喉の奥に白い粒を見つけると口内炎だと思うかもしれませんが、白い粒が膿栓(臭い玉)だったり癌の場合もあるのでご注意ください。
口内炎が治らない場合は、放置しないで耳鼻科で診察を受けられることが大事です。膿栓(臭い玉)の場合は、喉の違和感や口臭の原因になりますが、勝手な判断をして自分で取らないようにしてください。喉にばい菌が感染したり傷付けるケースが多いです。
そのようなことにならないためにも、喉の奥の口内炎、喉の炎症、膿栓の違いについてご説明します。
また、膿栓(臭い玉)の場合には、その対策方法についてもご紹介しますのでご参考にしてください。
喉の奥が白いのは口内炎かも?
口内炎というと、口の中や唇の端に出来るイメージがありますよね。でも、喉の奥にも口内炎ができることがあります。
喉に口内炎ができると、食べ物を飲み込むと喉が痛いとか、白いブツブツが出来ます。
喉に口内炎ができる原因は…
- ヘルペスや手足口病などのウイルス感染
- 睡眠不足、過労、ストレスが原因による免疫力の低下
- 風邪、はしか
- 溶連菌感染症
などが原因で、口内炎を発症します。
口内炎が出来た時の対処法としては…
- 早目にお医者さんを受診する
- 喉を刺激の少ないイソジンなどのうがい薬で清潔に保つ
喉の口内炎も、口の口内炎もできる原因は同じです。ですから、次のことを心掛けることで予防になるでしょう。
- 偏食を避け、栄養バランスを考えた食生活にする
- 果物や野菜を多く食べるようにしてビタミン摂取を心掛ける
- 毎日十分な睡眠を取り、適度の運動を行うなどして、免疫力を高める
喉の奥が白くなる病気
口内炎と喉の炎症を同じように思っている人がいますが、口内炎と喉の炎症は症状も起きる部位も異なります。喉に白いものができているから、「口内炎」と勘違いするのかもしれませんが、白く見えるの多くは、膿が固まってできたものです。口内炎は、皮膚が白くなり炎症を起こしているものなので根本的に違います。
引用:日本耳鼻咽喉科学会
口内炎
口内炎は、口の中や口唇にできる炎症の総称で、炎症がおきた部位によって、舌炎、歯肉炎、口唇炎と呼ばれます。
口内炎で最も多い症状は、数ミリの大きさの灰白色班のアフタ性口内炎です。口内炎ができると、痛みを生じ、食事にも支障がでます。
特殊な口内炎には、ヘルペス、手足口病、はしか、性病などが原因になっていることがあります。また、口内炎だと思っていても、長期にわたり治らない場合は舌癌のこともあるので、そのような場合は、すぐにお医者さんに診てもらうことが大切です。詳しくは、『舌にガンができた?それとも口内炎?見分ける方法と注意点とは?』をご参考にしてください。
咽頭炎(いんとうえん)
喉に炎症がおきたものを咽頭炎(いんとうえん)といいます。
疲労やストレスで抵抗力が落ちたときには、細菌やウイルスに感染しやすくなり、喉が赤く腫れることがあります。咽頭炎になると、当初は喉の違和感があり、喉が痛くなったり、ものが飲み込めなくなったりします。悪化すると発熱をおこすので、喉の腫れを感じたらお医者さんに診てもらうことをおすすめします。
扁桃炎(へんとうえん)
喉の入り口の左右にあるアーモンドのような形をしているのが扁桃(へんとう)です。扁桃腺(へんとうせん)とも呼ばれます。
扁桃は、外から入ってくる細菌やウイルスを防御するための組織です。そのため、しばしば炎症を起こし、扁桃が赤く腫れたり発熱を起こします。また、扁桃の表面に乳白色の膿や膿栓(のうせん)ができます。扁桃炎について詳しくは、『扁桃腺は膿栓の溜まり場だった!?膿栓が溜まる理由と対処法とは?』をご参考にしてください。
扁桃周囲炎(へんとうしゅういえん)
写真は、のどちんこ(口蓋垂・こうがいすい)の奥に白い出来物が見えます。喉にできた膿ですが、これは喉に傷が付いたことでできた炎症が原因です。
膿栓を取っていて喉に傷をつける場合がありますが、扁桃炎が悪化して扁桃の周りにまで炎症が広がることが多いのでご注意ください。
歯ブラシで喉に傷をつけてしまったことで口内炎になってしまうケースも多いようです。また、喉に口内炎ができたと思い病院へ行ってみたら、扁桃腺が腫れていたり大きくなった口内炎がはじけてさらに炎症がひどくなっていた、というケースもあるようです。
写真を見るまでは、喉に膿ができるとは思わなかったのではないでしょうか?
