口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。
臭い玉(膿栓)が気になっていませんか。
臭い玉がたまると喉から匂いを感じるようになり、家族からも「ドブ臭い」と言われるかもしれません。
人によっては、臭い玉を見たことがないけれど、口臭がひどく、「臭い玉が出来ているに違いない」と思い込み、人との会話が恐怖になっているケースもあります。
口臭が気になると、仕事や人間関係が上手くいかなくなります。そのためでしょうか、私の所へのご相談でも、、、
「喉の奥から嫌な匂いがして困っています。そのせいなのか普通に鼻で呼吸をしても臭うんです。」
「唾を飲み込む時に喉に違和感があります。唾を飲み込むたび周囲の人が鼻をおさえるので口臭が気になっています。膿栓が隠れていて見つからないし、耳鼻科で処方されている薬を飲んでもまったく効果はありません。」
「5年ほど前から膿栓があり、喉の違和感と口臭で悩んでます。膿栓は何気ない時に取れることがあるのですが、翌日にはまたすぐできてしまい、とても気になっています。」
「耳鼻科を受診しましたが、扁桃炎などは異常なく、膿栓も見た感じ見えないと告げられ、うがいするしかないと、さらっと流されてしまいました。」
「喉に常に痰のようなものが溜まっており、膿栓や膿汁のような臭いが喉から漂ってきます。」
「扁桃腺を切除しようか悩んでいます。手術した方がいいでしょうか?」
臭い玉・膿栓のご相談で多いのは、次のような内容です。
- 喉に違和感があるのは、膿栓が溜まっているからですか?
- 口臭がひどくて治らないのは、膿栓が原因ですか?
- 膿栓はどこに出来ますか?
- 膿栓は、どうして出来るのですか?予防方法はありますか?
- 膿栓を取る方法を教えてください。
- 喉がイガイガしたり、歯磨きをしても喉からの口臭が気になるのは何故?
必要な項目を読まれて「臭い玉・膿栓」に関するお悩みを解決してください。
この記事の目次
臭い玉とはなに?
臭い玉とは、口蓋扁桃にたまる膿栓(のうせん)のことです。臭い玉は、咳やくしゃみをした時にポロッと口に出てきたりします。白くつぶつぶした塊なので、食べかすと間違えるかもしれませんが、指でつぶすとドブのような悪臭をしています。
通常の臭い玉であれば、小さいもので1ミリ程度の大きさから大きいもので5ミリ程度です。稀に1センチほどの巨大なものまであります。
臭い玉があると、喉がイガイガするなど違和感が続きますが、取れるとウソのように違和感も消えてしまいます。
臭い玉に関する疑問
臭い玉はどこにありますか?
一般的に「扁桃腺」と呼ばれる「口蓋扁桃」の窪みの中にあります。コブのような扁桃腺は、舌のつけ根の左右にあります。
臭い玉はどうして出来るのですか?(膿栓の原因)
扁桃腺では、 口から入ってくる細菌やウイルスなどの侵入を阻止し、体を守る「免疫」として大事な役割を担っています。
その時の、リンパ球などの免疫の死がい、細菌の死がい、食べ物のカスが、扁桃腺の窪みにたまり固まってできたものが臭い玉(膿栓)です。
そのため、臭い玉(膿栓)は、病気でなくても誰にでもできるものです。
毎日できるのはなぜ?
細菌の感染によって「扁桃炎」をおこすと、扁桃は赤く腫れ、白い膿(膿栓になる)を持つようになります。
頻繁に臭い玉(膿栓)ができる、毎日のように出てくる人の場合は、「扁桃炎」になりやすいか「慢性扁桃炎」の可能性が高いです。一度耳鼻科を受診されることをおすすめします。
【膿栓がよくできる原因】
- 生まれつき扁桃が腫れやすい
- 扁桃腺肥大
- ドライマウス(唾液量が少ない、口呼吸、によって喉が乾燥する)
- 後鼻漏
- 副鼻腔炎や咽頭炎
臭い玉があると口臭があるのですか?
