臭い玉洗浄マシンの実際の効果とデメリットは?

臭い玉洗浄マシーン

口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

臭い玉洗浄マシーン(または、臭い玉洗浄マシン)という器械をご存知ですか?ご存知ない方のためにご説明します。

私事ですが、、歯ブラシだけの口腔ケアでは不安なので、パナソニック社のウオーターピック「ドルツ・ジェットウォッシャーEW1250P-W」について調べていると、ドルツのジェットウォッシャーで臭い玉(膿栓)を取っている人を発見。

巷では、ウォーターピック(ジェットウォッシャー・口腔洗浄器)の先端を改造した「臭い玉洗浄マシン」で膿栓を除去するやり方が流行っているようです。

Amazonのカスタマーレビューで、歯や歯周ポケットの汚れを高圧水流で洗浄するための口腔洗浄器(ウォーターピック)、製品名「ジェットウォッシャー」を使って膿栓(臭い玉)が取れたという方も。

膿栓(臭い玉)。耳鼻科に行っても、取れないと言われ(中略)悪戦苦闘。使い方が違うから自己責任でとのネットの表記を見つけ、思い切って購入。 一発で取れました。 
引用:パナソニックドルツ・ジェットウォッシャー amazon

このレビューを見ると、市販の口腔洗浄器を用いて膿栓(臭い玉)が取れると思うのではないでしょうか?しかし、「用途が違うから自己責任で」。ここが大事です。ウォーターピック(口腔洗浄器)の水圧が強かったり、洗浄器の先を喉に当ててしまうと、喉を炎症させてしまうからです。このリスクを踏まえた上で、この記事をお読みになってください。

臭い玉(膿栓)がたまると、のどの違和感や口臭原因になります。ですから、臭い玉を取り除くことができれば、のどがスッキリし、口臭を改善することも可能になるでしょう。

臭い玉を除去する方法は、これまでにもいくつかご紹介しましたが。最近は、口腔洗浄器 ジェットウォッシャーを改良して作った「臭い玉洗浄マシーン」に関心が高まっています。

早速、Youtubeで「臭い玉の取り方」と検索すると、「臭い玉洗浄マシン」を使って、膿栓を洗い流している動画が沢山ありました。実際、「臭い玉洗浄マシン」の動画を見ると、どれも多量に臭い玉が取れていたので、多くの方が「臭い玉洗浄マシン」に興味を持たれていることに納得します。

しかし、「口腔洗浄器(臭い玉洗浄マシン)」は良いこと(メリット)ばかりではなく、リスク(デメリット)もあることを知っておいてください。

今回の記事は、口腔洗浄器「臭い玉洗浄マシン」について正しく理解していただき、トラブルを起こさないようにご説明させていただきます。

ジェットウォッシャーの効果

虫歯と歯周病の予防

ジェット水流によって食べカスをすっきり除去し、心地よい刺激で歯ぐきをやさしくケアすることができます。ブラッシングに加えることで、更に虫歯と歯周病の予防ができます。

臭い玉(膿栓)の除去

「臭い洗浄マシーン」で臭い玉(膿栓)を除去することは可能です。しかし、取れるのは扁桃の表面に見えている臭い玉だけです。扁桃のくぼみに埋まっている臭い玉(膿栓)を取ることはできないので勘違いしないでください。また、扁桃の粘膜はデリケートなので、水圧の高い水流を当てると炎症を起こす元になるので止めてください。

口腔洗浄器をもし使う場合は、のど(扁桃)の汚れを洗浄する程度に考えたほうがいいでしょう。それだけでも口臭予防にはなります。

口腔洗浄器を(もともとの口腔ケアのために)使われた方の評価が気になる場合は、こちらをご参考にされてはいかがでしょう。
参考:口腔洗浄器の口コミ

臭い玉(膿栓)と口臭の予防効果

膿栓とは、扁桃の凸凹にできる1~5㎜程のチーズのような小さな塊の化膿物です。潰すと強烈に臭いので、「臭い玉(くさいだま、においだま)」 と呼ばれています。

膿栓(臭い玉)は口臭の原因になるため、膿栓を取り除こうとあの手この手で努力している人がいますが、膿栓を除去しても、喉から出るドブのような臭いがなくなることはありません。なぜなら、喉が臭いのは、食べかすなどで固まる前の膿汁が原因だからです。

