起こります。膿栓の石灰化は明らかに良性ですが、乳がんのような病的石灰化も存在します。

※明らかな良性石灰化には、①皮膚の石灰化、②血管の石灰化、③線維腺腫の石灰化、④乳管拡張症に伴う石灰化、⑤円形石灰化、⑥中心透亮性石灰化、⑦石灰乳石灰化、⑧縫合部石灰化・異栄養性石灰化があります。
引用:医療科学者 マンモグラフィ技術編

今回は、膿栓の石化(石灰化)について詳しく説明しますので、ご参考になれば幸いです。

この記事は、口腔ケアアンバサダー(社団法人口腔ケア学会認定)の上林登が書きました。

膿栓が石化(扁桃結石)するメカニズムとは?

口の中から石が出てくる病気とは?

唾石症は、唾液を分泌する唾液腺やその導管内に、硬い石のような塊が形成される病気です。唾液は唾液腺で生成され、導管を通って口内に放出されます。唾液には、口腔内を潤し清潔を保つほか、食べ物の消化を助ける役割があります。

さらに、唾液にはカルシウムが豊富に含まれており、このカルシウムが細菌や異物に結合して固まり、唾石と呼ばれる塊を形成します。

▶膿栓が黒く固まる前に、そもそもなぜ膿栓ができやすいのかを知っておきたい方は、「膿栓ができる原因と体質の関係」をご覧ください。

臭い玉の特徴

膿栓(臭い玉)は、白や黄色をした小さな塊で、大きさは1〜5mm程度です。質感はチーズのようで、潰すと非常に強い悪臭が漂うことから、「臭い玉」とも呼ばれます。この悪臭は、膿栓が口臭の原因となる一因です。

【症例別】石化の痛み・黒い塊・茶色い塊の正体

膿栓が黒くなる理由とは?

膿栓(臭い玉)は、ふつう乳白色から黄白色をした柔らかい塊ですが、長期間扁桃にとどまると茶褐色や黒っぽい色に変色することがあります。これには以下のような要因が考えられます。

  1. 血液の混入
    扁桃に微小な傷ができたり炎症が起きたりすると、血液がにじみ出ます。その血液が膿栓に付着し、酸化することで色が黒っぽく変わります。
  2. 石灰化の進行
    膿栓が固くなり石化(扁桃結石)する過程で、カルシウムやミネラルなどが蓄積し、色合いが濃くなる場合もあります。
  3. 細菌・老廃物の蓄積
    細菌の死骸や食べかすなどが長期間溜まると、さらに悪臭が強くなり、黒ずんだり茶色に変色することがあります。

痛みがある場合の危険性

基本的には膿栓(臭い玉)自体は柔らかいため、軽い異物感程度で痛みを伴わないケースが多いです。しかし、以下のような症状がある場合は注意が必要です。

  1. 扁桃炎や扁桃周囲膿瘍の兆候
    喉の痛み、飲み込みづらさ、高熱などが続く場合は、扁桃炎が悪化して膿が広がっている可能性があります。扁桃周囲膿瘍は放置すると呼吸困難など深刻なリスクを伴います。
  2. 扁桃結石の成長
    膿栓が石化(石灰化)して大きくなると扁桃を圧迫し、痛みや違和感を引き起こすことがあります。悪化すると手術(扁桃摘出)を要することも考えられます。

少しでも痛みや腫れを感じる場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診して原因を特定しましょう。

石化(扁桃結石)の症状

京都府立医科大学病院耳鼻咽喉科学教室が第64回 耳鼻咽喉科臨床学会(大阪)で口演した内容によると、扁桃結石が出来るのはまれであり、これまでのケースで見つかったのは口蓋扁桃だけで、舌扁桃の結石は一例だけだったそうです。

症状としては、咽頭に異物感(違和感)があるが異常はなく、扁桃結石が形成された原因は不明とのこと。また、膿栓や扁桃結石は同じ側の扁桃に再発する症例が多いようです。

膿栓ができたら(膿栓の取り方)

