歯磨きしても口が臭い!?口臭の原因と対処法

歯磨きしても口のにおいが気になる歯ブラシを持つ若い男性

歯磨きを欠かさずしても臭う、その意外な口臭の原因と対策

口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)上林登です。

多くの人々が日常的に歯磨きを行うにも関わらず、「歯磨きしても口が臭い」という悩みを持つ方が少なくありません。私のもとにも、さまざまな口臭の悩みを持つ方から相談が寄せられています。

たとえば、Cさん(20代女性)からは「歯肉炎が悪化し、歯磨きするたびに膿のような臭いがしてしまう」との相談を受けました。このような場合、歯周病や歯肉炎が進行している可能性が高く、専門の歯医者に相談することが必要です。

また、Dさん(30代男性)は「歯磨き後に口が臭う」とおっしゃっていました。詳しくお話を伺うと、舌の上に白い舌苔が厚く積もっており、それが卵の腐敗したような臭いの原因であることが判明。舌のクリーニングを日常のケアに取り入れることで、改善の兆しが見られました。

さらに、Eさん(40代男性)からは、「喉からうんこのような臭いがしてしまう」という相談が。この場合、後鼻漏や膿栓が原因として考えられます。耳鼻咽喉科の受診を勧めたところ、状態が改善していったとのことです。

これらの事例を見ても分かるように、口臭の原因はさまざま。歯磨きだけでは対処しきれないこともあります。口臭が気になる場合、まずはその原因をしっかりと突き止め、適切な対策をとることが大切です。

関連記事>>口臭が治らない原因

歯磨きしても口が臭い人の共通点

Yahoo!知恵袋には「歯磨き直後なのに口臭がする」という方が多くおられました。口臭の原因の中には、薬の副作用や病気が原因になっているなど、人のコントロールが及ばないものもありますが、口腔ケアをしているにもかかわらず、口臭のある人に共通する特徴がいくつかあります。

歯周病など病的口臭

歯周病などの「病的口臭」であればどれだけ歯磨きをしても、口の臭いのコントロールはできません。

※『病的口臭』…歯周病、虫歯、副鼻腔炎・扁桃炎などの耳鼻科疾患、内臓疾患、糖尿病、癌など。

引用:「口臭」に関するQ&A

「病的口臭」の場合は、歯科や耳鼻科など専門の病院を受診することが必要です。たいていの口臭は歯周病や舌苔が原因になっているので、常に口が臭いのなら歯科を受診するといいでしょう。

歯磨きが十分にできていない

ブラッシング後も口臭が発生する最も一般的な原因の 1 つは、ブラッシングが十分に行われていないことです。

多くの人は、一般的な目安とされる 3 分間も歯を磨かないため、歯と歯茎にプラーク(歯垢)が残り、口の中に悪臭が発生する可能性があります。ちなみに、日本歯科医師会では1回の歯磨きの時間として10分を目安としています。

蓄積されたプラーク(歯垢)を取り除くために、各歯を上下に動かすだけでなく、適切にフロスや歯間ブラシを使用して、正しく歯を磨くことが大切です。

食べ物カスが歯に詰まっている

食べかすが歯や歯ぐきにこびりつくと口臭の原因になります。食後に歯を磨くと、口から食べかすを取り除き、プラーク(歯垢)の蓄積を減らすことができますが、歯磨きの出来ない時は、うがいしたり、お茶を飲んで口の中の食べかすを洗い流すようにすることが大事です。

また、口臭の原因となる可能性のある食品に注意を払うことも重要です。キャラメルなどの甘い菓子や、オレンジジュースなどの酸性のフルーツ ジュースも口臭に影響を与える可能性があります。

ドライマウス(口腔乾燥症)

ドライマウス(口腔乾燥症)であると、口が粘つき口臭の原因となります。

抗菌作用のある唾液が充分に分泌している口の中では、臭いの原因となる細菌を洗い流すのに役立っています。しかし、唾液が不足すると口腔環境が悪くなり、口臭が目立ちやすくなります。

>>自宅でできるドライマウス対策

舌やのどに細菌が繁殖する

細菌が舌やのどに繁殖することもあり、「うんこ臭い」口臭が起こることがあり、水を飲むと息が臭いと感じます。虫歯や歯周病になると、口の中だけではなく、舌やのどに細菌が蓄積する原因にもなります。

関連記事:舌の奥の舌苔が取れない!効果的な取り方とは

食後のうがい習慣がない

食後にうがいをしないと口臭を招くだけではなく、口腔の健康を守るのに役立つ簡単な毎日の口腔衛生作業になります。

洗口液(マウスウォッシュ・マウスリンス)で口をすすぐことで、歯、舌、歯茎の表面に蓄積した細菌や食べかすを取り除きます。

うがいは、むし歯、歯肉炎、歯周炎などの歯科疾患の予防に役立つだけでなく、口の中の潜在的な病原体を洗い流すことで風邪やその他の病気の予防にも役立ちます。

歯磨きしても口が臭い人の対処法

歯磨きをしても口の臭いが消えないというのは不合理な問題です。 しかし、その原因を特定しなければ解決は難しくなります。 ここでは、口臭の原因として考えられる主な5つの原因と解決法を説明します。

しっかりブラッシングする

口臭の原因となるプラークを除去するためには、1日2回、少なくとも3分間歯を磨くことが重要です。歯を磨くのに十分な時間をかけないと、口臭の原因となることがあります。

日中3分間磨けない場合には、就寝前に歯磨きをしっかり行うようにしましょう。寝る前の歯磨き習慣が身につくと、朝起きた時の口臭が軽減するので是非おすすめします。

効果的な歯磨きの仕方

歯間ブラシを使用

食物かすが、歯の間やポケットに詰まることがあります。ブラッシングしても適切に除去されていない場合、食べかす(タンパク質)の分解が始まると、イヤな臭いが発生する可能性があります。

