膿栓は見えないけど臭い?原因や対処法を解説!

膿栓が見えない!臭いの原因と対処法を解説

扁桃に見える臭い玉

口腔ケアアンバサダー(社団法人口腔ケア学会認定)の上林登です。

口や鼻の中でできる臭い玉(膿栓)は、口臭や喉の痛みなどの症状を引き起こすことがあります。臭い玉は、食べかすや細菌がたまったり、口腔内の乾燥によってできることが多く、誰にでもできる可能性があります。

臭い玉は自分自身で確認し取り除くことができますが、体に害はなく、そのままにしておいても飲み込んだりしてなくなっていきます。でも、膿栓が見えないと、どうしていいか分からないので不安になりますよね。

Yahoo!知恵袋でも「膿栓があるかどうか分からないが、口臭がひどい」とか、「膿栓は見えないが、喉に何かがへばりついた感じが続いている」と困っている方がいました。

しかし、喉からの臭いや違和感がいつまでも継続する場合に、副鼻腔炎などの病気かもしれないので、耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。

急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン

出典:一般社団法人日本鼻科学会

今回は、臭い玉(膿栓)の原因や症状について解説し、自分で臭い玉を確認する方法と取り除く方法、そして予防法について詳しく解説します。

口臭原因は膿栓だけではありません。詳しくは、こちらの記事をご参考にしてください。
>>口臭の原因がわからない!?よくある口臭原因と適切な対策方法

膿栓とは

臭い玉の正式名称は、膿栓(のうせん)と言います。直接嗅ぐとイヤな匂いをするので、「においだま」「くさいたま」と呼ばれます。

膿栓は、のどの両脇にある扁桃のくぼみに溜まり、成長すると扁桃の表面に出てくるので目視で確認できますが、隠れて見えないケースの方が多いです。

(膿栓が)見えていない場合でも、綿棒などで扁桃の下あたりから軽く上に押すと、ポロっと(またはニュルニュル)出てくることがあります。
引用:臭い玉の取り方って知っていましたか?

扁桃の上に出てきた臭い玉(膿栓)は、咳やくしゃみで口の中に出てくることもあるので、臭い玉(膿栓)ができると目で見えると思っている人が多いようです。

膿栓が喉の奥にあるようで違和感があるのに、鏡で喉を見ても何も見えない。「口臭がしているので膿栓があるに違いない。でも喉に臭い玉らしくものは見つからない。」、そのように悩まれている方がいます。

膿栓の原因

膿栓は、口や鼻の中でできる食べかすや細菌などが、扁桃腺の「陰窩(いんか)」という小さな窪みに固まってできた塊のことです。

口蓋扁桃は、鼻・口からの細菌・ウイルス侵入を防ぐ役割を果たしていて、表面に複数の穴(陰窩)があるため細菌の巣になりやすい、というリスクを抱えています。

出典:膿栓(臭い玉)はどうしてできるのですか?

そのため、免疫が高く、風邪やインフルエンザに感染しない人は膿栓が出来にくいことになります。「出来にくい」と言うのは、風邪やインフルエンザに罹らなくても、アレルギーや副鼻腔炎や扁桃炎など耳鼻科疾患があると、膿栓はよく溜まるようになります。

参考:膿栓が頻繁に出る、大量に出るのはなぜ?

結論…体の免疫力が高く風邪をひかない、鼻や喉の病気に縁がない。このような健康な人であれば、膿栓はありませんが、病気はストレスや疲労で免疫が低下した時になるものなので、いつ膿栓が出てきても不思議ではありません。

膿栓の症状

膿栓は見えていなくても、臭いがしたり、いつまでも喉に何か詰まったような感じ(違和感)があるのが特徴です。ところが、臭い玉(膿栓)が取れてしまうと、違和感も嘘のように消えてしまいます。

私の(膿栓による違和感の)経験では、のどに何かが張り付いている感じや、魚の小骨が刺さったようなイヤな感じが3日ほど続いていましたが、いつに間にか違和感が消えたことに気づいたのです。膿栓が出てきた気配はなかったので、多分飲み込んでしまったのでしょう。

関連記事:膿栓(臭い玉)の 取れる タイミング | 自然に取れるまで待ってみましょう。

膿栓は、扁桃にある直径3~4ミリほどの腺窩(せんか)のくぼみに溜まるので、臭い玉が見つからない場合でも、喉に違和感が続いたり、喉から下水のような臭い(口臭)を感じる場合は、臭い玉や膿が溜まっていることがよくあります。