扁桃があるかぎり膿栓は誰にでもできるものですので、喉に違和感があったとしても異常がなければ病気を心配する必要はありません。

たとえ膿栓ができたとしても、ふつうは自然と取れてしまうので、それまで待つことをお勧めします。しかし、口臭が気になるなど早く膿栓を取りたい場合には、耳鼻咽喉科の治療(吸引や洗浄)で除去することもできます。ただし、根本的に膿栓を出来なくするには、扁桃を除去したりレーザーで焼いて穴を塞ぐ手術が必要となります。

引用:口臭!膿栓(臭い玉)の取り方と予防方法

膿栓(臭い玉)と口臭の関係!石化を放置してはいけない理由

健康害がなければ、一般的な膿栓はそのままにしておいても問題ありませんが、ケースによっては長期間扁桃に留まることで石化(石灰化)し硬くなることがあります。

Yahoo!知恵袋の質問の中には、喉から茶色の塊りや「黒い石のような塊り」が出てきたという方もいました。膿栓(扁桃結石)の色が濃い場合は、膿が扁桃に長く留まっていたかもしれませんが、血が膿に混じった可能性もあるので、ご注意ください。

唾石症のケースとの類似性

膿栓(扁桃結石)と唾石症の症状は、どちらも石のような塊が形成される点で共通していますが、唾石症は唾液腺や導管に石ができるのに対し、膿栓は扁桃にできる点が異なります。膿栓の石化が進行すると、唾石症のように硬くなることがあります。特に膿栓が黒くなる場合は、扁桃に長く滞在し、血やその他の成分が影響して色が変わった可能性があります。

扁桃腺が腫れたまま放っておくと、「扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)」という怖い病気になるかもしれません。これは扁桃腺の中のばい菌が増えて扁桃腺の周囲まで広がり、膿がたまる病気です。

扁桃周囲膿瘍
引用:順天堂大学医学部附属病院

この病気の怖いところは、膿が扁桃腺から喉に広がって気管にまで垂れ、呼吸がしにくくなることです。そのため窒息を引き起こすおそれもあります。

それだけではありません。「膿栓ぐらい」と放置していると、石化して扁桃結石ができることがあります。扁桃炎を何度も繰り返していると、扁桃の中で膿が固まり結石になることもあるのです。

ケースとしてはまれですが、扁桃結石ができると痛みが出る場合もあります。治療も難しく、扁桃摘出手術になる可能性も否定できません。

ですので、膿栓がひどい場合やいつまでも喉に違和感や口臭がある時は、耳鼻科で診てもらうことが大事です。

→ 膿栓には取れるタイミングがある!無理なく取る方法とは

後鼻漏だからといって放っておくのも危険です。後鼻漏は喉に鼻汁がたれる症状で、軽く考えている人が多いですが、主な原因は副鼻腔炎や鼻炎です。それらを放置すると慢性化するため、早めの治療が望ましいでしょう。

さらに、後鼻漏があると喉に細菌が増え炎症を起こすケースもあります。膿栓や後鼻漏が気になる時には、まず耳鼻咽喉科で受診してください。

石灰化が進行した場合の治療法(扁桃摘出手術)

扁桃摘出手術はどんな人が受けるべきか?

  • 扁桃炎を繰り返す方
    年に数回、扁桃炎を発症して高熱や激しい喉の痛みを伴う場合、慢性的な炎症を断ち切るために扁桃摘出を検討するケースがあります。
  • 扁桃結石が大きくなり、日常生活に支障をきたす場合
    繰り返し膿栓ができて喉の違和感が強い、口臭が改善しないなどの場合、レーザー治療や扁桃摘出手術が行われることがあります。

手術の費用・入院期間・術後の痛み

  • 費用
    保険適用の場合、自己負担率(3割負担など)にもよりますが、数万円~10万円前後が目安です。入院や手術内容によって変動があります。
  • 入院期間
    通常は数日から1週間程度の入院が必要とされることが多いですが、病院や手術法により異なります。
  • 術後の痛み
    術後1週間ほどは喉に強い痛みを感じることがあります。飲み込みづらさや発熱が続くこともあるため、医師の指示に従って安静を保ちましょう。痛み止めの服用や、柔らかい食事を中心とした食事制限が必要になる場合があります。