口臭を防ぐには、膿汁をジェットウォッシャーなどの口腔洗浄器で洗浄する方が効果的です。

臭い玉洗浄マシンとは

誤解しないように言いますと、実は「臭い玉洗浄マシン」という商品は存在しません。アマゾンや楽天市場で「臭い玉洗浄マシン」と検索すると、掲載している商品は、歯と口腔を洗浄するための「口腔洗浄器」だけです。(ほかに、シリンジや丸型洗浄瓶も。)

※口腔洗浄器(ウォーターピック)の用途…ジェット水流によって、歯垢の元となる食べかすや細菌を吹き飛ばす。歯間ブラシやフロスだけでは取り切れない歯周ポケットや歯間など歯ぐきの隅々までケアできるのが特徴。

そのため、市販の口腔洗浄器(ウォーターピック)を、臭い玉(膿栓)が除去できるように改良しなければいけないのです。

このように、「口腔洗浄器」は、膿栓を除去するための道具ではなく、元々は口腔ケアを目的とするものだとご理解ください。ほとんどの機種が、充電式(またはUSB充電)で携帯できるようになっています。機種によっての大きな違いは、「水流レベル」を変速段階の数と、水流の強さです。
※どの機種も、口腔洗浄機の中にタンクがあり、水を貯めて使用するようになっています。

以下にAmazonに掲載されている「口腔洗浄器」をご紹介します。

 SANPINTECH口腔洗浄器 ジェットウォッシャー

 SANPINTECH口腔洗浄器 ジェットウォッシャー

アマゾン価格:4,490円(税込)

  • 振動回数:毎分1400回から1800回の強力な洗浄力。150 秒間の連続使用可能。
  • 歯周ポケットの洗浄の他、舌クリーナーとしても使用可。

PECHANジェットウォッシャー口腔洗浄機

 PECHANジェットウォッシャー口腔洗浄

アマゾン価格:4,499円(税込)

  • 振動数:1400-2000回/分。
  • 必要に応じて水圧を30psi~120psiに調整可。

 パナソニック口腔洗浄器」ジェットウォッシャードルツ

 パナソニック口腔洗浄器」ジェットウォッシャードルツ

アマゾン価格:17,820円(税込)

  • 超音波水流ノズル搭載
  • 水圧レベルは5段階調整
  • 21時間のフル充電で約10分使用可(水圧レベル5設定時)

臭い玉洗浄マシンの作り方

先述した、口腔洗浄器では水流が強過ぎるため、購入したものをそのまま使用すると、扁桃から「血が出る」ことがあり危険です。そのため、安全に使えるように市販のジェットウォッシャーを改良する必要があります。

改良方法…ノズルの穴(内径)を、ドリルの針で広げます。ノズルの穴(内径)より少し大きめのドリルの針を探して、手で回して穴を大きくします。ノズルの穴を広げることで水圧が弱くなり安全に使用できます。

テスト…実際に使用する前に、改良して作成した「臭い玉洗浄マシン」に電源を入れて、実際に手のひらにウォッシャーを当てて水流の強さを確かめます。

臭い玉洗浄マシンのリスクとデメリット

「臭い玉洗浄マシン」を上手に操るようになるには、熟練が必要になります。

その理由は、臭い玉が見えていると良いのですが、たいてい臭い玉は、扁桃のひだの内側にある穴の中に隠れています。そのため、外からジェットウォッシャーを当てても、臭い玉が取れないことが多いです。