自分で膿栓と臭いを確認する

膿栓(臭い玉)は自分自身で確認することができます。膿栓の存在を疑った場合は、まずは鏡を使って喉の中を確認してみましょう。

口臭がある場合は、舌の上、特に舌奥に黄白色のプラーク(舌苔)が溜まっていることがあるので、しっかりとチェックしましょう。

関連記事:舌の奥の舌苔が取れない!効果的な取り方とは

膿栓(臭い玉)を確認する方法

膿栓は、喉の左右にある扁桃腺の「陰窩(いんか)」という小さな窪みにできます。塊りが大きく成長すると、扁桃腺の表面に出て見えるようになりますが、穴の中にある内は見えません。臭い玉を確認するには、まず鏡を用意して、しっかりと喉をチェックしましょう。

鼻の中の臭いを確認する方法

膿栓が見えないけど臭う場合があります。膿栓がないが口臭が気になる場合は、副鼻腔炎の膿、後鼻漏、痰、膿汁(のうじゅう)などが原因のことがあります。

関連記事:喉の臭いの原因と対処法 – 口臭から病気まで

鼻からの臭いを確認するには、次のようにします。

手のひらで鼻を塞いで、口から息を吐き出します。このとき、鼻から息を吸い込むと、口臭が鼻に漂うことになります。自分で確認するだけでなく、家族や友人に協力してもらい、鼻からの臭いを確認してもらうこともできます。

口臭が続く場合や改善されない場合には、歯科や耳鼻咽喉科などの医療機関を受診することをお勧めします。医師による専門的な診察や治療を受けることで、口臭の原因を特定し、効果的な対策を講じることができます。

膿栓は自分で取れる?

膿栓の見つけ方

膿栓の始めは膿で、食べかすなどの汚れが固まり大きく成長します。膿栓は成長して扁桃の表面に出てこないと発見するのは難しいです。

下の画像で、のどちんこの左右に見えている白い塊が膿栓(臭い玉)です。2ミリ以上の大きさにならないと見つけにくいです。

実際に見える膿栓の画像

膿栓が成長しても、膿栓が溜まる口蓋扁桃の陰窩が細かったり曲がっていると、鼻からの内視鏡でも見つからないことがあります。

見えない膿栓を調べるために、耳鼻科では舌圧子という治療器具を使って、扁桃腺の窪みの周りを圧迫して膿を確認します。

自分で膿栓の存在を調べる場合は、(消毒したゴム手袋をした)指で扁桃腺の周りから中心に向かってゆっくりと押すと、黄白色の膿がニュルニュルと連なって押し出されてきたり、米粒のような膿栓(臭い玉)がポロっと出ることがあります。しかし、出ないからと言って、強引に押すと扁桃を傷めるのでご注意ください。

過去の調査(1967年)では、大阪府高槻市の小中学生14868名の内、小学生で35%、中学生で30%の割合で膿栓が認められたという報告があります。

出典:鈴木 哲(1967) 慢性口蓋扁桃炎の病態に関する臨的研究 耳鼻咽喉科臨床/60 巻7号

関連記事>膿栓(臭い玉)が見えない場合の取り方・対策は?

膿栓の取り方

膿栓は綿棒で取ることもできますが、扁桃腺を傷つける恐れがありますので自分で取るのは止めてください。

関連記事:ためしてガッテンで放送された膿栓の取り方

耳鼻科では吸引装置や舌圧子などを使用して膿栓を除去します。膿栓のよく出る人の場合は、扁桃腺の手術をすることもあるので、ご心配の場合は耳鼻科にご相談ください。

関連記事:膿栓は扁桃腺摘出手術で溜まらなくなる

膿栓の予防方法

膿栓を予防するためには、口腔ケアが非常に重要です。さらに、加湿器を使って空気中の乾燥を防ぎ、水分を補うことも膿栓の予防につながります。

食生活も重要で、甘いものや脂っこいものを控え、野菜や果物、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。また、タバコやアルコールなどの摂取は、口内の乾燥や細菌の繁殖を促すため、控えるようにしましょう。

以上の予防法を実践することで、膿栓の発生を防ぎ、口内の健康を維持することができます。

口渇がひどい場合はガムを噛むのもいいです。また、舌苔の多い人はアルカリイオン水(美息美人)で口腔ケアを行なうことをおすすめします。

膿栓に効果的な治し方とは?

膿栓は、口や鼻の中でできる食べかすや細菌が固まったもので、症状によっては取り除くことが必要となります。軽度の場合は、自宅でのケアで十分改善することができます。

膿栓の症状が重度の場合は、耳鼻咽喉科での治療が必要となることもあります。症状に合わせて、適切な治療法を選びましょう。膿栓が痛みや炎症を引き起こしている場合は、抗生物質の内服や、消炎鎮痛剤の使用が行われます。

また、唾液量が少ないとか口呼吸の場合は、膿栓(臭い玉)ができやすくなるので、口・喉が乾燥しないように室内の保湿も大切です。

ドライマウス対策については『ドライマウスの対策はコレが一番!いったいどんな方法なのか?』をご参考にしてください。

うがいで膿栓を予防する

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