手術を検討する際は、医師と十分に相談し、リスクとメリットをよく理解したうえで決断することが大切です。

膿栓が頻発する人におすすめの日常習慣

  1. こまめな水分補給
    喉を常に潤しておくことで、膿栓の原因となる食べカスや細菌が付着しにくくなります。
  2. 唾液の分泌促進
    食事中によく噛むこと、ガムを噛むこと、お口の体操(舌回しなど)を行うことで唾液の分泌が活発になります。唾液には殺菌・洗浄作用があるため、膿栓の予防につながります。
  3. 定期的なうがい・ブラッシング
    食後や就寝前のうがい、正しい歯磨きや舌苔ケアを取り入れると、扁桃付近にゴミや細菌が溜まりにくくなります。

後鼻漏がある場合の対策

後鼻漏は鼻や副鼻腔からの粘液が喉の奥に流れ込む状態を指します。後鼻漏が続くと、喉に細菌やウイルスが溜まりやすくなり、膿栓の原因となり得ます。

  • 鼻炎・副鼻腔炎の治療を優先
    まずは耳鼻咽喉科を受診し、後鼻漏の根本原因となる鼻炎や副鼻腔炎を治療しましょう。
  • 鼻うがい(鼻洗浄)の実施
    生理食塩水を使った鼻洗浄は、鼻腔内や副鼻腔に溜まった汚れを取り除くのに効果的です。
  • 生活習慣の見直し
    室内の乾燥を防ぐ、喫煙を控える、十分な睡眠をとるなど、免疫力を維持する生活習慣が重要です。

膿の石灰化(扁桃結石)の予防

膿栓や唾石症の予防には、口腔内の健康を保つことが欠かせません。食事の時にはよく噛んで唾液を多く出すようにしたり、お口の体操で唾液腺を刺激することが効果的です。また、酸性化した体質を改善するためには、酢、野菜、海藻などのアルカリ性食品を摂ると良いでしょう。

食事の時にしっかり噛んで唾液を多く出すことや、お口の体操で舌を動かすことは、膿栓予防にもつながります。

膿栓(石化)の予防法はこちらの記事「のどが臭い・対策と予防」が参考になります。

膿栓の石化Q&A

Q1. 膿栓(臭い玉)は毎日できるもの?
A. 個人差があり、扁桃のくぼみが深いと膿栓がたまりやすいです。口臭や違和感が強い場合は受診を。

Q2. 膿栓が石化すると必ず手術が必要?
A. 必ずしも手術になるわけではありませんが、痛み・出血など症状が強い場合は摘出を検討します。

Q3. 扁桃結石ができる前に予防する方法は?
A. 唾液の分泌を促す(よく噛む・水分補給)や口腔ケアの徹底が重要。後鼻漏や慢性鼻炎があれば耳鼻科での治療を受けましょう。

まとめ

痛みや黒い塊が出てきたとき、手術が必要かどうか、どのように予防するかなど、膿栓や扁桃結石にまつわる疑問は尽きません。

  • 痛みがひどい場合は早めに受診し、扁桃周囲膿瘍など重大な病気の有無を確認しましょう。
  • 手術の要否は症状の程度や生活への支障度合いによります。
  • 膿栓や後鼻漏は生活習慣の改善と適切な口腔ケアで抑えられるケースが少なくありません。

膿栓が頻発してお悩みの場合は、一度耳鼻咽喉科に相談し、日常的なケアだけでなく根本的な体質改善を目指すことが大切です。

膿栓と口臭を予防するために、口臭予防歯磨き粉「美息美人」のアルカリイオン水でケアをしましょう。

美息美人

関連記事:扁桃結石(膿栓)の取り方とコツ!自己流で取るのは危険