洗浄マシンのジェット水流が強すぎたり、ノズルを無理に穴の中に突っ込むことで、粘膜を傷つけ炎症を起こすことがあるのでご注意ください。

また、扁桃に異物が触れたり水流が当たると嘔吐反射をおこしますので、すぐに「おぇ!」とえづく人には不向きです。

その他の臭い玉(膿栓)を洗浄する方法

耳鼻咽喉科で洗浄

安全な洗浄方法は、口腔洗浄器で臭い玉(膿栓)を取ろうとするのではなく、耳鼻咽喉科で洗浄してもらうことです。扁桃の奥にあり、臭い玉の除去が困難なケースでは、吸引器という膿栓専用の除去器具で吸いだす方法もあります。ところが、お医者さんによっては、「膿栓(臭い玉)は病気ではないので、取らない方がいい」と言って、取ってもらえないことがあります。

スポイドや丸型洗浄瓶で洗浄

スポイドや丸型洗浄瓶を使用して「臭い玉」を取る方法がありますが、水流が弱いために臭い玉(膿栓)は取れにくいです。臭い玉が取れなくても、扁桃の汚れを洗浄することができるので、口臭予防が期待できます。

動画では、水流を強くするために、細いノズルに改良する方法が紹介されていました。

ノズルの改良方法…スポイド(または丸型洗浄瓶)のノズルに被せられる「替えノズル」を準備します。(ホームセンターで実際に見て確認しないと合わないことがある)
また、替えノズルの穴に関しても、小さい穴のものがなければ、購入後にドリルの針で開けた方がいいでしょう。

シャワーヘッドで喉を洗浄(私の喉ケア習慣)

臭い玉、正式には「膿栓」と呼ばれるものは、扁桃腺のくぼみに溜まった細菌や食べ物の残りかすが固まったものです。私自身もこれに悩んでいた時期があり、いろいろな方法を試みてきました。その中で、お風呂のシャワーヘッドを使った口腔洗浄が非常に有効だと感じました。

手順としては、シャワーヘッドの水流を強くして、口を大きく開け、特に左右の扁桃腺周辺に直接水流を当てるようにします。シャワーヘッドの強い水流が、膿栓を取り除いてくれます。(※私は強い水圧に慣れていますが、始めの内は水圧を下げて様子をみてください。)

私はこれを習慣的に行い、数日で膿栓が減少し、徐々に口の中がスッキリとした感じになりました。

メリットとしては、まず、特別な道具や器具を用意する必要がなく、家庭の浴室で手軽に行えること。さらに、口腔をしっかりと洗浄することで、喉と口の中が清潔になり、口臭の予防にも繋がると感じました。

ただし、水流を強くし過ぎると、喉を傷つける可能性もあるので、最初はやさしく、慣れてきたら徐々に強さを増やして行くと良いでしょう。

簡単ながら、この方法で私は膿栓の悩みから解放されました。同じような悩みを抱える方に、試してみる価値はあると思います。

まとめ

ドルツ・ジェットウォッシャーを改造した「臭い玉洗浄マシーン」で、臭い玉(膿栓)を取ることは難しいかもしれませんが、口臭の元となる膿汁を洗い流すことは可能です。喉の洗浄効果によって清潔が保持されると、免疫副産物である膿栓もたまりにくくなるので、喉からの口臭を防ぐ効果が期待できます。

しかし、ウォーターピック(口腔洗浄機)の改良が難しかったり、使っても嘔吐反射などのリスクもあります。

結論としては、慢性的に臭い玉がたまり口臭がひどい場合には、洗浄マシンで取る方法は効果があるかもしれませんが、たまにできる程度では「洗浄マシンは必要ない」と思われます。

慢性的に炎症があると、臭い玉(膿栓)を取っても直ぐに溜まるので、除去することよりも膿栓が出来ないよう予防することが大切です。膿栓がよく溜まる場合は、耳鼻科を受診されることをおすすめします。

口臭のほとんどは、食べかすや細胞の死がいなどの磨き残しがプラーク(細菌)となって、揮発性硫黄ガスを発生することが原因ですので、口内を清潔にすることが大事です。

口腔と喉を清潔にすることで膿栓は予防できますが、中々口臭が改善しない時にはこちらの記事もご参考にしてください。

>>口臭が治らないから辛い!その原因は?

うがいで膿栓を予防する

 

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