臭い玉(膿栓)があっても、必ず口臭がするわけではありません。小さなものであれば、ほとんど匂いはしませんが、大きな固まりになると臭いも強くなります。
また、臭い玉(膿栓)が頻繁にできるようであれば、口臭がしている可能性が高いです。
喉からのドブ臭の原因
扁桃周囲炎になると、喉に白い膿(ウミ)を持つようになりますが、その膿(ウミ)が痰と混じって粘膜に付着します。これを膿汁(のうじゅう)と言い、これがドブ臭の原因です。
>> 喉に膿汁(のうじゅう)が着くと臭い!?膿汁とは?その原因と対策
扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)
口の奥の両脇にある口蓋扁桃という組織が、細菌感染などにより炎症を起こす「扁桃周囲炎」が進行して周辺にまで広がり、膿を持った状態。
…ドクターズファイルより引用
扁桃周囲膿瘍の治療方法としては、抗菌薬の内服治療が一般的です。
口臭は耳鼻科疾患が原因
臭い玉(膿栓)がない場合でも、耳鼻科疾患があると口臭が起こります。
副鼻腔炎(蓄膿症)、咽頭炎、喉頭炎等の炎症があると、膿(ウミ)や血液が口腔内と周囲の上気道内に出てきて、臭いニオイが、吐く息に混じり口臭が起こります。
口臭は舌苔が原因
臭い玉(膿栓)で困っている人の場合、しばしば舌苔が厚くなっていることがあります。これは、喉に膿(ウミ)が付くと細菌が繁殖するからです。
舌苔量が増えると、卵の腐った(硫黄臭)ような口臭を発します。臭い玉(膿栓)、膿汁、舌苔、これらが重なることで、さらに口臭がひどくなっていきます。
「臭い玉が取れたら口臭が治りますか?」という質問もありますが、口臭を予防するためには、臭い玉(膿栓)対策だけではなく、舌苔対策も必要です。
臭い玉ができやすいのですが、どうすればいいですか?(予防)
臭い玉(膿栓)を取ることで、違和感や口臭がなくなるかもしれません。ただし、それは一時的です。先ほどからお伝えしていますが、臭い玉(膿栓)は免疫の働きによる副産物だからです。
口臭がしないようにするには、臭い玉(膿栓)をできないように予防することが大事です。そのためには、臭い玉(膿栓)の原因となっている「耳鼻科疾患」の治療をすることが大切です。
【臭い玉(膿栓)の予防】
- 唾液の分泌を促す(よく噛む、水分摂取、唾液腺マッサージ、口呼吸を鼻呼吸に変えるなど)
- うがい(喉うがいで洗浄する)
- 小まめに水やお茶を飲む(口内と喉を洗浄する)
>> 膿栓、臭い玉が簡単に取れるアルカリイオン水うがいとは?
臭い玉はどうすれば取れますか?(取り方について)
通常の臭い玉(膿栓)であれば、無理に取らなくても自然に取れてしまいます。食事中に食べ物と一緒に飲み込んだり、咳、くしゃみで取れることもあるので、放置しても問題ありません。
しかし、喉の違和感や口臭で悩んでいる時には、自然に取れるまで待てないかもしれませんよね。そのような時には、次のように臭い玉(膿栓)を除去されてはいかがでしょう。
臭い玉が目で見えるようであれば、綿棒を使えば臭い玉を取れる可能性があります。綿棒で臭い玉を取るやり方は、直接綿棒でほじり出そうとしないで、臭い玉のたまる陰窩(ポケット)の下あたりを軽く押すようにするのがコツです。うまくいけば臭い玉がポロっと出て取れますが、間違って綿棒で臭い玉を押し込んでしまうと、穴の奥に入ってしまい取れなくなるので注意が必要です。
☆この記事はリンクフリーです。口臭に悩まれている方のお役に立ててくだされば幸いです。