炎症が悪化すると扁桃腺が腫れ高熱が出ることもあります。ですから、もし喉に膿ができている場合は、早めに耳鼻科を受診されることをお勧めします。
喉からの口臭が気になる場合は、こちらの『口臭はアルカリイオン水うがいで取れるのか?実際にやってみた結果・・・』もご参考にしてください。
ここまで知ると、自分で膿栓(臭い玉)取るという考えはなくなったのではないでしょうか。
でも、がっかりしないでください。膿栓(臭い玉)は危険を冒さなくても取れますし、出来ないようにすることも可能です。
これから、どのようにすれば良いのかについてお伝えします。その前に膿栓(臭い玉)について詳しくお話します。
喉の奥にできる白い玉「膿栓」とは
いきなり、綿棒で膿栓(臭い玉)を取る画像をお見せしましたが、「膿栓(のうせん)って何?」と言われる方もおられますのでご説明します。
膿栓(臭い玉)とは
膿栓(のうせん・臭い玉)とは、扁桃腺(へんとうせん)にたまる細菌の死骸と膿(うみ)のかたまりのことです。
ですから、膿栓(臭い玉)をつぶすと、とんでもない臭いを発生します。そのため、膿栓(臭い玉)が口臭の原因だと思われている方が多いです。
得意げに私、「昔のことやけど、くしゃみしたら歯と歯ぐきの間に何かくっ付いたので、取ってみたら、米粒のような食べかすのような見たこともない不思議なモノやったんや。」
私「それで、何気なく指で白い玉をつぶして嗅いだら、うぇ!言うくらい臭かったんや。」
写真のどちんこの左側にある白い玉が、膿栓(臭い玉)です。
右には膿栓(臭い玉)が見えていませんが、そんな場合でも、扁桃腺の穴をのぞくと、膿栓(臭い玉)が隠れていることも。
膿栓(臭い玉)の原因は扁桃炎(へんとう炎)
扁桃腺(へんとうせん)は口と咽頭(のど)の境目の両側にあり、桃の種のような形をしているリンパ組織です。扁桃腺(へんとうせん)には陰窩(いんか)という凹みがあって、表面積が広くできています。
陰窩(いんか)の役割は、小さい子供の時に口から侵入しようとする細菌やウイルスをつかまえて、その情報を脳に伝えるためと考えられています。
陰窩(いんか)には食べ物カスたまったり、扁桃のリンパ球に殺された細菌の死骸などがたまります。
これを膿栓(臭い玉)といいいます。
膿栓(臭い玉)は病気ではなく、からだの正常な活動によるものなのです。間違えてしまうのが扁桃腺炎です。
扁桃腺炎(へんとうせん)は膿栓(臭い玉)とよく似ていますが、炎症を伴いますので病気という点で異なります。
扁桃腺炎(へんとうせんえん)は、細菌感染による腫れのことをいいます。
扁桃腺炎になると扁桃腺が赤く腫れ、表面に膿がつきます。
急性扁桃腺炎
急性扁桃腺炎はさらに奥にある扁桃腺に炎症の腫れが及ぶと扁桃腺周囲炎となります。
扁桃腺周囲炎の状態で膿(うみ)がたまると、扁桃腺周囲膿瘍になりかなり腫れます。
急性扁桃炎は、急性咽頭炎と一緒に発症し、のどの炎症が特に激しいものを言います。
急に39~40度の高熱がでて、のどがひどく痛み、それに伴い全身がだるかったり、関節痛がでたり、痛みが耳にまで放散する場合もあります。
慢性扁桃腺炎
急性扁桃炎が慢性化したのが、慢性扁桃炎です。
慢性扁桃腺炎は習慣化したもので、1年に何度も急性化するので要注意です。
扁桃腺炎になる原因
扁桃腺炎とは、扁桃の表面に付着している常在菌が、気温の変化やほこりなどの刺激、過労や風邪などによって抵抗力が弱まることで、活動を開始し炎症を起こすことをいいいます。
風邪のウイルスが原因になることもあり、原因となっている菌は溶血性連鎖球菌が多いとされます。ですので扁桃腺炎は子供に多いのですが、成人でもなります。
扁桃腺炎になる原因は、暴飲暴食や過労、のどの乾燥などがあげられます。
喉の炎症の予防
膿栓(臭い玉)が口臭の原因。
「臭い玉(膿栓)を除去することができれば、喉の違和感も口臭もなくなる!」
そのように考えて、臭い玉(膿栓)を取ろうと努力している人をネットの中で多く見ます。
しかし、臭い玉(膿栓)は、容易に取れるものではありませんし、一つ間違えると出血して病院に行くことにもなりかねないのでご注意ください。
だったら、予防方法はあるのでしょうか?
扁桃腺炎になったり膿栓がたまると口臭の原因にもなりますが、それらの予防方法は、うがいです。
うがいをすることで、のどにある細菌を洗い流すことができます。ですので、一般的な耳鼻咽喉科の指導では、1日3回を目安にうがいするように勧められます。詳しくは、『取れづらい膿栓が簡単に取ることができる5つの方法とは?』をご参考にしてください。