付着した食べかすを取り除くには、歯と歯の間の届きにくい場所に入るように設計された、歯間ブラシを使用してみてください。

歯間ブラシを使用すると、歯と歯肉の間から食ベカスを取り除き、不快な臭いの原因となるプラーク(細菌)を取り除くことができます。

歯の健康を維持するために、少なくとも 1 日に 1 回は歯間ブラシを使用する必要がありますが、歯周病や虫歯がある場合は、口臭を軽減するために、より頻繁に歯を磨くことをお勧めします。

シュガーレスガムを噛む

医学的に口腔乾燥症と呼ばれるドライマウスは、口臭になる最大の原因です。唾液が不足すると、口臭の原因となる口内細菌の増殖が増加する可能性があります。

唾液の分泌を促進するには、シュガーレスのガムを噛むか、アルコールを含まない口内洗浄剤を使用して細菌の増殖を抑え、息を改善します。

舌の清掃

歯を磨く頻度に関係なく、口と喉の細菌は口臭の原因となります。歯磨きだけではすべての汚れ(細菌)を取り除くことはできないため、舌など口の他の部分をきれいにすることが重要です。

専用の舌ブラシで 起床後1 日 1 回、舌の奥から前に2~3回磨いて、舌の表面に蓄積した舌苔(細菌)を減らします。これは、うがい(洗口)と合わせて、息をさわやかに保つのに役立ちます。

口臭原因全体の7割以上は舌苔に原因があるといわれていますので、舌清掃を行なうことは大切ですが、舌の磨き過ぎにはご注意ください。

舌磨きについて詳しくは、『舌磨きはしないほうがいい』をご参考にしてください。

マウスウォッシュ(洗口液)

歯磨きで取れない、もう一つの口臭対策は、喉を清潔に保つことです。美息美人(びいきびじん)のアルカリイオン水を使うと、容易に喉の粘液(膿汁)を取ることができるので、膿汁でお困りでしたら、美息美人を試されてはいかがでしょう。

膿汁予防について詳しくは、『膿栓、臭い玉が簡単に取れるアルカリイオン水うがいとは?』をご参考にしてください。

洗口液やうがい薬は、口内の炎症の緩和、抗菌効果、感染予防など、多くの利点を提供できます。うがいを行うと一瞬で口臭が消えますが、時間が経つと臭うようになるので、期待しすぎないことが大事です。

洗口液のデメリット

洗口液(マウスウォッシュやうがい薬)はすべての人に適しているとは限らず、特定の副作用を引き起こす可能性があります。喘息などの一部の病状は、人がこの形態の治療を効果的に使用することを妨げる可能性があります。

さらに、うがい薬は喉、口、胃に刺激を引き起こす可能性があります。うがいをするときは指示に注意深く従い、副作用が発生した場合は医師の診察を受けることが重要です。

口臭を効果的に予防する

口臭を効果的に予防するためには、毎日の歯磨きの他に、食生活や嗜好などにも注意を向ける必要があります。

口の中を清潔に保つ

口の中を清潔にすることは、口臭の発生を防ぐために最も重要なことです。歯磨きをした後、必ず歯間の清潔を保つために歯間ブラシやフロスを使用しましょう。口内のpH値をバランス良く保って、良い口内環境を保つために、歯磨きとうがい時にアルカリイオン水の使用もオススメします。

食生活や水分補給の管理

口臭の予防には、何よりも重要なのが食生活や水分補給の管理です。アルコールを摂取し過ぎると、口の味や臭いが変わったりする場合があります。

キムチなど臭いの強い食べ物を多く食べることは特に注意してください。好きなものでも適度に抑えた方が安全です。口臭を予防するためには飲料水を多く摂取し、体内の水分をバランス良く保ちましょう!

有害な嗜好を避ける

タバコなど有害な嗜好を控えるのも重要です。タバコは口臭の主な原因の1つとして広く認知されています。夜間になると体内バランスが崩れるので口臭に悪影響します。そのため、規則正しい生活習慣の維持が必要です。日差しを浴びたり、運動を行ったりすることで、口臭の原因や悪化を回避する効果もあります!

※口臭の原因になる嗜好:糖分の多い飲料(アクエリアス、ポカリスエットなど)、コーヒー、飲酒など。

緑茶は殺菌作用があるので口臭に有効ですが、利尿作用があるため口臭につながります。緑茶を飲んだら、同量の水を飲むようにしてください。

健康的な食事を行う

健康的な食事を行うことは、口臭を解消する大きな助けになります。腸内環境を整えると免疫力が高まり、自律神経を整えてサラサラ唾液がよく分泌されるようになります。

口腔内の環境を安定させるためには、正しい栄養バランスを考えて、オーガニック食品やスムージー・低糖料理などを毎日の食生活に加えてはいかがでしょう。

まとめ

歯磨きしても、口が臭い人と臭くない人の違いが理解できたのではないでしょうか。最も効果が出るのは、寝る前の歯磨き習慣です。

それでも、「口臭が気になって人と話せない」とか、「気にしすぎ」と言われる場合は、自臭症かもしれませんので、口臭外来などカウンセリングを受けられる病院の受診をおすすめします。

関連記事:本当に臭いのに「気にし過ぎ」と言われる!自臭症とは

ていねいにブラッシングしているつもりでも、磨き残しがあると口臭がするので、3か月に1回は、歯科での定期検診で歯石除去やクリーニングを受けるようにしましょう。

アルカリイオン水でうがいを行うと口臭が防げる

 

SNSでもご購読できます。