臭い玉(膿栓)の確認方法と簡単な取り方
口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。
私たちの口腔内には時として臭い玉、つまり膿栓が発生します。これらの小さな白い粒子は特有の臭いを放ち、不快感を引き起こすことがあります。しかし、どのように確認すれば良いのでしょうか?また、どうやって手軽に取り扱えば良いのでしょうか?
この記事では、臭い玉の特性、確認方法、そして簡単な取り扱い方について詳しく解説します。自宅でできる簡単な方法を通じて、口腔内の清潔さを保つ手助けになることを目指します。
臭い玉とは?その特徴と確認方法
扁桃の小さなくぼみに、食事の残りや菌の死骸がたまり小さな白い玉を作ります。これが時々のどから出てくる臭いにおい玉の正体…
引用:愛媛県耳鼻咽喉科医会
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臭い玉(膿栓)とは何か?
臭い玉、または膿栓とは、主に扁桃腺に溜まった食べ物の残りや細菌、死んだ細胞などが固まって形成される小さな塊のことを指します。これらが硬化し、時には臭いを放つことから、一般的に「臭い玉」と呼ばれています。
臭い玉の主な特徴
臭い玉の主な特徴は、その小さなサイズと白から黄色の色調、そして特有の臭いです。サイズは一般的に米粒程度で、口臭の原因となることもあります。また、独特の臭いは硫黄のような匂いを放ち、これが口臭の主な原因となります。
自宅での臭い玉の確認方法
臭い玉の確認方法は比較的簡単です。まずは口を開け、鏡を使って喉の奥や扁桃腺を確認します。白や黄色の小さな粒が見えたら、それが臭い玉の可能性があります。また、綿棒を使用して喉の奥を軽く押すと、臭い玉が取れてくることもあります。
臭い玉がない人、臭い玉が見えない場合の確認方法
臭い玉が見えない場合でも、口臭や喉の不快感がある場合は、存在する可能性があります。特に扁桃腺が深い人は、臭い玉が見えないことが多いです。
この場合、扁桃腺を優しくマッサージすることで、見えない臭い玉を押し出すことができますが、刺激が強かったり、ばい菌に感染すると炎症を起こす可能性があるので十分ご注意ください。
もし口臭が気になる場合は、歯医者や耳鼻咽喉科の医師に相談することをお勧めします。
臭い玉の独特な臭いについて
臭い玉が発生する臭いの特性
臭い玉が発生する臭いは特有のもので、硫黄を思わせるような匂いが特徴です。これは、臭い玉が細菌、死んだ細胞、食物の残りなどから形成されるためです。これらの成分が固まり、嫌な臭いを発するガスを発生させるのです。この臭いは持続性があり、口臭の主な原因となります。
臭い玉の臭いを確認する方法
臭い玉の臭いを確認する一つの方法は、先ほど述べた綿棒を使用する方法です。扁桃腺に軽く圧をかけ、臭い玉が取れてきたらその臭いを確認します。ただし、この方法は喉を傷つける可能性があるので、慎重に行ってください。
また、口臭が気になる場合は、自分の息を手に吹きかけて臭いを嗅ぐ、もしくは口臭チェック用の商品を使用するとより確実に確認できます。最後に、これらの方法で確認が難しい場合や、口臭が続く場合は専門の医師に相談することを推奨します。
臭い玉(膿栓)のたまる場所とその理由
臭い玉がよく見られる場所とは?
臭い玉は主に扁桃腺に見られます。扁桃腺は口腔の奥、つまり喉の左右にあるリンパ組織の塊で、細菌やウイルスから体を守る役割があります。扁桃腺には小さなくぼみ(扁桃腺窩)があり、食物の残りや細菌、死んだ細胞などが詰まることがあります。これらが固まると、白または黄色の小さな塊、すなわち「臭い玉」が形成されます。
臭い玉は喉付近にある扁桃腺の陰窩(いんか)という場所にできます。
臭い玉が発生する主な原因
臭い玉が発生する主な原因は、口腔内の細菌の繁殖と不適切な口腔ケアです。食べ物の残りや口腔内の死んだ細胞が扁桃腺窩に溜まると、これが細菌のエサとなり、細菌が繁殖します。
また、適切な口腔ケアが行われていない場合、細菌が溜まりやすくなり、これらが結合して臭い玉が形成されます。適切な口腔ケアを行い、細菌の繁殖を抑えることで、臭い玉の形成を防ぐことが可能です。
自宅で手軽に臭い玉を取り除く方法
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臭い玉の簡単な取り方:基本手順
臭い玉を自宅で簡単に除去する方法として、塩水によるうがいが一般的です。まず、温水に少量の塩を溶かし、これを口に含んでうがいします。ガラガラと喉うがいすると、扁桃腺窩に詰まった臭い玉をソフトに洗い流すことが可能です。ただし、強くうがいをすると扁桃腺にダメージを与える可能性があるため、優しくうがいすることが重要です。
臭い玉取り方の動画ガイド
視覚的に学びたい方のために、インターネット上には多くの臭い玉取り方の動画ガイドがあります。これらの動画は具体的な手順を視覚的に示し、自宅で臭い玉を取り扱う際の参考になりますが、間違ったやりかたの動画もあるので、よく確かめる必要があります。
また、強引な方法は扁桃腺を傷つける可能性があるため、注意深く参照することが推奨されます。
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リステリンを使った臭い玉取り方
リステリンは口腔洗浄剤として広く知られており、臭い玉取りに使用している人もいますが、リステリンの説明書には喉うがいは推奨されていませんので、ご注意ください。
リステリンの説明書には、殺菌成分が口内の臭い物質(揮発性硫黄化合物)の発生を阻害する働きがあると書かれているので、口内のうがいをすることで臭い玉の予防にもなります。
さらに、リステリン(うがい)が膿栓など喉からの口臭に対して効果があるかについて、以下の科学的研究に基づいた結論が得られます。
リステリンの成分は、多くの口腔内細菌に対して抗菌活性を持つことが示されています。リステリンの成分(チモール、メントール、ユーカリプトール、メチルサリシレート)は、Streptococcus mutans, Enterococcus faecalis, Eikenella corrodens, Candida albicans などの細菌と酵母に対する最小抑制濃度(MIC)および最小殺菌/殺菌濃度(MBC/MFC)試験で有効性が確認されています (Vlachojannis, Chrubasik-Hausmann, Hellwig, & Al-Ahmad, 2015)。
リステリンの使用は、プラーク形成を抑制し、歯肉炎の発症を抑える効果があるとされています。リステリンの抗炎症作用が、プラーク形成と歯肉炎の管理に役立つことが示唆されています (Sekino & Ramberg, 2005)。
口臭に関しては、リステリンを含む一部のマウスウォッシュ製品が、口臭の主な原因である揮発性硫黄化合物(VSC)を減少させる効果があることが示されています (Quirynen, 2003)。
以上の研究から、リステリンは膿栓による口臭を含む口臭の管理に効果的である可能性があると結論付けられます。ただし、リステリンの具体的な膿栓に対する効果についての直接的な研究は見つかりませんでしたので、その点についてはさらなる研究が必要です。
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アルカリイオン水で臭い玉を予防
アルカリイオン水を用いて喉うがいすると、喉と口腔内を洗浄でき、臭い玉を溶かすことが可能です。また、アルカリイオン水は口臭を予防するため、臭い玉による不快な臭いも同時に抑えることができます。